東京都
データ連携システムにASTERIAを採用し、
自治体で初めて許認可業務の電子申請を開始
現在、飲食店等を開業する営業者は、管轄する保健所において食品の営業許可を受ける必要がある。東京都庁では、「e-Japan重点計画」に基づき電子申請の仕組み作りを推進しているが、今回、そのパイロット事業として、東京都健康局の食品に関する多摩地区における許認可業務の電子申請システムを、2003年度4月1日より本格運用を開始した。これにより、手数料や対面手続きの必要のない申請について、PC等からインターネット経由で申請が可能となり、スムーズな許認可が可能となった。許認可業務の電子申請の本格稼動は、都道府県レベルの自治体では初めての事例となる。システム構築は、電子申請をはじめとする電子自治体ソリューションの提案・構築に実績のある東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)が行った。中核となるシステム連携部分にインフォテリア株式会社のビジネス・インテグレーション・プラットフォーム「ASTERIA」を利用して、横河ソリューションズ株式会社が「DTS(システム間連携代理システム)」の開発に参画した。このたびの東京都健康局の食品に関する許認可業務の電子申請システム導入の経緯と構築の目的を、NTT東日本 e-Japan推進部 電子政府・電子自治体担当 吉中 正史氏にお聞きした
自治体として初めて、許認可業務の電子申請を実現
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| NTT東日本 e-Japan推進部 電子政府・電子自治体担当 吉中 正史 氏 |
東京都では、都の職員採用試験申し込みや能力向上受講申し込み、教員免許授与証明申請などを電子的に行い、業務の大幅な効率化を図ることを目的として、「東京都電子申請パイロット事業」に取り組んでいる。食品の営業許可申請もそのひとつだ。
従来、飲食店等を開業する営業者が住所変更や廃業の申請などを行う場合には、保健所に直接出向き、身分証明の提出と対面での申請手続きが必要とされていた。また、自動販売機を所有する飲食店営業者の代表者名の変更については、販売機ごとに申請書類を作成し、提出しなくてはならなかった。
東京都庁は、これら煩雑な申請業務を電子化するため、飲食店等を開業する営業者がインターネット経由で申請業務を行い、これを東京都庁内の既存の業務システムと連携させて許認可をリアルタイムで実現するシステムの構築を開始した。電子申請システムとして許認可業務を稼動させたのは、自治体としては東京都庁が初めてであるという。
今回の電子申請システム開始により最もメリットがあったのは、多摩地区に多数の自動販売機を有する企業だった。同社では、申請内容の変更に伴い、地区内12ヶ所の保健所に書類の届け出が必要だったが、これも電子申請により短時間で完了することができたという。
電子申請サーバーと既存業務システムをASTERIAを核としたシステム間連携代理システムで連携
東京都庁では、2002年6月よりフロントの電子申請用サーバーをNotes Dominoで構築しており、申請者がインターネット経由で申請した情報をここで受け取る仕組みになっている。また、東京都健康局には「東京都電子申請パイロット事業」を開始する以前から稼動中の食品に関する許認可申請管理・運営業務システムがあり、従来の紙ベースでの申請業務に使用されていた。東京都庁では今回、この電子申請用サーバーと許認可申請管理・運営業務システムを、人手を介さずに連携させることにより、完全に自動化された電子申請システムの実現を目指した。
DTSは電子申請用サーバーと業務システムを連携させる機能を持ち、電子申請用サーバーから申請された飲食店営業者当の届出内容を業務システムにほぼリアルタイムに反映させる。これにより申請者は、手数料や対面手続きが必要のない申請を行う場合、保健所へ出向くことなくインターネットでいつでも申請が行えるようになり、その場で許認可を受けることが可能となった。また都庁側でも、紙で受け取った申請データを業務システムに入力するという作業から解放され、入力ミスも解消することができた。さらに販売機を所有する営業者の代表者名の変更についても、インターネット経由で一括した変更申請が可能となり、申請書類作成作業を大幅に削減することができるようになった。
ASTERIAのマッピング/メール送信/PDF出力機能を活用し、運営管理機能を追加
申請者が電子申請用サーバー上で申請したデータは、CSV形式でASTERIAに送られ、その後ASTERIAのマッピング機能を利用して業務システム内のデータベースの必要な場所に配置される。業務システムの各担当職員に、申請データの到着を電子メールで通知するよう設定することも可能だ。また、業務システムに入力されたデータをもとに、業務用の帳票を作成することもASTERIAのPDF Builder機能を使って簡単に実現できた。PDF Builderに出力する都民の氏名などには常用漢字以外の漢字にも含まれるが、これには外字機能で対応している。
さらに、システム運用面での機能強化を図るため、横河ソリューションズではDTSにオプションとして上位アプリケーション層のログ管理を行う機能を追加した。独自のモニタリング画面を提供することで、複数システム連携によるデータベース、ネットワーク等のエラーを管理者にメール通知するためだ。運用管理の機能強化により、エラーの原因追及にかかる時間を大幅に短縮することができる。
DTSにASTERIAが採用された最大のポイントは、GUIベースの設計環境と、仕様変更時の容易な対応だという。短期間でのシステム開発と頻繁に行われる要件変更に柔軟に対応でき、しかもマッピング処理における生産性の高さを提供できるのはASTERIAだけだった。

将来のシステム拡張に柔軟に対応
東京都庁に導入されたASTERIAは、XMLやSOAPといった標準のインターフェイスを採用しているため、複数の業務システムと電子申請用サーバーを連携することができる。「ここでXMLを意識したのは、システム同士をつなぐ際に疎結合での連携が可能となるからです。システム要件の変更が著しいこの時代に、連携先のシステム仕様に応じてカスタマイズしていたのではスピード面でもコスト面でも追いつかなくなりますから」と、NTT東日本の吉中氏は標準技術の採用理由を語る。
今後新たに導入される電子申請用サーバーと、現在稼動中の業務システムを連携させる場合でも、業務システム側の変更は最小限ですみ、既存システムの有効活用が図れる。さらに、ASTERIAを核としたDTSは、自治体ごとに異なる業務要件にも柔軟に対応することができるため、東京都以外の自治体での導入も容易に行うことができる。
NTT東日本では、ASTERIAベースのDTSを活用して、今後は東京都のその他の局や23区、および全国の自治体への展開により、さらに安全で便利な電子申請ソリューションを提供していく予定だ。
※この内容は2003年7月時点のものです
会社概要
東京都庁
| 所在地 | 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 |
|---|---|
| URL | http://www.metro.tokyo.jp/ |
| お問い合わせ | NTT東日本 e-Japan推進部 電子政府・電子自治体担当 E-Mail:dts@ml.bch.east.ntt.co.jp URL:http://www.ntt-east.co.jp/e-gov/ |


