ERPとSaaSの一貫性を高める「SAP ERP-Salesforce.com連携」
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ERP連携でSaaSを垂直発進/活発利用も促進

クラウドコンピューティングの形態の一つであるSaaS(Software as a Service)には、すぐにアプリケーションを使い始められるという魅力があります。ところが、「使い始める」と「使いこす」は別の話。前者について、つまり、すぐに使い始められるかどうかはSaaSのサービス事業者の努力と工夫に依存するところが大きい。これに対して後者は、SaaSを利用する企業側の努力と工夫次第で変わってきます。

当然ですが、SaaSで扱うデータが空っぽのまま使い始めれば、短期間でエンドユーザーの利用率を高めるような“垂直発進”は難しい。また、既存システムとSaaSとの間でデータの一貫性が欠けていれば、エンドユーザーの手間が増えて活発な利用を阻害しかねない。

こうした課題を解消する一つの有効な手段が、多くの企業が既に導入しているERPパッケージとの相互連携です。あらかじめERPパッケージから必要なデータを取り込み、利用価値をある程度持たせた状態でSaaSを社内に公開する。運用時にはSaaSからERPパッケージへデータを取り込み、既存システムとSaaSとの一貫性を常に確保しておく。そうすることでSaaSの「垂直発進」と「活発利用」を両立させる。

ERPパッケージの導入企業の中には、SaaSとの相互連携の仕組みをすでに整えたところも出始めてます。この動きはSaaSの採用が増えるにつれて広がることでしょう。実際にSaaSとの相互連携の仕組みを用意するタイミングがきたら、第一に「いかに簡単に連携できるか」、第二に「いかに柔軟に連携先や連携内容を変えられるか」という視点を持つことが肝要です。

実践 Step by Step

SAP社のERPパッケージ「SAP ERP」とセールスフォース・ドットコム社のクラウド型サービス「Salesforce.com」を例に、双方を連携させる手順をStep by Stepで整理してみましょう。SAP ERPとSalesforce.comを連携させるには、当社のパートナー企業がASTERIA WARP用に開発・販売している2種類のオプションアダプタ製品を用います。

[1] SAP ERP連携
・SCSK株式会社(旧:住商情報システム株式会社)
ASTERIA ERP Adapter for SAPR

[2] Salesforce連携
・パナソニック電工インフォメーションシステムズ株式会社
ASTFORCE Salesforce アダプタ




まずは2種類のオプションアダプタ製品をインストールした後、ASTERIAを再起動して、SAP ERPとSalesforce.comへの接続設定をします。

【SAP接続設定】
ブラウザーに設定画面を表示し、SAPへの接続情報を登録します。具体的には、[設定]/[コネクション]/[その他]タブから[汎用]を選択して、接続名に任意の名前を入力。接続名以外の情報はアダプターの設定ガイドに沿って情報を登録してください。

SAP接続設定画面の例

【Salesforce接続設定】
同じ要領で[設定]/[コネクション]/[インターネット]タブを選択して[新規]ボタンを押し、Salesforce.comのサーバーへの接続情報も登録します。このときアカウント名やパスワード、セキュリティトークンなど、Salesforce.comのユーザー情報が必要になりますので、事前に用意してください。

Step2では連携処理のフローを作成します。最初にASTERIA Flowデザイナーを起動して[ファイル]メニューから[サーバーを追加]を選択。ログインダイアログで[サーバー名][ユーザー名][パスワード]を指定し、OKをクリックします。

次に[プロジェクト作成]ダイアログを開いて、[プロジェクト名][フロー名]を指定。フローテンプレートとして[新規フロー]を選んでOKをクリックする。するとスタートコンポーネントだけが配置されたフローが表示されるので、ASTERIA Flowデザイナーの画面上に以下の順番でコンポーネントを配置していきます。

(1)マッパーコンポーネント
(2)アイコンパレット「その他」/RemoteFunctionCallコンポーネント
(3)マッパーコンポーネント
(4)アイコンパレット「Salesforce」/AppExchange Loginコンポーネント
(5)マッパーコンポーネント
(6)アイコンパレット「Salesforce」/AppExchange Upsertコンポーネント
(7)終了コンポーネント

連携フローの作成画面の例

続いて、Step2で配置したそれぞれのコンポーネントのプロパティや、マッパーコンポーネントのデータマッピングを順次設定してきます。

(2)のRemoteFunctionCallコンポーネントを選択し、Step1のSAP接続設定で作成したコネクションを選びます(サンプル画面のAを参照)。必要に応じてプロパティを設定し、そのうえでアイコンをダブルクリックすると汎用モジュール選択画面が立ち上がるので、利用するSAP汎用モジュールを選択します(サンプル画面のBを参照)。

(1)のマッパーコンポーネントで出力ストリームをXML形式とし、SAP汎用モジュールのパラメータを設定します。

(3)のマッパーコンポーネントでは、SAP 汎用モジュールが返すデータのうち必要な部分を変数に保存します。

(4)のAppExchangeLoginコンポーネントを選び、Salesforce接続設定で登録したコネクションを選択。必要に応じてプロパティを設定します。

(6)のAppExchageUpsertコンポーネントのプロパティをセットし、Salesforceへ書き込むフィールドを定義します。Salesforce上のフィールド定義には、アダプターに同梱されている開発支援ツール「SObject Browser」を使うと便利です。

(5)のマッパーコンポーネントで、SAP 汎用モジュールから取り出して変数に保存したデータをSalesforceのフィールドにマッピングします。

各コンポーネントの設定画面の例

以上で設定は終わりです。[ファイル]メニューから[保存]を選択してフローを保存しましょう。このとき自動でコンパイル処理を行いますので、画面下端のログペインにコンパイルエラーが無いことを確認しておきます。

さあ、フローを実行して、SAP ERPのデータをSalesforce.comに連携させてみてください。[実行]メニューの[実行設定]からスケジュールを登録すれば、フローを定期的に実行することができます。

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