「シェアNo.1の秘訣」発刊

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 「シェア No.1 の秘訣」という本が発刊されました。これは、パッケージソフトウェアで市場シェアNo.1を取っている製品を持っているソフトウェアベンチャー企業の創業社長6名が、その道程やその経営の実態を語ったものです。恥ずかしながら、私も共著者の一人に名前を連ねています。
 私の話はとりあえず置いておいて、他の5名の社長の話を読んでみて、感じる事は「やはり、市場シェアNo.1を取るには理由があり、意志がある」ということです。偶然シェアNo.1になった製品は一つも無いことがわかります。


 その5名とは、サイボウズ(グループウェア)の青野さん、ウイングアーク(帳票ソフト)の内野さん、オービックビジネスコンサルタント(会計パッケージ)の和田さん、リードレックス(生産管理)の梶山さん、ソフトクリエイト(ECパッケージ)の林さん。ノウハウや方法論ではなく、それぞれの方々の戦いの歴史が詰まっています。
 私自身、今年でソフトウェアを生業にして30年が経ちます。その歴史の中で、Windowsの台頭以降、ビジネス用ソフトウェアにおいて、日本製のソフトウェアは外資系に押されっぱなしです。特にアルファベット3文字領域(笑)、例えば、ERP、RDB、CRM、SCM、CAD、PLMなどなど。例外的にEAI/ESB領域はインフォテリアのASTERIAがNo.1ですが:)、OSから、ミドル、そしてアプリケーション領域まで、日本製のソフトウェアのシェアはかなり後塵を拝しているのは認めざるを得ないところです。
 私自身も30年のうち約10年余は、外資系の片棒を担いで(笑)マーケティングや戦略企画を担ってきましたが、だからこそ断言できるのは、日本のソフトウェアは「経営力」で外資に負けているということです。だからこそ、MIJSでプロダクトビジネス推進委員会を立ち上げ、経営力向上を重要テーマの一つにもしました。業界の経営者が良く嘆くのは、「製品は良いのに営業力がない」「外資系は宣伝がうまい」「投資するカネがない」などですが、これらの根源は経営力です。社長!あなた自身の問題です。人を揃える力、考える力、仕掛ける力、そして伝える力などなど。経営者が「嘆いて」いるうちは、市場シェアNo.1への道のりは遠いでしょう。
 しかも、ボーダレス化、グローバル化がさらに進む中、ビジネスの世界はどんどん「No.1の時代」になります。「オンリーワン」などと言っている企業は淘汰されていくことでしょう。ソフトウェア業界においての、警鐘と自戒を込めて、この本の一節を書かせていただきました。


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