なぜ、「パンゲア 2.0」を始めるのか?

 

昨日(1月12日)、インフォテリアは「パンゲア 2.0」というスタートアップ支援プログラムのスタートを発表しました。このプログラムは報道発表にもあるように、世界を目指すスタートアップを支援する制度です。その内容は、報道発表を読んでいただくとして、ここでは何故このようなプログラムを始めるのかをお話ししましょう。

その理由は一言で言うと「恩送り」。話は、インフォテリアの創業時、いまから18年ほど前に遡ります。インフォテリアは、多摩川の河川敷の近くの六畳一間のアパートで創業しました。その時に問題になったのが、お客様との商談や、採用面談の場所でした。スタートしてすぐの資金のない会社にとって、交通の便の良い山手線沿線の会議室を借りるお金は無いし、喫茶店のような場所は企業向け製品の商談にはカジュアル過ぎました。

その時に、五反田駅のすぐ近くにあった私の前職の会社に、会議室とワークスペース(机、椅子、ネットアクセスなど)を1年間無償で提供していただいたのです。これには、本当に助かりました。お客様や、採用面談のためだけでなく、メディアからの取材や、投資家との打ち合わせなどにも使わせてもらいました。さらには、セミナールームでの製品説明会や記者会見も行うことができました。これら全てを貸会議室で行っていたら、そのコストは100万円を超えていたのは間違いありません。

インフォテリアは、いまではお陰様で上場も果たし、またオフィスは大井町駅という大変便利の良い駅(知ってましたか?)から徒歩3分のところに立地しています。昨年10月に、オフィスを大幅に増床し「IoT Future Lab.」(略称:イフラボ)を開設したことで、会議室、セミナールーム、コワーキングペースも広がりました。そこで、このスペースをスタートアップの皆さんにも無償提供し、インフォテリアが以前受けた「恩」を送りたいと考えたのです。

登録の条件は、「世界を目指すスタートアップ企業」であること。私たちとしては、特に、インフォテリアが注力をしている分野、例えば、IoTやブロックチェーン関係の企業を歓迎します。また、東京に拠点がない地方の企業も歓迎します。

実は「2.0」の名称が示す通り、このプログラムは、以前から提供しているプログラムのバージョンアップ版です。以前は、提供できるスペースも決して広くはなかったのですが、今回が総面積で530㎡のスペースが対象と大幅にアップグレード。さらには、私や社外取締役であるAnis Uzzamanへの経営相談、交流を促進する月に1回のワインパーティなどの新プログラムも用意しました。

大幅にバージョンアップされた「パンゲア 2.0」では、全体のディレクションを行うディレクターとして株式会社54代表取締役の山口豪志氏を招聘し、いまどきのスタートアップのニーズに合った展開をしていきます。新規登録の第1号企業として、株式会社Tears Switchを紹介しましたが、総数20社程度を支援することができればと考えています。また、インフォテリアとしては「恩送り」が主旨ではありますが、このような熱気溢れるスタートアップの人達と接点が増えることで、私たちの「発想と挑戦」への刺激がもらいたいと副次的な効果も期待しています。

最後に「パンゲア」の名前は、現在の5つの大陸に別れる前の原始大陸の名称です。私たちは、「パンゲア」から、五大陸で活躍するスタートアップが生まれることを期待しています。

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

おかげさまで、昨年もインフォテリアは
いくつもの実績と挑戦を積み重ねた年となりました。

主力製品の「ASTERIA」は10年連続で市場シェアNo.1を獲得し、
10月には最新バージョンと、クラウド時代に即した
新たなラインアップ「Core」を出荷しました。

「Handbook」は、インバウンドのための多言語コンテンツや、
地方自治体における災害発生時のBCP活用までその領域を広め、
社会の要請に応えるサービスとして大きな進歩を遂げました。

業界における活動としては、
一般社団法人ブロックチェーン推進協会を立ち上げ、
代表理事に就任し、ブロックチェーンの普及活動を推進。

さらには新しい時代の働き方の啓発に向けて、
テレワーク導入拡大やLGBTの採用強化に向けた積極的な
取り組みを実施してきました。

2017年は、「3つのD」(Data, Device, Decentralized)に
象徴される時代の潮流を先取りする新製品の提供を
開始するとともに、新たな協業関係の構築などにより
お客様の現場における価値創造を一層加速させてまいります。

2017年も、インフォテリアをどうぞよろしくお願いいたします。

平野洋一郎

ブロックチェーン大学校、修了者が100名を突破!

一般社団法人ブロックチェーン推進協会(略称:BCCC)が、今年8月に「ブロックチェーン大学校」をスタートしてから、その修了者が100名を超えました。

同じ今年8月には、ロイターが日本のブロックチェーン技術者不足を指摘していました。それから修了者が100名を超えたと言っても、データベース技術者やJava技術者などに比べると2桁も3桁も少ない数字です。これから社会へのブロックチェーンの幅広い普及を考えると、ブロックチェーン技術者はまだまだ圧倒的に足りないと言えますし、現に、AI等で無くなる職業が増えるなかブロックチェーン技術者が仕事として有望であるという記事も出始めています。

ところで、「ブロックチェーン技術者」という定義について誤解を受けがちなことがあるのでクリアにしておきましょう。一般的に圧倒的な不足していると言われているブロックチェーン技術者とは、ブロックチェーンそのものを開発することのできる技術者ではなく、ブロックチェーンを使うことができ、適切な実装ができる技術者のことです。「データベース技術者」がデータベースそのものを開発する技術者を指さないこと、「Java技術者」がJavaそのものを開発する技術者を指さないのと同じです。定義がわかれば、データベース技術者やJava技術者の数に対して、100名という数字がいかに小さな数字かということがわかるでしょう。

では、ブロックチェーン技術者を育てるにはどうしたら良いのか。国内では、まだ体系立てた学習のカリキュラムは、BCCCの「ブロックチェーン大学校」しかありません。ブロックチェーンの普及を推進する団体としては、他にもブロックチェーンの教育が始まることを願っていますが、現在のところまだ1つです。

「ブロックチェーン大学校」では、現在ブロックチェーン技術の基礎を固めるための実習を含めた、2ヶ月間8回にわたる講座を実施しています。ブロックチェーンの起源であるビットコインのブロックチェーンを題材に、その基礎について体系立てた学習を行います。すでに2期を修了し、2017年1月開講の第3期の募集も開始しています。受講のためには、BCCCへの加盟が必要ですが、そのハードルは高くありません。

BCCCそのものは、本日現在で加盟社数が109社となりました。最近では、三井住友海上火災保険、あおぞら銀行、阿波銀行などの金融機関に加えて、丸紅、ぐるなび、日本NCRなど幅広い業界からの加盟が加速し、ブロックチェーン技術のニーズの広がりを示しています。フィンテックやブロックチェーン関連の世界は、めまぐるしいスピードで動いている中、国内の動きが遅れをとらないよう、BCCCでは新たなメンバーのパワーを加え活動をより活発化していきます。

Horasis Asia Meetingに参加

今週日曜日から月曜日にかけて、タイの首都バンコクで開催された、Horasis Asia Meetingに参加して来ました。Horasisとは、スイスに本部を置く世界的なシンクタンクで、このミーティングは、「新興国版のWorld Economic Forum」(NY Times)とも言われています。

Invitation Only(招待された人のみ)で構成されるこの会に、今回パネリストとして参加しました。先日開催されたEconomist誌のJapan Summitに引き続き、全編英語のパネルディスカッションです。そのテーマは「Rebooting Asian Finance」。私以外の7人のパネラー(下記)は金融セクターの方々だったので、始まる前はアウェー感を持っていて、「それでも技術がアジアの金融の発展に貢献することを話そう」と肩に力を入れていました。しかし、いざパネルが始まってみると、話題はいきなりフィンテック(FinTech)に。

私が発言しようと考えていた「インフラが整っていないからこそ新しい技術を導入しやすい」だとか「ブロックチェーンの導入で先進国より先行するすることができる」と言ったポイントも他のパネリストから挙がり、徐々に「アウェー感」は吹き飛び、リラックスして議論に参加することができました。

総勢8人のパネリストに90分という時間配分だったので、「十分な議論が出来ないな」と考えていたのですが、ChiarのWarren Luke氏の配慮で、自己紹介はスタート前に済ませていきなり議論に入ったことで、下記のように幅広い話題で楽しく議論ができました。

– トランプ勝利のインパクト
– TPPと貿易政策
– 企業会計の透明性と会計基準
– 新興国のアドバンテージ
– フィンテック、技術の貢献、ブロックチェーン
– レギュレータへの提言

ディスカッションの最後に、議論を踏まえてレギュレータへの提言を各パネラーが個別に挙げました。パネル全体で一つにまとめるところまでは踏み込めませんでしたが、私が挙げたデジタライザーションを進めアドバンテージを取ること、技術を活用して企業会計の透明性を上げることなどについては、パネラーの皆さんの賛同を得ることができました。

そして、夜行便で火曜日の早朝には東京に戻り、朝9時から普通に仕事ができます。これが、米国やヨーロッパだとそうは行きません。平日1日を費やすだけでこのような密度の濃いミーティングやディスカッションに参加できるのは、東南アジアの大きなメリットだと改めて感じました。

今日から「日経アジア300指数」もスタートし、日本においても存在感を増すアジア経済。これからも大きな成長が期待できるアジアの国々や人々ともっと交わっていきたいですね。

<チェア>
• Warren Luke, Chairman, Hawaii National Bank, USA

<パネリスト>
• Gaurav Chopra, Founder, Indialends, India
• David Do, Chief Executive Officer, Vietnam Investments Group, Vietnam
• Pina Hirano, Founder and Chief Executive Officer, Infoteria, Singapore /Japan
• Motoya Kitamura, Partner, ROC Partners, Japan
• Aaron H. Kwon, Chief Executive Officer, Summit International Capital, Korea
• Balaji Swaminathan, President International, Westpac International, Singapore
• Riku Sugie, President, Shinsei Financial, Japan
• Shin Hyun Uk, Founder, Popfunding, Korea

今年も走りました!ITチャリティ駅伝

今年も走りました!

海からの風が心地よい秋晴れの日曜日。今年もNIPPON ITチャリティ駅伝が開催されました。この駅伝は、IT業界で鬱病やひきこもりなどで、就業が困難になった人達を支援するNPOのFDA (Future Dream Achievement)が主催し、チャリティで集まったお金はその支援に充てられます。

今年で、第7回になるこの大会は、参加チーム数がIT関係企業から770チーム。1チーム5人ですから実に4,000人近くが走る大きな駅伝大会となりました。インフォテリアからも2チーム10人が参加。私もBチームのアンカーとして走りました。

走るコースは、お台場の潮風公園を中心とした周回コース。例年、公園内を海風を受けながら気持ちよく走り抜けるのですが、今年は公園内は「ポケモンGO!」のプレイヤーが多いということで、車道脇のコンクリートの歩道を走ることになったのは残念でした。しかし、やはり皆で走ったあとの心地よさは格別で、恒例の焼肉食べ放題反省会では「また来年も走ろう!」と気勢を上げました。

この駅伝で一人が走る距離は3km。タスキを渡しながら5人で走って合計15kmです。私は、初回から毎回参加していますが、今年はいままでで一番快調で距離も足りなく感じました。理由は、わかっています。最近、日曜日にシンガポールの自宅に居るときは、早朝ランで、7〜10kmを走っているからです。出張の時は走らないので、毎週走っているわけでもないですが、たまにでも走っているだけで、3kmは物足りなく感じます。

さて、走った結果は、Aチームが111位、Bチームが664位。Aチームは、第1走者、フランス出身のエンジニア、Clement Teuleをはじめとしてかなり健闘し、インフォテリアとして史上最上位の結果です。もともとチャリティーが目的で、順位争いではないのですが、それでも成績がいいと嬉しいですね。来年は100位以内を目指せるか?そのためには、私もタイムに貢献できるくらい鍛えないとだめですね(笑)

インフォテリアは、何故イフラボを作ったのか?

インフォテリアのIoTアプリ開発ソフトウェア基盤製品「Platio」(プラティオ)の発表に併せて、国内最大規模となるIoT機器100個以上を常時設置する「IoT Future lab.」(略称:イフラボ)を開設しました。品川区大井町のインフォテリア本社があるビルで新たに増床した1階全フロア=約530平方メートルの空間全てが「イフラボ」です。

では、なぜソフトウェアメーカーのインフォテリアがIoT機器を展示する「イフラボ」を作ったのか?それは、IoT機器は繋がなければ価値が生み出せないものだからです。つまり、つないでナンボ。「つなぐエキスパート」として様々なIoT機器をリアルに繋ぐところに私達のソフトウェアの存在意義があります。IoT機器だけでなく、そのミドルウェアや、稼働するクラウドサービスなど多種の共創が必要となり、そこに欠かせないのは「つなぐ」ことです。そこで、インフォテリアは 「つなぐ」ソフトウェアを2製品提供するだけでなく、IoTの価値をリアルにするために、ハードウェアもリアルに「つなぐ」。IoTを推進する人たちもリアルに「つなぐ」。それが「イフラボ」です。

「イフラボ」の「イフ」は「IF」。つまり「もし」。「もし、こんなことができたら〜」、「もし、これとこれが繋がったら〜」、こんな「未来」にむけた「もし」を語り合い、実際に試して、未来に繋いでいくことができるスペースを目指しています。

イフラボの所長には、インフォテリア東京R&Dセンター長の田村健が就任(兼任)しました。技術のインフォテリアの責任者が、未来を見据えつつも地に足の着いた、IoTの活用のための「つなぐ」を、IoT熱量の高い皆様と一緒に実現していきたいと意気込んでいます。

そのために、イフラボには、IoT機器の展示・デモスペースだけでなく、IoT化されたセミナールーム(約90名収容)、IoT化された会議室、コラボレーションスペース、放送スタジオなども備えて、IoTを中心としたさまざまな共創がGo!(グリーン)になる場になればと考えています。そこで、フロア全体のイメージをグリーンにするだけでなく、「インフォテリアの森」がある熊本県阿蘇郡小国町から大量の杉を取り寄せて、フロア全体にふんだんに取り入れ、居心地のよい空間にしています(写真)。

IoT機器メーカーの皆さん、IoTインテグレータの皆さん、IoTインフラベンダーの皆さんと一緒に、仕事に、社会に役立つIoTを考え、作り、提供していきましょう。イフラボのページから、ご相談や、活用アイディアをご連絡ください。是非。

http://iot.infoteria.com/

ガートナーのハイプ・サイクルの見方

ガートナー ジャパン株式会社から「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2016年」が発表されました。今日は、この中身を見てみましょう。

ガートナーのプレスリリースでは、今回発表されたハイプ・サイクルに関する解説がなされていますが、このハイプ・サイクルは時系列でポジションの「動き」を見ることが大切です。

今回は、インフォテリアに関係のある「クラウド」「モバイル」「IoT」の3つの切り口で、2015年のハイプ・サイクルのポジションと比べてみました。

まず、クラウド関係技術です。

クラウド関連では、2016年版には5つの技術が取り上げられていますが、その中の1つは前年には無かった「IoTクラウド・プラットフォーム・サービス」です。これは、クラウドとIoTの両方に関係する技術ですが、現在「黎明期」に位置づけられており、これからAWS IoTAzure IoTさくらのIoTなどのクラウドプラットフォームが、大きく注目を浴びそうであることがわかります。また、面白いのは、ステージの進展において「追い越し」が起きていることです。つまりクラウドの中でも進化が早い技術、遅い技術があることが図で一目瞭然です。具体的には、「クラウドIaaS」と「(パブリック)クラウドコンピューティング」は「プライベート・クラウドコンピューティング」を追い越しており、2015年には最も先行してた「プライベート・クラウドコンピューティング」が追い抜かれたことがわかります。

次に、モバイル関連技術です。

モバイル関連技術は4つの技術が取り上げられていますが、ハイプ・サイクル上の幅広い位置に分布していて、モバイルそのものが幅広いインフラとなって来ていることがわかります。ここで注目すべきは、唯一の「黎明期」にある「モバイル・アプリケーション開発プラットフォーム」です。これは、従来のPCやサーバー向けアプリケーション開発のようにゴリゴリとプログラミングをしてアプリを開発するものではなく、現場や接続先(センサーなど)に合わせて簡単にアプリを開発・配布できるものです。インフォテリアが今年度中に提供を予定している「Hawking(コード名)」も、この分野にあたります。

最後に、IoT関連技術です。

IoT関連技術は、2016年版で5つの技術が取り上げられていますが、その全てがハイプ・サイクルの左1/3に存在し、全体的に新しい技術であることが一目でわかります。また、5つの技術のうち2つ「IoTセキュリティ」と「IoTクラウドプラットフォームサービス」が新たに登場したものです。今後はさらに、IoTの制御、連携、運用などの技術が黎明期に登場してくるのではないでしょうか。現在マスコミで大いに注目され「ピーク期」の頂点を過ぎたIoT(モノのインターネット)、これからの幻滅期にいかに地に足のついた開発を行っていくかが鍵となることが分かります。

世界的にも有名なこのガートナーのハイプ・サイクル。今回は2年間の比較で見ましたが、さらに長いスパンで「動き」を見るのもまた参考になります。あなたが携わっている技術、あなたが興味をもっている技術がどういう「動き」をしているのか。それを確認することで、メディアの報道やライバルの動きに踊らされることなく、これからを見据え、地に足のついた活動の支えになるでしょう。

人をHAPPYにするIT@空飛ぶ誕生日

今日、8月25日は私の誕生日です。

そして、いつも夜行便を使っている関係で、8月24日に東京を発ち、翌25日早朝にシンガポールに着くというフライトにたまたま乗りました。いつも通り、羽田空港国際線のカウンターに荷物のチェックインに行くと、「お誕生日おめでとうございます。お座席をアップグレードさせていただいています」とのこと。渡されたチケットを見ると、「HAPPY BIRTHDAY」と印字されているではないですか!

今年は一人寂しく誕生日を迎えるのだなと、まあそれも仕方ないと思っていたところでのサプライズ。航空会社の心遣いにとても嬉しくなりました。そして、いつも通りラウンジで「メイフラワー」を飲んでいると、ラウンジの女性2人が「平野様、お誕生日おめでとうございます!」と言いながら、バースデーメッセージがチョコで大胆に入ったデザートプレートを運んでくるではないですか!マイレージ会員サービスだろうとは思っても、嬉しさがこみ上げてきます。これまで他の会員サービスでは、ショートケーキが出てきたり、クッキーをもらったりなどのサービスを受けたことはありますが、ここまで手の込んだプレートをいただいたのは初めてです。

搭乗時刻になり、ゲートに向かいます。ゲートでチェックインをすると、地上係員の女性がすっと寄ってきて「平野様、お誕生日おめでとうございます!」と。私はまた驚いて立ち止まって「ありがとうございます。」と言うと、その女性は、「あ、歩きながらで構いません」とのことなので、一緒に歩き始めました。チケットのアップグレードや誕生日プレートなどに驚いたことやその御礼を伝えていたところ、機内へのブリッジに入る手前で立ち止まり、「これ、記念のプレゼントです。」と小さな箱を渡されました。

機内に入り、その箱を開けてみると、それはレザーのペンケース。しかも、小さな可愛い飛行機の飾り付きです。いくらマイレージ会員サービスとはいえ、ここまでされると感激してしまいます。ほどなく飛行機は離陸。夜行便でしっかり睡眠するために、離陸と同時に眠り込みました。

いつもは、着陸時の衝撃で目が醒めるのですが、今日は子供から頼まれた免税品を買うために早めの目覚めです。免税品カタログで目当てのものを探し出し、CAさんをコールボタンを押すと、「平野様、お誕生日おめでとうございます!」と言いながら、2つ折りのカードを差し出されるではないですか。開いてみるとそこにはCAさんの手書きのバースデーメッセージが!4回目のサプライズです。私のハートは、もう掴まれてしまいました(笑)

誕生日という1つのイベントに、1つの会社から4つものサプライズを受けましたが、職業柄か、一番感心したのは一番地味とも言える「HAPPY BIRTHDAY」の文字が印字されたチケット。プレゼントをいただいた方に、誕生日プレゼントのサービスは以前からやっているのかと訊いたら、現場からのアイディアで、1年ほど前に始まったのだそうです。そして、チケットに「HAPPY BIRTHDAY」の文字はつい数ヶ月前に始まったと。「システムの人が対応してくれて嬉しい」と、私にプレゼントを渡してくれたその方はおっしゃっていました。

システム部門では思いつかない現場ならではのアイディア、そしてそれをしっかり実現するシステム部門。ITを生業にしていると「ITは人を幸せにしているのか?」とよく議論されます。そのような中で、たった13文字で幸せな気分になることを実感できました。たかが13文字、されど13文字。人をHAPPYにするITに生で触れ、やはり人のHAPPYは人がつくるのだと、それを支援できるITを提供していきたいと、温かい気持ちになりました。

ポケモンGOに垣間見るAPI社会の入り口

「ポケモンGO」フィーバー!が起こっています。

ゲームを楽しむだけでなく、うまくビジネスに活用しようという動きや、社会的問題・課題の提起、さらには企業経営観点での論評など、私の周りでも何かと話題になっています。

一方で、ポケモンGOフィーバーを冷ややかに見て距離を置いている人も、私の周りには相当数存在します。リリースから3週間が過ぎた米国では、「すでにピークは過ぎた」といった報道もあります。

ただ、IT(情報技術)という観点からは、ポケモンGOが情報技術の可能性の新たな地平を切り拓いたと私は感じています。もちろん、過去にもセカイユウシャ(セカイカメラのゲーム)やIngressのようにAR (Augmented Reality) とGPS (Global Positioning System)にゲーム要素を組み合わせたものもありました。ポケモンGOも、Ingressの上に任天堂が「資産の切り売り」しただけで「新しい価値を生み出したわけではない」という論評もあります。しかし、ポケモンGOは技術的にはARゲームの延長線上であっても、プレイヤーが画面の中を動かすのではなく、プレイヤーである人間の方をこのような大規模で動かした、初めてのIT=ハードウェア(スマホ)+ソフトウェア(クラウドサービス+アプリ)と言えると私は捉えています。

その影響力の大きさから、ポケモンGOはゲームの次元を超えて、マーケティング観点からも様々な可能性が語られています。広告業界に激震が起こるという話、マクドナルドのスポンサードポケストップのような集客装置としての話などなど。

しかも、ポケモンGOがヒットした=幅広く受け入れられたということは、私たちが携わる企業ITにおいても関係の無いことではありません。それは、いまや企業の現場で使うソフトウェア(サービス)はIT部門の押しつけでは使われず、現場のユーザーに選定パワーがシフトしていく状況ではなおさらです。

これからの企業ITで「使われる」ソフトウェアであるためには、現場ユーザーにヒットするソフトウェアであることです。そのためには、直感的でバランス良くデザインされたUI/UXが最重要だということは当然のことですが、見落とされがちなのは、既に存在する最高のサービスを組み合わせ活用して開発するということ。ポケモンGOの例では、Google Maps、Ingressのデータ、精度の高いGPS、そしてポケモンの知財なしでは、成り立ちません。それらは、いずれも世界レベルのもの。自前の、妥協したものを組み合わせたわけではありません。

Pokemon GO のAPIを利用したサービスPokeVision

「既に存在する最高のサービスを組み合わせ活用して開発する」ために、これから重要になってくるのが、API (Application Programming Interface) です。専門以外のビジネスパーツを自前で作ること無く、ビジネスに必要な世界水準の機能や、専門性の高い処理をAPIで提供を受けることができるようになります。ポケモンGO自身が、Google MapsのAPIや、AppleのGPS APIを利用している訳ですが、PokeVisionのようなポケモンGOのAPIを使ったサービス(上図)も既に出現していて、様々なサービスがAPIを組み合わせ、連鎖して提供されるようになると想像すると、さらにその先の「API社会」を垣間見ることができます。

API社会では、現在あらゆる企業がウェブサイトを持つのと同じように、対外的なサービスを行う会社が、様々なAPI を提供します。ゲーム会社だけでなく、IT企業だけでなく、様々な企業が自社のサービスをAPIでアクセスできるようにして、繋がりあい、ヒトやモノの物理的移動以外を組織を超えて自動化していく世界です。(もちろん、この際にプログラミングせずとも繋ぐことのできる、ASTERIAのようなサービスの存在は重要です。また、この際にスマートコントラクトや、仮想通貨が重要なことは別の機会に。)

インターネットサーバーが日本にまだ数台しかなかった頃、「誰も見ないホームページ(ウェブサイト)を作っても意味がないだろう」と言われました。それが、いまやあらゆる企業がウェブサイトを持っています。いまAPI社会の話をしても「誰も使わないAPIを公開しても意味がないだろう」と言われるでしょう。しかし、考えてみてください。ウェブサイトの限界は人が目で見て、人がアクションを起こさなければならないところです。「伝票を紙にプリントして、その伝票を別のシステムに手で再入力する」のと同じようなことがあちこちで行われているのです。各社、各事業、各サービスがAPIを持てば、組織を超えてコンピュータが繋がり自律的(Autonomic)に稼働することができるようになります。

ポケモンGOのような、人に行動まで含めて社会に大きな影響力を持ったプラットフォームが様々なAPIを駆使して提供され、また自らもAPIを提供し、それを使ったサービスが出現し、さらにそのサービスのAPIが提供される。こういったAPIの連鎖で提供されるITの姿を想像すると、その先のAPI社会のリアリティを感じるのです。

あれから3ヶ月が経ちました

今日で、熊本地震の発生から3ヶ月。

これまでに、数多くの方々から私の故郷熊本に対して、多くの方々からお見舞いやご支援をいただきました。私は、熊本を代表する立場ではありませんが、この3ヶ月間、私自身も数多くの善意に触れてきましたので、改めてこの場を借りて御礼を申し上げます。誠にありがとうございます。

今日(7月14日)だけはちょうど節目の日ということで、さまざまなメディアで熊本地震の報道がなされていますが、最近は熊本地震の報道はめっきり少なくなりました。しかし、報道が減るのと同じように、避難所生活の人々や、稼働できない企業が減っているわけではありません。故郷熊本では、いまだに5,000人以上の人々が避難所生活を強いられ、いまだに稼働できない中小企業が数多く残っています。

そんな中、今日はBS11の経済番組である「財部誠一の異見拝察」という番組の収録を行わせていただきました。通常は、個々の企業活動にスポットを当てた番組ですが、熊本における被災した中小企業にスポットを当てていただき、私が会長を務める熊本弁ネイティブの会で実施し、インフォテリアでも協力した、復旧・復興支援活動とその後の状況を語らせていただきました。(放送は、BS11:7月25日(月)23:00〜23:30)

その支援活動は、以前もこのブログで一部紹介した、日比谷公園や代々木公園のイベントでの物販です。収録にあたり、その時に私が販売品を買い付けに伺った中小企業の方々に3ヶ月経った状況をお伺いしましたが、お話しができた全ての企業で、まだ復興は緒についたばかりであるという状況で、熊本外からの支援を長く継続していかなければならないと痛感しています。

目に見える土建物や建物などは目に見えて修復が進んできていますが、被災した中小企業の経営はさらに悪化しているところも少なくなく、また被災地の方々の心のケアもより必要な状況となっています。一人一人ができることは小さいですが、皆で力を合わせれば、大きな力となることは、先日のイベントでも証明済みですので、これからも微力であろうが、支援を続けていきたいと考えています。

ぜひ、熊本外の方にも、継続的な応援・支援をいただきたく何卒よろしくお願いいたします。

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