鐘を鳴らしてから10年経ちました

2007年6月25日、インフォテリアの東証マザーズ上場を記念したセレモニーで東証の鐘を鳴らした日からちょうど10年が経ちました。

上場から10年、色々なことがありながらも、事業を継続し、ここまで成長してくることができたのも、社員メンバー、ご家族、パートナーの皆様、そしてお客様のおかげです。関与していただいた全ての方に深く感謝いたします。ありがとうございます。

そして、先週土曜日にはインフォテリアの上場企業として10回目の株主総会を無事終えることができました。今回は、史上最高の169名の株主の方にご参加いただき、ライブ中継したインターネットでの視聴は330名を数えました。並行して実施したブロックチェーンによる株主投票の実証実験には289名の方に参加をいただき実験は成功しました。これは、日本経済新聞(電子版)でも取り上げていただきました

そして例年通り、株主総会に引き続き事業戦略説明会を実施しました。約35分間のプレゼンテーションでは、インフォテリアの考え方とこれからの方向性を語らせてもらいました。株主総会は、基本的に過去の報告ですが、事業戦略説明会は未来の話ですので、できるだけ多くの株主の方にこちらの話も是非聴いていただきたいと考えて実施しています。参加出来なかった方は、ぜひ録画をご覧ください。

   

今年は、新たにIoT関連の2製品「Platio」「Gravio」の出荷も開始し、また「デザインファースト」のソフトウェア開発に向けて英国のデジタルデザイン企業のM&Aを行いました。今年度の業績としても、売上高が60%増、営業利益が36%増と大きな成長を目指しています。

次の10年に向けて、今年がギア・チェンジの年となるよう、チャレンジを継続し、大きな成長を目指します。

インフォテリアの株主総会にご参加を

私の大好きな花の一つ、紫陽花が街を彩る季節。
それは株主総会の季節でもあります。

日本の株式会社で一番多い決算月が3月。そのため、日本で一番株主総会が多い月が6月となっています。インフォテリアも3月決算のため、株主総会は6月。今年は6月24日、例年通り土曜日の開催です。

インフォテリアの2017年3月末現在の株主数は、11,252名。このうち何名が株主総会会場にお越しいただけるかは当日までわかりませんが、私としては、できるだけ多くの株主の方々にご参加いただきたいと考えています

そこで、以前から個人の方々が参加しやすい土曜日に開催しています(11,252名の株主のうち9割以上が個人株主)。また、昨年までは、午前中に開催していますが、今年は午後1時30分からの開催としました。これは、株主の方々からの意見の中に、午前開催だと遠方から参加される方が参加しにくいとのご意見をいただいたことを考慮に入れたものです。

株主総会は、インターネットでも生中継します。会場に来ることが出来ない方でも、株主総会の様子をライブで観ることができますので、ぜひご参加ください。また、株主で無い方も視聴することが可能です。これまでは、Ustreamを使った中継を行っていましたが、今年は新しい試みとしてYouTube Liveでの配信を行う予定です。

さらに今年は、模擬的にブロックチェーンを使った株主投票(議決権行使)の実証実験を行っています。これは、ブロックチェーンの特長を活かして、発行企業ですら不正ができず透明性の高い株主総会決議を目指したものです。また、今後、信託銀行がAPIなどで情報を提供するようになれば、そのデータをASTERIAで直結することで、株式事務の大幅なコスト削減と高速化が実現できます。さらに、ブロックチェーンのデータを統計的に分析することも容易になります。この実証実験の結果は、株主総会に続く「事業戦略説明会」の中で公開をする予定です。

このように、インフォテリアでは定型的になりがちな株主総会でも、経営理念の1つである「発想と挑戦」を続けています。今年も、インフォテリアの株主総会にご注目ください。

We are the Champions!

“We are the Champions〜!!”

会場に、ボーカルの声が響きます。といっても、イギリスのロックバンド「クイーン」のライブ会場ではなく、ASTERIAパートナーミーティングの懇親会の会場です。

インフォテリアでは主力製品ASTERIAのパートナーの皆様にお集まりいただき、年に一度のキックオフを行っています。そして、今年は初の試みとしてASTERIA事業本部を中心メンバーとしたバンド演奏を行ったのです。フレディ・マーキュリー風のボーカルは、事業本部長の熊谷晋。スーツから着替えて、いきなりこの出で立ちにパートナーの皆様は驚きながらも拍手喝采!ドラムは第1営業部長の荒井琢。会場全体が力強いビートに包まれました。


バンドには私もギターで参加しました。これまでずっと使っていたギターではなく、先日買収したイギリスの企業This Place社の経営陣からプレゼントでもらった、グリーンのストラトキャスターの初お披露目です。

今回初となる、ASTERIAパートナーミーティングでの社員バンド演奏は、私が中期経営計画で挙げているスローガン「おもしろ おかしく」 の一貫として、ASTERIA事業本部が企画してくれたものです。厳しい仕事の中にも、ちょっとした楽しみを見つけ、そして参加してくださった皆様にも共有していただきたくて。

もちろんASTERIAパートナーミーティングは、懇親会だけではありません。本編は、午後いっぱいを使っての1年間のビジネスレビューと、新年度の活動計画を共有する場です。私からは、10年連続市場シェアNo.1達成と、2002年からの累計導入社数が6,000社を突破したことを報告しました。ASTERIAは、いまや押しも押されぬチャンピオンであることを。

しかし、ASTERIAはここで止まりません。さらに進化を続けます。パートナーミーティングでは、近いうちに、AI(コグニティブ)連携や、IoT連携も実装していくことも発表しました。チャンピオンの座をさらに強固なものにしていくASTERIAに、これからもご期待ください。

雨上がりの夜空に、熊本を想う

先週末、5月13日(土)、14日(日)、東京の日比谷公園で、熊本復興支援のための熊本県産品や寄付商品のチャリティー販売を行いました。結果として、この2日間だけで100万円を超える売上を上げることができ、全額が熊本の生産者(被災農家、被災メーカー)の仕入れと、熊本復興のための募金に提供できることとなりました。

熊本地震から1年を超え、今では「1周年」などの節目でしか熊本地震のことは話題に昇りません。私も、まさに1周年となる4月15〜16日に、熊本をこの目で確かめたくて熊本入りしました。1年を経て、復旧した道も建物も、営業を再開している店も多くあり、街の人々も元気でしたが、熊本城、阿蘇大橋、阿蘇神社などは、まだまだ地震の爪痕を大きく残し(写真)、復旧には何年もの時間がかかります。また地元中小企業の二重債務の話を聞くとまだまだ復興にはまだ長い長い道のりがあるのだと実感させられました。


地元の知人、友人に1年の節目なので来熊したと伝えると、「外の人はそぎゃんして節目ん時だけ気にするばってん、こっちはまだ毎日が闘いだけんね。」(外部の人は、そうやって節目の時にだけ気にしてくれるけど、私たちは毎日が闘いなんです)と複数の人から言われました。この言葉は私も当事者の一人と思っていたわたしにもグサリと刺さりました。この言葉を聞いて、「節目だから何かする」のではなく、いつでも出来るときに出来る限りを意識して行きたいとの思いを強くしました。

その思いをつないで実施した日比谷公園での2日間の活動のうち、実は1日目は開始から終了までずっと雨が降っていました。客足も伸びず、売上も全然増えません。結果、1日の目標に遠く及ばない売上となりました。雨の中、ポンチョを着てもずぶ濡れとなって皆で頑張ってもこの結果でした。夜になって雨が上がり、なぜ今日の昼間だけ雨なのかと、恨めしく夜空を見上げました。

この空の先にいる熊本の人たちを想い、残り1日の限られた時間でも最高の結果を出そうと誓い、明日こそは雨が降らないようにと祈りました。祈りが通じたのかどうか、翌日は雨の降ることはなく、大きく挽回して冒頭の結果を打ち出すことができました。

熊本の復興のためには、まだまだ継続的な支援が必要です。今回の復興支援活動を主催した「熊本弁ネイティブの会」では、「でくっこつば、でくっしこ」(一人一人が、出来ることを、出来るだけ、無理せずに)を合い言葉にこれからもずっと復興支援を続けていきます。

今日、このブログを読んでいただいた貴方も、少しでも良いので熊本の復興を応援していただければ幸いです。最後に、私が支援している復興プロジェクトを紹介しておきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

インフォテリアグループの新オフィス in シアトル

今日は、インフォテリアグループの新オフィスがあるシアトルに来ています。本日4月20日付けで、英国ロンドンに本社、米国シアトルに子会社があるThis Place社が正式にインフォテリアグループとなったからです。

シアトルは、私たちIT業界でいうと、MicrosoftやAmazonの本社のある場所として有名です。他の業界としては、StarbucksやBoeingの本社としても知られていますし、スポーツでは、イチローのいたSeattle Marinersが(日本では)有名ですね。

This Placeのシアトルオフィスはデザイン会社らしく、とても自由な雰囲気です(写真)。このオフィスは、私たちのスタッフだけでなく、クライアントの皆さんも一緒に働くというコラボレーションオフィスになっています。デザインとは、いまやイラスト、アイコンなどの「絵」だけを意味しません。デザイン思考という言葉にも象徴されるように、ビジネスのあらゆるところに、デザインの要素を取り込むことができるのです。

お客様とどのように一緒に仕事をするかもデザインの一つ。This Placeでは、お客様を自社オフィスに招いて、同じフロアで机を並べて仕事をしています。ミーティングをどのように行うかもデザインの一つ。This Placeでは、ミーティングルームもありますが、ソファースペースや、ホワイトボード壁の前などでいつでもミーティングができるようになっています。実際にミーティングルームより、そのような場所でのミーティング方が多いようです。

 

これから従来型の仕事がどんどんロボットやAIに任せられるようになり、人間はよりクリエイティブな仕事ができるようになります。その際に重要なことが、刺激のある、楽しい仕事であること。高い目標やハードルがあっても、それを強いモティべーションにできるチームがあること。これは、インフォテリアの中期計画のスローガンである「おもしろ おかしく」にも通じることですし、私が以前から推奨している「笑ってお仕事」にも通じることで、インフォテリアグループ全体に取り入れて行きたいことです。

インフォテリアは、今日から、日本、米国、中国、シンガポール、英国に拠点を持つ、ソフトウェア×デザインのグローバルカンパニーとなります。ビジネスのあらゆる面でデザインが重要になっていくこれからの時代。世の中に提供する成果物だけでなく、私たち自身もソフトウェア×デザインを実践し成果を出すチームとして成長していくのです。

サクラサク – 駐日英国大使館にて


4月4日に英国のデザイン戦略コンサルティング企業This Place Limitedの買収について発表を英国大使館で行いました。英国大使館は、敷地内に多数の桜があり、ちょうど見頃。大使館の経済・投資担当ディレクターのChris Heffer氏からは、ソフトバンク、KDDIに続く、期待の日英のコラボレーションとして紹介され、私とThis PlaceのCEO Dusan Hamlinがプレゼンテーションを行いました。

This Placeは、2011年の創業からSamsonite, T-Mobile, Ahold Delhaizeなど大企業のデジタルデザインとその戦略を担って急成長をしており、現在はロンドンとシアトルに拠点を置いています。また、この内容が認められ、業績としても素晴らしい成果を挙げています(図)。

しかしなぜ、インフォテリアがデザイン企業を買収したのか?
インフォテリアの事業とどう関係があるのか?

その理由は、私たちはこれからのソフトウェアが「機能ファースト」ではなく「デザインファースト」の時代になると確信しているからです。この傾向はすでにコンシュマー向け製品では、如実に表れてきていますが、これから企業向けのソフトウェアでも、「デザインファースト」の止められない流れが始まり、その流れをリードしていきたいと考えているのです。

コンシュマー製品での好例は、iPhone。発売当初のものは「コピペ」といった基本機能すらなかったのに、その(総合的な)デザインによって世界中で受け入れられました。これまで、企業向けソフトウェアは、機能のマル(○)バツ(×)表が重視されていましたが、そうではなく、UI/UX、機能のバランス、使い勝手など総合的なデザインが重要になります。

インフォテリアでは、中期経営計画において、これからのソフトウェアのトレンドとして「3つのD」を重要視していると発表していました。これまでは「Design」をあえて秘していましたが、晴れてこれを加えることができ、「4つのD」となります。

デザインが重要になってくるのは、ソフトウェアにとどまりません。例えば、米国では下記のように、いくつもの未来志向の会社がデザイン会社を買収しています(時系列順)。大きなデザイン会社が小さなデザイン会社を買うというのではなく、畑違いの企業がデザイン会社を買収しているのです。その理由は、「デザイン」がビジネス戦略の核となる時代となってくるからです。

・米Facebookが「Hot Studio」を買収
・米Capital Oneが「Adaptive Path」を買収
・米McKinsey & Companyが「LUNAR」を買収
・米Accentureが「Fjord」を買収

インフォテリアは以前から、社内にデザインチームを持って、ソフトウェアのデザイン(UI/UXだけでなく)に注力してきましたが、やはりそこには限界がありました。そこで、社外でプロフェッショナルを探し、実際に一緒に仕事をしてみて、その結果として、未来を一緒に創っていくプロフェッショナルな仲間を見つけたのです。

実際に仕事をした結果の一つが「Tristan」(英語圏製品名「Handbooks」)です。Tristanは、現在提供中の「Handbook」をベースにThisPlaceがUI/UXおよび機能デザインを監修した製品で、すでに英語圏市場ではAppStoreで提供を開始しています。「Handbook」は、日本のユーザーの皆様の要望に応じてどんどんと機能を強化し成長してきましたが、「Tristan」は、機能もUIもあえてそぎ落とし、洗練しているのが特徴です。「Handbook」よりも機能が少なく、機能的な非互換があるため日本市場ではまだ提供していませんが、日本でもそう遠くない将来に提供開始できるでしょう。

This Placeは、デジタルデザインとその戦略のプロフェッショナル集団というだけでなく、事業としても高収益で素晴らしい成績を収めている企業であり、インフォテリアが目指す世界戦略の一歩大きくすすめる買収でもあるのです。

ダイバーシティを推進する「4つのA」とは?

香港で開催されている「Pride and Prejudice」というフォーラム(英Economist主催)に参加しています。これは、世界3ヶ所(ロンドン、ニューヨーク、香港)で同時開催されるダイバーシティをテーマとした会議です。英国のEconomist主催ということもあって、昨夜のテロの影響を心配しましたが、カンファレンスは予定通りに始まりました。

私は、「View from the Top」という午前のセッションにパネリストとして登壇しました。これは、企業トップとしてダイバーシティ特にLGBTにどう取り組むのかということを議論するセッションです。パネリストは、オーストラリア、タイ、フィリピン、日本から1名ずつ。各国でLGBTに積極的に取り組んでいる企業のトップです。

ダイバーシティへの取り組みは、先進国の中では日本は遅れているほうだと感じていますが、日本の現状を共有し、企業トップに取り組んで欲しいプロセスを「4つのA」に整理して提案しました。その「4つのA」とは以下の通りです。

Aware = LBGTの人達の存在や、その課題を認識すること。
Accept = LGBTの人達を受け入れる意識を組織やメンバーが持つこと。
Action = LGBTの人達が働き易くするためにルールを変えたり勉強会を実施すること。
Appeal = 自社の取り組みを社会に告知し、取り組みを連鎖させていくこと。

また、パネルの中では唯一のIT会社だったので、ITがLGBTの人達が働き易くなる社会作りに貢献できることについても話しました。

SNS (Social Network Service):LGBTの人達が組織や地域を越えて繋がり、連絡を取り合ったり、コミュニティを作ったり、コラボレーションすることができる。

これは、既に実現していますが、少し先の私の夢も語りました。

AI(人工知能):採用プロセスにAIを活用することで、人間の持つ偏見や差別をできるだけ排除することができるようにならないか?

Blockchain:ブロックチェーンをの改竄不能性や、真正性確認の特長を使って、LGBTの人達を傷つけたり貶めたりする怪文書、偽文書を撲滅できないか?

これらは、現時点ではアイディアでしかありませんが、そのほかにもITが貢献できることはあるはずです。

日本においては、LGBTどころか男女や外国籍の人達のダイバーシティ対応すら不十分な会社も多く、こういう新しい取り組みは壁にぶつかったり、疲弊することも多いのが現状です。しかし、小さくても、少しずつでも進めていけば、いつの日か、違う種類の人達が身近にいることを誰もが当たり前に受け入れられるようになっていくと考えています。

オウンドメディア「in.LIVE」スタート!

インフォテリアのオウンドメディアとして「in.LIVE」を始めました。

読者の中には「オウンドメディアって何?」という方もいらっしゃるかもしれません。英語で書くと「Owned Media」。つまり、自社で持つメディアのことです。広義では、自社ウェブサイトそのものやブログもオウンドメディアですが、狭義では、記事体裁のコンテンツで構成されるいわゆるオンラインメディアの形式をとるサイトをオウンドメディアと呼ぶケースも増えているようです。

ソフトウェア業界で有名な狭義のオウンドメディアとしては、サイボウズの「サイボウズ式」があります。業界を越えると、ライオンの「Lidea」や、資生堂の「Beauty & Co.」などが有名です。

インフォテリアも、コーポレートサイトを含めて、製品毎にサイトを立ち上げブログも展開するなど、広義のオウンドメディアを通じた情報発信は以前から行っています。今回、それらに加えて新たに「in.LIVE」を始めたのには、理由があります。それは、ウェブマーケティングが徐々に自社や自社製品への「囲い込み」から、ユーザーや顧客の方々からの「囲われ込み」に軸足を移してきているからです。

昨今、FacebookやツイッターなどのSNSやキュレーションの発達によって情報発信が一方通行では無くなってきています。つまり、オウンドメディアで企業が発信したコンテンツを、いかにしてSNSなどで拡散されるように仕掛けるか?企業側がどう取り上げるかではなく、個々人にどう「取り上げてもらうか」が重要になってきているわけです。

また、インフォテリアが様々な技術の最前線に立ってビジネスを進めて行く上で、直接自社のソフトウェアには関係しなくても、多くの人にとって有益であろう情報にたびたび触れます。そうした情報を、もっと幅広く、個々人の感覚に近く、考えること、感じることを発信していこうと考えました。

そこで、「in.LIVE」の全体のテーマは「人を感じるテクノロジー」。

インフォテリア製品にかかわらず、関連分野や興味の湧きそうな技術とそれに関わる人にスポットライトを当てて、ユーザーや顧客の方々にかかわらず、幅広い人に少しでも興味をもってもらえる話題が提供できればと考えています。

「in.LIVE」の編集長は、台湾情報サイトの運営でも活躍中の田中伶(広報・IR室)が務めます。これまでの、ビジネス書キュレーションや、スタートアップ企業での広報の経験を活かしながら、「人を感じるテクノロジー」を積極的に発信していきます。ぜひご覧になってください。

URL https://inlive.infoteria.com/

ソフトウェアジャパンアワード2017受賞

「ソフトウェア ジャパン アワード」という賞を聞いたことがあるでしょうか? これは、(一社)情報処理学会が主催し、年に1度、個人に与えられる賞で、下記のような人に与える賞とされています。

日本発の世界に誇るソフトウエアの研究者、開発者、技術者で、情報技術分野において特に産業界への功労がありその業績が顕著であると共に、今後の産業界への活躍が期待できる方へ贈呈。 (情報処理学会ウェブサイトより)

この賞は、これまでにiモードの夏野 剛さん、Rubyのまつもとゆきひろさん、TRONの坂村健さんなどが受賞されていて、昨年はチームラボの猪子寿之さんが受賞されています。このように、日本のソフトウェア界を代表するような方々が受賞されている賞ですが、今年は驚くべきことに私が受賞することになりました。 受賞の連絡をいただいた時には、正直に言って驚きました。受賞理由は以下の通りとされていますが、ソフトウェアに陶酔して大学を中退して以来、2つの会社で学んだことをベースとしてインフォテリアを起業し、やりたいことを精魂込めてずっと続けて来ただけなのです。

平野氏は、日本発のXML専業ソフトウェア開発ベンダとして1998年にインフォテリア社を起業した。その代表製品である、「ASTERIA」は導入企業5,000社を超え、データ連携ミドルウェア市場で9年連続国内トップシェアを継続している。また、XMLコンソーシアム(現先端IT活用コンソーシアム)の立ち上げや、2016年の「ブロックチェーン推進協会」の立ち上げなど、新技術を中核とした業界コミュニティの活動にも熱心に取り組んでいる。コミュニティ活動による技術者育成、市場への新技術の浸透への貢献も大きい。事業のグローバル化を見据えて近年は活動拠点をシンガポールに移し、更なる活躍が期待される。

聖人君子ではないので、私も社会貢献を第一に活動しているわけではなく、その根っこの動機は極めて個人的なものです。そこで、表彰式での受賞スピーチでは、なぜ私がこういった活動をしているのかの根っこの話をさせていただきました。以下、その抄録です。(長文)

「I have a dream.」という有名なスピーチがあります。
ソフトウェアに関して、私にも夢があります。今日は、その話をします。

それは、「ソフトウェアを日本の輸出産業にする」という夢です。

私は、ソフトウェアは産業財として
資源も国土も乏しい日本に適していると確信しています。

なぜなら、ソフトウェアを造るために、資源や原材料を輸入しなくてもよいからです。
そして、製造にあたって大規模な工場を作ったりする必要がないからです。
さらに、いまではソフトウェアは世界中に一瞬で届けることができます。
Windows, Mac OS, Android, iOSなど稼働環境も課金ネットワークも世界中でフラット化してきました。 それなのに、日本の多くのソフトウェア開発企業は、日本国内だけでしか事業を行っていません。

なぜか?

それは、ほとんどが「受託開発」というスケールしないビジネスモデルになっているからです。一つの顧客から注文書をいただいて、その注文通りに開発して、注文者に納めるというビジネスモデルです。このモデルでは、売上を伸ばすためには、それだけ人手が必要となって、スケーラビリティに乏しいのです。

一方で、世界で活躍しているソフトウェア企業は、どうでしょうか?Microsoft、Oracle、Google、Facebook。注文書をもらってその通りに開発して納める受託開発はやっていません。製品開発でありサービス開発です。どこからも注文書は来ないのに、自ら考えて、開発して、どうですか!と言って世に提案するのです。

このように、おなじソフトウェア開発業でありながら、日本と欧米のビジネスモデルは大きく違っていて、構造的に世界で勝負できるようになっていないのです。

私は、その状況を打破し、日本から世界中で使われるソフトウェアを開発するために、米国型・シリコンバレー型の企業としてインフォテリアを起業しました。

その理由は、私の少年時代にまで遡ります。

私は、小学校時代から半田ごてを握っている電子工作少年でした。
愛読書は「ラジオの制作」と「トランジスタ技術」。
高校に入ってすぐに、愛読書に載っていた「マイコン」に衝撃を受けました。

それまでは、「別のことをやる」には「別の回路を設計する」必要があったのですが、「マイコン」では、「別のことをやる」ために別の回路を設計しなくても良いのです。同じ回路のままで、計算ができたり、カウンターができたり、ゲームができたりしました。
これは電子工作少年にとっては「青天の霹靂」でした。

そこから一気にソフトウェアにのめり込みました。
高校での授業中もノートを取るふりをして机上プログラミングをしていました。
最新のコンピュータがあるという噂を聞いて、熊本大学工学部に進学しました。
しかし、1年生、2年生はコンピュータの基礎を座学や古いマシンで習うだけで、
最新のコンピュータなど使わせてもらえません。

「大学の4年間は無駄だ!」と考えて、熊大マイコンクラブの1つ学年が上の先輩と大学を中退しました。そして、アルバイトをしていたマイコンショップでソフトウェア開発組織を作りました。これがキャリーラボという、熊本から日本中にソフトウェアを提供していた会社です。

今、米国では、スタンフォード大や、イリノイ大や、ジョージア工科大やMITなどの大学の周りで多くの企業がスタートアップすると指摘されています。しかし、日本にも以前は各大学の周りに、卒業生や学生がスタートアップしたソフトウェア企業があったのです。
・北大のハドソン
・東大のサムシンググッド
・阪大のダイナウェア
・九大のシステムソフト
そして、熊大のキャリーラボという風に。

当時、これらの会社が開発していたソフトウェアの領域は多岐にわたっていました。OS、プログラミング言語、ゲーム、ワープロ、業務パッケージまで。しかし、各社とも組織が大きくなってくると同時に、外資系の参入によって、経営が厳しくなると、受託開発に走るようになってきました。

私は、自分で開発した日本語ワープロが「日本一」を受賞して、次は「世界一」だということで、当時マイクロソフトより大きくてソフトウェア起業としては世界一の売上だったボストンに本社があるロータスという会社に入りました。

ロータスではマーケティングをやらせてもらいましたが、私が外国製の製品を担いで売っているときにも、国産のソフトウェアベンダー日銭稼ぎに走り、研究開発投資も先細り、どんどん衰退していきました。

一方で、本社のある米国では、優秀なエンジニアがどんどん新しい会社を作り、すぐにアイディアを形にして、ヒット作を世に送り出していく姿を目の当たりにしました。

ソフトウェアエンジニア時代は、私も例に漏れず「良い物を作れば良い」と考えていましたが、完全に甘い考えだということを悟ったのです。 そして、欧米のやり方を研究して、世界と渡り合っていくためにソフトウェア開発企業として最低限必要な3つのことを悟りました。

1つめは、製品開発に集中し、受託開発をしないこと。
2つめは、投資家と組むこと。
3つめは、フォーカスすること。

受託開発がスケールしないことは既に話しましたが、2つめの「投資家と組む」とは何でしょうか?エンジニア時代の私もそうでしたが、なんとなくお金を避けているところがありました。中にはお金を汚いものと考えている人さえいます。しかし、シリコンバレーでもボストンでも、ミリオンドル(億円)単位の投資を受けることで、長期間全く売れなくても優秀なエンジニアを雇い、短期間で製品開発をすることができるのです。日本の日銭稼ぎと並行の製品開発とはスピードが全く違います。

3つめの「フォーカスする」とは何でしょうか?これは一点突破することです。一点突破することで、その小さな領域ではスタートアップが大企業を勝ることができる可能性が高まるのです。例えば、インフォテリアでは、XMLにフォーカスしてXML事業のために27億円を集めました。あの当時XMLの研究を始めていた大企業もありましたが、27億円の投資をできた大企業があったでしょうか?

そして、またフォーカスは2つめの大きな投資を小さな会社が受けられる理由でもあるのです。 一方で、典型的な日本のソフトウェア開発会社は、受託開発の片手間に製品開発をやる。投資家とがっつり組まない。優秀なほど「何でもできます」と言ってしまうのです。これは経営者は安心かもしれないけど、デジタルコピーに基づくスケーラビリティというソフトウェア最大のメリットを捨てているのです。

では、3つの悟りによってインフォテリアが世界展開に成功したかというと、そうではありません。インフォテリアの海外への挑戦はすでに3回目なのです。

2000年にボストンに子会社を出して2002年に撤退。
2005年にシリコンバレーに子会社を出して2009年に撤退。
2012年にサンフランシスコの企業を買収してInfoteria Americaに改名。

現在のチャレンジはすでに3回目なのです。
未だに海外の売上は微々たるもので、この3回目が成功するかどうかはわかりません。 「3度目の正直」になるのか?
「2度あることは3度ある」になるのか?

しかし、3回目がうまく行かなくても、インフォテリアである限り、海外へのチャレンジを続けます。なぜなら、世界で通用するソフトウェアを開発して、世界で使ってもらうために創った会社だからです。

もちろん、実現は簡単ではありません。過去、多くの企業向けソフトウェア会社がトライしましたが、まだ成功した企業はありません。しかし、私は誰かが野球でいう「野茂英雄」になれると確信しています。そして野茂が出れば、野茂と同じようにその後に多くの企業が続くことを。

私は夢を持ち続けます。
「ソフトウェアを日本の輸出産業にする」という夢を。
I have a dream.

驚き!cloudpack(アイレット)との協業、その先へ

AWS (Amazon Web Services) 導入実績No.1の実績を持つ「cloudpack」を運営するアイレット株式会社と協業し、新ラインアップの「ASTERIA WARP Core」との組み合わせによる新サービスの提供開始を、1月23日に発表しました。その記者会見は、翌24日に各種メディアに幅広くカバーされましたが、そうしたら25日にKDDIさんがアイレット株式会社を子会社化するとの発表が!

大変驚きました。「タイミングを狙ったんですか?」と外部の人からも聞かれましたが、こんな重要なインサイダー情報を事前に知っているわけがありません。2日前に記者会見したばかりの齋藤社長にメッセンジャーで驚きと、お祝いと、今後への期待をお伝えしました。

「cloudpack」は、AWSにおいて5年連続でプレミアコンサルティングパートナーを獲得(国内で5年連続はアイレットとNRIの2社のみ)し、技術力と実績では確固たるポジションを築いていますが、これからはKDDIグループのもと、さらに信用基盤も高め、幅広い営業展開が可能になりそうです。新サービスの導入目標の100社という高い目標も、KDDIグループ入りで前倒しで実現できそうに思えてきます(笑)

日本では、いまだに「子会社化」や「買収」といった話にネガティブなイメージを持つ人が多いようですが、最近は今回のような明確にポジティブなケースも増えているのではないでしょうか?KDDIさんは、クラウドインテグレーションに信頼と実績のあるチームをグループとして手に入れ、さらなる成長を目指すcloudpackは、信用とスピードを手に入れるのです。

アイレットは、インフォテリアが新しく始めたASTERIAサブスクリプションパートナーの第1号ですが、幸先の良いスタートに大いに期待を膨らませています。

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