所有から利用へ、TCOからTCUへ

 景気の低迷が顕著となり、あらゆる産業で「コスト削減」の大合唱です。

 そして企業ITのコストと言えばまず挙げられるのが、「TCO = Total Cost of Ownership」以前から企業ITコスト削減の文脈の中ではTCOを下げることについて様々な議論や提案がなされて来ました。


 しかし、ソフトウェアもハードウェアもクラウド化していくと、これから企業ITも「所有」するものから「利用」するものへと変わっていきます。そうすると、コスト削減の文脈において企業が気にすべき点も、所有コストではなく利用コストということになります。それを、今インフォテリアでは、「TCU = Total Cost of Usership」と名付け、意識転換を提案し始めています。

 これは、言葉の遊びではなく、視点を変えようということです。TCOはITシステムの所有コストなので、その定義から全体のハードウェア、ソフトウェア、保守、教育などのコストの積み上げで、例えば、「PC 1台1ヶ月あたりいくら」とか「年間TCOをXXXX万円削減」などという形で表現されています。しかし、これはIT部門のコスト意識であって、利用者からはコスト削減の意識を喚起しません。

 一方、TCUという視点では、利用する業務や部門の単位でどのようなIT関連コストがかかっているかを算出するのです。例えば、「この業務に1ヶ月あたりいくら」という形です。「所有」から「利用」にシフトすることで、こういった数値もより算出しやすくなります。業務視点での積み上げですから、業務単位のコスト効率や部門による重複などが見えやすくなります。

 インフォテリアでは、TCUの視点によって大きな「ムダ取り」=「コスト削減」ができるポイントとしてマスターデータ管理(MDM)を提案し、実績を上げ始めていますが、TCUの視点はMDMのみならず、さまざまな分野で有効なはずです。


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