企業IT投資がリーマンショック前に改善

 IT投資指数の変化(2001〜2014年度予想)

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出典:ITR「IT投資動向調査2014」

今週火曜日(12月3日)、国内有数のリサーチ&アドバイザリー企業である株式会社アイ・ティ・アールから「IT投資動向調査2014」の結果が発表されました。

特に今回のハイライトは、国内企業のIT投資増減指数が「リーマンショック」前の水準を回復したことで、プレスリリースのタイトルにもなっています。

実際に、国内企業向けソフトウェアが売上のほぼ100%であるインフォテリアの売上高で見ても、同じ傾向が読み取れます。以下のグラフは、インフォテリア過去5年の対前年伸び率の推移です。(直近値で比較するために上半期で比較)

インフォテリアの売上高前年比の変化(2008年度上期〜2013年度上期)

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出典:インフォテリア株式会社決算短信

このように、リーマンショック以降1桁台だった伸びが、ベンダー側でも今年度に来て顕著に伸びていることがわかります。

さて、問題は企業の投資力がリーマンショック以前に回復したとしても、投資内容はリーマンショック以前に戻してはいけないということです。

なぜなら、2008年以前の段階では、まだクラウドもスマートデバイスも本格的に企業導入できる段階ではなく、ほとんどの企業の投資がオンプレミスに向かっていたからです。一方、現在、2013年の段階ではクラウドもスマートデバイスも劇的に進化しました。

私は、以前から「企業IT投資のスマイルカーブ」と題して、投資領域をオンプレミスからクラウド&スマートデバイスにシフトするよう推奨しています。それは、同じ投資をするのであれば、よりリターン(効果)の大きい領域に投資すべきという当然至極な理由です。

オンプレミスの領域には、大きなイノベーションはなく、またここ20年の程の投資によって企業競争力に資する投資はなかなかありません。一方で、クラウドとスマートデバイスのイノベーションは劇的で、この効果をどのように取り入れるかで、コトラー先生に倣えば「コスト戦略」、「差別化戦略」に大きく寄与することができるのです。

IT投資領域のスマイルカーブ(投資効果領域の変化)

SmileCurveIT

(C) 2010-2013 インフォテリア

この事実を、縦軸に投資効果、横軸にユーザーからの距離をとると、図のようなスマイルカーブになります。企業IT投資が戻ってきたという状況の中で、金額だけでなく、投資領域も意識しなければ、無駄になってしまうことを強く意識すべきでしょう。

インフォテリアは、まさにこのスマイルカーブを意識した投資で大きなリターン(価値)を得ることのできるソフトウェアの提供に注力しています。「つなぐ」ASTERIAと、「伝える」Handbookで、1社でも多くの企業の競争力強化に貢献したいと考えています。


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