Gibsonが危ない!?

私の第1号のギターは「レスポール」でした。

と書いて「ああ、そうか」と、うなずく方は、どの程度いらっしゃるでしょうか?私のレスポールは、高校の入学祝いに両親から買ってもらったものです。

当時、ギターを始める少年のチョイスは、基本的にストラトキャスターか、レスポールだったのですが、私はレスポールのハムバッカーから出る分厚い音が好きでレスポールにしたのです。レスポールと言えば、本家本元は米国のGibson社製ですが、そちらは大変高額(当時30万円以上)なので、「Greco」という日本のメーカー製のレプリカを買ってもらいました。そして、Gibson製のレスポールは、多くのギター少年の憧れの存在だったのです。

そのレスポールの本家本元であるGibson社が倒産しかかっているというニュースが今週流れ、元ギター少年達を驚かせました。Gibson社の地元メディアNashville Postによると近々償還期限がくる債務400億円強の返済メドがついていないというのです。また最近CFOが辞めていることも報じ、その危惧に拍車をかけています。

Gibson社は、レスポール以外にも、SG(Eric Claptonなどが愛用)、LS-335(Larry Carltonなどが愛用)、フライングV(Keith Richardsなどが愛用)などの有名なギターも創り出し、世界中のギタリストに愛用されています。

元ギター少年の私としては、世界を代表するエレキギターの老舗Gibson社が倒産するなんて考えてもみなかったことです。しかし、経営視点からすると、老舗の倒産というのは珍しくはありません。そこで、生まれて初めてGibson社の財務状況を見てみたのですが、売上も大きく減少傾向、5年連続で最終赤字という状況でした(下図)。2016年度の売上が約160億円まで落ち込んでいるところに目の前で償還すべき借入が400億円強もあるというのですから確かにかなり厳しい状況です。エレクトリックギター市場そのものの縮小についても近年はよく報道されていましたが、まさかツートップの1社で倒産が危ぶまれる状況になっているとは。

Nashville Post報道の後に、ロイターCNBCIndependent等他メディアの報道も続いたことからか、Gibson社のCEOから「借り換えのメドがついているので、心配ない」とのコメントが出ました。私は、経営者としてよりはギタリストのはしくれとして、ロックの歴史を作ってきたGibsonブランドが無くなってしまわないことを願うばかりです。

 


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