月別アーカイブ: 2017年9月

べき?たい?働き方改革を考える

明日、「働き方改革」を加速させた、電通事件の初公判とのこと。

この事件をきっかけに、残業問題に火がつき、全国的に働く時間を減らそうという
「働き方改革」が広く謳われ始めました。

それに伴って、政府でも様々な動きがあります。残業時間の罰則付き制限、
プレミアムフライデー(関連インタビュー)、祝日のさらなる追加 etc.

しかし、違和感を感じるものも多くないですか?

それは、仕事時間つまり「量」の施策ばかりで、
仕事の内容つまり「質」の施策ではないからだと、私は考えます。

働く時間を減らせば、働く人が皆幸せだと考えるのは、
あまりに短絡的ではないでしょうか?
あなたはどうですか?
内容や効率は横に置いたままで、
とにかく働く時間は短い方が良いという論調となり、
まるで働くことが「悪」のような扱いです。

しかし、本当に必要な働き方改革は「質」の方でしょう。
つまり、
一律に何かやったり、新たに制限や罰則を増やすのではなく、
個人個人の事情や都合に合わせ、働く時間や場所の柔軟性を上げ、
多様性を促進することだと考えています。

言い方を換えると、働き方改革として「質」を上げるには、
「べき」を増やすのではなく、
「たい」を増やすことです。

なぜなら、「〜べき」は「皆同じ」であり「押し付け」だからです。
それは個々の幸せには結びつきません。
幸せは、誰かに与えられるものではなく、
個々の願いの達成と、それに近づく過程にあるからです。

一方で、「〜たい」は、個々の願いであり、
他との差別化との源泉=価値でもあるからです。

仕事とは、個人が価値を創出・提供する活動であって、
少ない時間で同じ価値を創出・提供するためには、
その質を上げていく必要があることは自明です。
さもなくば、単に創出・提供する価値が減るだけで、
その結果として収入が下がり、幸せとは逆の方向に行ってしまいます。

だから、働き方改革が、働く人の幸せを目指すのであれば、
「量」だけに着目した新たな規制や、一律の制度ではなく、
個々の事情や都合に合わせ、パフォーマンスを最大限に発揮し、
「質」を上げていけるような、働き方の多様性が大切なのです。

それは社員と経営のディレクションを合わせることにもつながります。

働き方改革でいろんな施策・対策が出て来ますが、
「量」ではなく「質」の議論にするために、
「べき」が増えることになるのか?
「たい」が増えることになるのか?
という軸で考えるとよいでしょう。

それこそが働く人の「働く幸せ」と「働く成果」の
両方に繋がると確信するからです。

最近、あたなの仕事は、
「べき」が増えていますか?
「たい」が増えていますか?

<関連ブログ>
「べき」を減らせ。「たい」を増やせ。– (2010/01/07) – 笑門来福

Happy 19th Anniversary に感謝

この9月1日にインフォテリアは、19回目の創立記念日を迎えました(写真)。

今年もまた創業記念日を迎えることができたのは、ユーザーの皆様、取引先の皆様、そしてなによりも社員のメンバーと家族の皆様のおかげです。

深く深く感謝申し上げます。

インフォテリアの創業は1998年9月1日。前年には、山一証券、拓銀が経営破綻し、国内はバブル崩壊後の金融危機の影響で厳しい不況風が吹いていたときです。

当時私は35歳になったばかり。「こんな不景気の時に起業はいかがなものか?」などと時期を考えた方が良いとのアドバイスを何人もの先輩にいただきました。しかし、どん底のときこそ上がっていくしか無いわけですから、そこは問題視しませんでした。

それよりも、これからインターネットを介して人も企業も繋がっていく時代の入り口にいる興奮の方が何倍も私を行動に駆り立てたのです。

しかし、日本の経済環境が厳しいことは現実で、創業してしばらくは「1年後には会社が無いかもしれないが、一緒にやらないか」と社員を勧誘していました。

大きな夢はあったけれども、何も保証することはできなかったのです。

でも、だからこそ私は「融資」ではなく全額「投資」による資金調達を行いました。米国で多くの同僚が独立して投資のみの資金調達によって億円単位の調達を実現して新たなソフトウェア企業を始めていました。それは、銀行と組むのではなく、投資家と組むというモデルです。その調達額は銀行の融資に比べると桁違いに大きく、日本でも米国型の投資モデルを持ち込まないと日本のソフトウェア産業は消えて無くなるという危惧を抱いたのです。「非常識」だの「問題外」だの言われながら、結果的に全額を投資によって27億円の資金調達を行うことができ、いまのインフォテリアの基礎を作ることができました。(詳しくは、月刊「事業構想」10月号に)

日本にはまだ浸透していなかった「先行バリュエーション」で「100%投資のみ」というモデルに投資をしていただいた当初の投資家の皆様の「知見」と「先見性」に支えられました。

1年後は存在しないかもしれない設立間もないベンチャーのソフトウェアをその機能と性能に惚れて買っていただいた当初のお客様の「決断」と「覚悟」に支えられました。

そして、安定した会社でのポジションと収入を捨ててジョインしてくれた当初の社員メンバーの「勇気」と「情熱」に支えられました。

それ以降、数多くのユーザー、取引先、そして社員のメンバーなど全ての人々のおかげで、19周年を迎えることができました。本当にありがとうございます。

来年は、いよいよ20周年。

ここまで継続し、成長して来ることができたことに感慨深いものががあります。しかし、世界に羽ばたいた企業の20周年に比べればまだまだ小粒です。まだまだやりたいことは、沢山あります。

創業の時から目指している、ソフトウェアで世界規模で貢献をできる会社への大きな成長を目指して、来る20周年に向けて挑戦を続けます。

<インフォテリアの19年(抜粋)>

  • 1998:大田区の6畳1間のアパートで創業(9月)
  • 1999:世界初の商用XMLエンジン「iPEX」を出荷(1月)
  • 2000:総額27億円の調達を創業時調達を完了(〜3月)
  • 2001:「Asteria for RosettaNet」を発売(1月)
  • 2002:ノン・プログラミングの「ASTERIA R2」を出荷(6月)
  • 2003:「ASTERIA 3」を発売(10月)
  • 2004:「ASTERIA」の導入社数が100社を突破(6月)
  • 2005:「ASTERIA」の解説本が登場(5月)
  • 2006:「ASTERIA」が市場シェアNo.1を獲得
  • 2007:東証マザーズへ株式上場(6月)
  • 2008:中国浙江大学とソフトウェア開発コンテストを実施(12月)
  • 2009:「Handbook」を発売(3月)
  • 2010:「ASTERIA」の導入社数が1,000社を突破(2月)
  • 2011:米Extentechを買収(6月)
  • 2012:中国杭州と上海とに子会社を設置(3月、11月)
  • 2013:香港に開発子会社を設立(11月)
  • 2014:シンガポール子会社設立(11月)
  • 2015:「ASTERIA」導入5,000社突破「インフォテリアの森」CSR開始(9月)
  • 2016:IoTモバイル開発基盤「Platio」を発表(10月)
  • 2017:英ThisPlaceを買収(4月)