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ICOの光と影

ICO (Initial Coin Offering)が話題沸騰です。

私が基調講演を務めさせていただいた、日経BP社主催の「1日で理解するICO」のセミナー(2017年11月16日)でも決して安くない金額にもかかわらず、満員御礼。BCCCで開催したICOセミナー(2017年12月8日)は椅子が足りずに通路にまで椅子を出して対応したほどです。

その理由は、調達金額の大幅な伸びによります。2017年のICOでの資金調達額は全世界で4,000億円(相当)を超え前年の40倍に迫る勢いで、1件での最大調達金額は300億円(相当)にもなります※1。ブロックチェーンを軸とするスタートアップの資金調達においては、これまでの主力資金調達先であったベンチャーキャピタルからの投資額を超えています。国内でも、既に100億円(相当)を超えるICOが実施され、スタートアップ企業や個人投資家の間で熱気が高まっています。

この調達金額は、ビットコインなどの仮想通貨高に支えられたものですが、一時的な現象と見ないほうがよいでしょう。これから、仮想通貨が価値交換の基盤として一定のポジションを確立することは間違いなく、それに伴って、ブロックチェーンが支えるデジタルトークンを使った非中央集権的な価値交換が普及して「トークンエコノミー」の時代が訪れます。そして、ICO はその端緒として、資金調達側にとっても、資金提供側にとっても革新的な幅の広さと自由度を与えるのです。

一方で、この熱気には気を付けなければなりません。それは、これから詐欺的ICO(他のICOの偽装、トークンを発行しない等)や失敗ICO(交換所に上場出来ない、調達金額が大きく不足する等)が激増することが目に見えているからです。ですから、「ICOに参加をしないか」という話を聞いた場合には、まずは疑ってかかることです。

さらに、ICOという名前から「IPOの仮想通貨版」という誤った認識が多いことにも気を付けないといけません。下図にあるように、多くのICOの調達金額は、ICOで発行したデジタルトークンを仮想通貨取引所に上場する前の調達のことを指しています。

ICOの理解がないままに「儲かりそうだから」といって、ICOに参加するのは極めて危険です。すでに、金融庁でも注意喚起を発し、BCCCでもステートメントを出している通り、法律も、会計基準も、税制もまったく追いついていません。つまり、参加しても法律やルールによって保護されるものは何もない前提で考えなくてはなりません。さらに、国外では、韓国や中国のようにICOそのものを現時点では禁止している国もあります。何が起こっても100%自己責任ということを改めて認識してください。

ICOの本来の意義は、そのプロジェクトに賛同や参加をして一緒に価値を上げ、価値を享受していくというところにあります。自らが賛同できる応援したいプロジェクトに対して、これからの新しい形のエコノミーに参加をしてみるということなら、大いに価値があります。

デジタルトークンや仮想通貨で形成されていく新たな「トークンエコノミー」は、社会を「階層・規律・統制」の時代から「自律・分散・協調」に変えて行く破壊力を持っています。ICOが気になる人は、短期的な損得に囚われず、その意義と価値を「自ら」考えて取り組むことをおすすめします。

※1:出典:CoinSchedule.com

上半期:大幅な増収増益と決算短信カラー化

 

11月13日に、インフォテリアの上半期(第2四半期連結会計期間)決算を発表しました。結果は、前年対比で売上も利益も大幅な増加です。本業のもうけを示す営業利益に至っては、前年度の2.5倍近くと記録的な結果となりました。

内容も全ての事業領域で売上が大きく伸長、ASTERIAもHandbookも前年同期比で2桁増に加えて4月に買収した英国デザイン子会社が大きく寄与しました。税引前利益では英ポンド高によって為替差損の影響がありましたが、それでも税引前利益も当期利益も前年同期比で大きく伸ばすことができました。ユーザーの皆様、パートナーの皆様に深く感謝いたします。

また、今回の決算説明会では、メールやツイッターから数多くの質問を多くいただき誠にありがとうございました。しかし、そのために時間内に回答ができなかった質問が1つだけ出てしまいました。この質問は「マザースから東証一部に市場変更しないのか?」という質問でしたが、これは現在での以前の説明会の回答と同じですので、参考までにリンクを張っておきます。

今回の開示にあたっては、インフォテリア独自のチャレンジもありました。それは、決算短信のカラー化です。日本初です。これまで上場企業の決算短信は、企業ロゴ以外は白黒というものが常識でしたが、PDFでの開示が当たり前となった昨今、読みにくい白黒ではなくカラーにしても開示コストはほとんど変わりません。そこで、東証にも確認の上、今回からタイトル文字や表などをカラー化したのです。ぜひ一度、比較していただきたいと思います。

上場企業にとって、いかに企業を正しく理解していただくかということは重要なことです。IT企業である利点を活かして、これまでも決算説明会のネットライブ配信やツイッターでの質問受け付けなど新しいことにチャレンジしてきました。今回のカラー短信は地味ではありますが、逆に全上場企業が採用することのできる工夫だと考えています。

当社の経営理念の第一である「発想と挑戦」。小さなことから大きなことまで、あらゆる領域で実践していきます。

Happy 19th Anniversary に感謝

この9月1日にインフォテリアは、19回目の創立記念日を迎えました(写真)。

今年もまた創業記念日を迎えることができたのは、ユーザーの皆様、取引先の皆様、そしてなによりも社員のメンバーと家族の皆様のおかげです。

深く深く感謝申し上げます。

インフォテリアの創業は1998年9月1日。前年には、山一証券、拓銀が経営破綻し、国内はバブル崩壊後の金融危機の影響で厳しい不況風が吹いていたときです。

当時私は35歳になったばかり。「こんな不景気の時に起業はいかがなものか?」などと時期を考えた方が良いとのアドバイスを何人もの先輩にいただきました。しかし、どん底のときこそ上がっていくしか無いわけですから、そこは問題視しませんでした。

それよりも、これからインターネットを介して人も企業も繋がっていく時代の入り口にいる興奮の方が何倍も私を行動に駆り立てたのです。

しかし、日本の経済環境が厳しいことは現実で、創業してしばらくは「1年後には会社が無いかもしれないが、一緒にやらないか」と社員を勧誘していました。

大きな夢はあったけれども、何も保証することはできなかったのです。

でも、だからこそ私は「融資」ではなく全額「投資」による資金調達を行いました。米国で多くの同僚が独立して投資のみの資金調達によって億円単位の調達を実現して新たなソフトウェア企業を始めていました。それは、銀行と組むのではなく、投資家と組むというモデルです。その調達額は銀行の融資に比べると桁違いに大きく、日本でも米国型の投資モデルを持ち込まないと日本のソフトウェア産業は消えて無くなるという危惧を抱いたのです。「非常識」だの「問題外」だの言われながら、結果的に全額を投資によって27億円の資金調達を行うことができ、いまのインフォテリアの基礎を作ることができました。(詳しくは、月刊「事業構想」10月号に)

日本にはまだ浸透していなかった「先行バリュエーション」で「100%投資のみ」というモデルに投資をしていただいた当初の投資家の皆様の「知見」と「先見性」に支えられました。

1年後は存在しないかもしれない設立間もないベンチャーのソフトウェアをその機能と性能に惚れて買っていただいた当初のお客様の「決断」と「覚悟」に支えられました。

そして、安定した会社でのポジションと収入を捨ててジョインしてくれた当初の社員メンバーの「勇気」と「情熱」に支えられました。

それ以降、数多くのユーザー、取引先、そして社員のメンバーなど全ての人々のおかげで、19周年を迎えることができました。本当にありがとうございます。

来年は、いよいよ20周年。

ここまで継続し、成長して来ることができたことに感慨深いものががあります。しかし、世界に羽ばたいた企業の20周年に比べればまだまだ小粒です。まだまだやりたいことは、沢山あります。

創業の時から目指している、ソフトウェアで世界規模で貢献をできる会社への大きな成長を目指して、来る20周年に向けて挑戦を続けます。

<インフォテリアの19年(抜粋)>

  • 1998:大田区の6畳1間のアパートで創業(9月)
  • 1999:世界初の商用XMLエンジン「iPEX」を出荷(1月)
  • 2000:総額27億円の調達を創業時調達を完了(〜3月)
  • 2001:「Asteria for RosettaNet」を発売(1月)
  • 2002:ノン・プログラミングの「ASTERIA R2」を出荷(6月)
  • 2003:「ASTERIA 3」を発売(10月)
  • 2004:「ASTERIA」の導入社数が100社を突破(6月)
  • 2005:「ASTERIA」の解説本が登場(5月)
  • 2006:「ASTERIA」が市場シェアNo.1を獲得
  • 2007:東証マザーズへ株式上場(6月)
  • 2008:中国浙江大学とソフトウェア開発コンテストを実施(12月)
  • 2009:「Handbook」を発売(3月)
  • 2010:「ASTERIA」の導入社数が1,000社を突破(2月)
  • 2011:米Extentechを買収(6月)
  • 2012:中国杭州と上海とに子会社を設置(3月、11月)
  • 2013:香港に開発子会社を設立(11月)
  • 2014:シンガポール子会社設立(11月)
  • 2015:「ASTERIA」導入5,000社突破「インフォテリアの森」CSR開始(9月)
  • 2016:IoTモバイル開発基盤「Platio」を発表(10月)
  • 2017:英ThisPlaceを買収(4月)

 

「Gravio」、登場!

ブログでのご報告が遅くなりましたが、去る6月21日、ようやくGravioの出荷を開始しました!2013年の製品戦略説明で「Gravity」という開発コード名に触れてから4年、いよいよです。

時間をかけた分、ビジネスや社会のインフラとして必要度の高い領域にユニークなポジショニングでの提供を開始できたと考えています。Gravioは、まだ多くの人がその姿をイメージできないであろう、エッジコンピューティングという新しく大きな市場に向けたミドルウェアです。全てのIoTデバイスをクラウドだけで接続できるわけはなく、IoTデバイスとクラウドの間のエッジミドルウェアは必須となります。また、そのエッジミドルウェアは、単にセンサーデータの橋渡しだけでなく、今後はIoTデバイスの制御とシステムとの連携で大きな役割を果たすのです。

さて、提供を開始したからこそできる裏話をしましょうか。

なぜ、提供開始にここまで時間がかかったのか?

最初に「Gravity」を説明したときには、Handbookが情報のOutputが主なことに対して、当初Gravityは情報のInputを行うソフトウェアとして設計開発しました。つまり、Handbookと対になるようなソフトウェアとして説明しました。しかし、製品の開発を進めるうちに、InputとしてIoTを含め他幅広いデバイスへ対応することで、これまでに無い新たな価値を創りだせることに気がついたのです。そこで、その実現のためにそれまでに書いていた「Gravity」のプログラムコードのほとんどを捨てて書き直しました。さすがに、プログラムコードを捨てたことは、その時点では外部には言えませんが、プログラムコードを捨てることは、インフォテリアではよくあることなのです。本当に良い製品を作るために。

このようなことから、「Gravity」として紹介した後に、プログラムコードを捨ててゼロから書き直すことにしました。これも全て、デバイスの時代のつなぐ主役になること、それを世界中でより多くの人により長く使っていただきたいとの思いからです。結果的に当初想定していたより約2年遅れての登場です。そして、そのファーストバージョンがようやく誕生したのです。

これまでも、「ASTERIA」は15年間(そのうち最近の10年は市場シェアNo.1)、「Handbook」9年間(そのうち最近の5年は市場シェアNo.1)と長い間ユーザーが増え続けています。このように長い間使っていただくソフトウェアにするには、単に目の前のマーケットニーズに応えるのではなく、長期的な技術トレンドの見極めと、そこに対する積極的な投資が必要です。また、一方で違う方向性を確信したときには、過去の投資に未練を持つのではなく、勇気をもって新たな確信に進むことも大事です。

実は、ASTERIAもHandbookも何回もプログラムコーディングを捨てて書き直しています。長続きするソフトウェアには理由があります。それはユーザーニーズの側面からはわからない、プロフェッショナルとしてのアートなのです。

【P.S.】
Gravioはすぐにダウンロードして使うことができますが、Gravioについて、デモも含めて詳しい説明を聴くことができるセミナーを開催します。しかもGravioだけでなく、その周辺についてもその道のエキスパートの方々からの解説まで!お申し込みはこちら↓
https://event.infoteria.com/jp/event/e170809/

鐘を鳴らしてから10年経ちました

2007年6月25日、インフォテリアの東証マザーズ上場を記念したセレモニーで東証の鐘を鳴らした日からちょうど10年が経ちました。

上場から10年、色々なことがありながらも、事業を継続し、ここまで成長してくることができたのも、社員メンバー、ご家族、パートナーの皆様、そしてお客様のおかげです。関与していただいた全ての方に深く感謝いたします。ありがとうございます。

そして、先週土曜日にはインフォテリアの上場企業として10回目の株主総会を無事終えることができました。今回は、史上最高の169名の株主の方にご参加いただき、ライブ中継したインターネットでの視聴は330名を数えました。並行して実施したブロックチェーンによる株主投票の実証実験には289名の方に参加をいただき実験は成功しました。これは、日本経済新聞(電子版)でも取り上げていただきました

そして例年通り、株主総会に引き続き事業戦略説明会を実施しました。約35分間のプレゼンテーションでは、インフォテリアの考え方とこれからの方向性を語らせてもらいました。株主総会は、基本的に過去の報告ですが、事業戦略説明会は未来の話ですので、できるだけ多くの株主の方にこちらの話も是非聴いていただきたいと考えて実施しています。参加出来なかった方は、ぜひ録画をご覧ください。

   

今年は、新たにIoT関連の2製品「Platio」「Gravio」の出荷も開始し、また「デザインファースト」のソフトウェア開発に向けて英国のデジタルデザイン企業のM&Aを行いました。今年度の業績としても、売上高が60%増、営業利益が36%増と大きな成長を目指しています。

次の10年に向けて、今年がギア・チェンジの年となるよう、チャレンジを継続し、大きな成長を目指します。

インフォテリアの株主総会にご参加を

私の大好きな花の一つ、紫陽花が街を彩る季節。
それは株主総会の季節でもあります。

日本の株式会社で一番多い決算月が3月。そのため、日本で一番株主総会が多い月が6月となっています。インフォテリアも3月決算のため、株主総会は6月。今年は6月24日、例年通り土曜日の開催です。

インフォテリアの2017年3月末現在の株主数は、11,252名。このうち何名が株主総会会場にお越しいただけるかは当日までわかりませんが、私としては、できるだけ多くの株主の方々にご参加いただきたいと考えています

そこで、以前から個人の方々が参加しやすい土曜日に開催しています(11,252名の株主のうち9割以上が個人株主)。また、昨年までは、午前中に開催していますが、今年は午後1時30分からの開催としました。これは、株主の方々からの意見の中に、午前開催だと遠方から参加される方が参加しにくいとのご意見をいただいたことを考慮に入れたものです。

株主総会は、インターネットでも生中継します。会場に来ることが出来ない方でも、株主総会の様子をライブで観ることができますので、ぜひご参加ください。また、株主で無い方も視聴することが可能です。これまでは、Ustreamを使った中継を行っていましたが、今年は新しい試みとしてYouTube Liveでの配信を行う予定です。

さらに今年は、模擬的にブロックチェーンを使った株主投票(議決権行使)の実証実験を行っています。これは、ブロックチェーンの特長を活かして、発行企業ですら不正ができず透明性の高い株主総会決議を目指したものです。また、今後、信託銀行がAPIなどで情報を提供するようになれば、そのデータをASTERIAで直結することで、株式事務の大幅なコスト削減と高速化が実現できます。さらに、ブロックチェーンのデータを統計的に分析することも容易になります。この実証実験の結果は、株主総会に続く「事業戦略説明会」の中で公開をする予定です。

このように、インフォテリアでは定型的になりがちな株主総会でも、経営理念の1つである「発想と挑戦」を続けています。今年も、インフォテリアの株主総会にご注目ください。

より参加しやすい株主総会に

一人でも多くの方に参加していただきたい。そう願っています。

今年も定時株主総会を土曜日に開催します。今週末、6月18日です。

インフォテリアの株主は個人の方が多いため、個人の方の時間が比較的自由になる土曜日に開催しています。また平日は株主総会が多いので、他の上場企業との重複を避ける意味もあります。定時株主総会を意図的に集中日に合わせて設定する企業もありますが、株主の方々と直接対話の出来る貴重な機会ですので、インフォテリアでは上場後一貫して、少しでも多くの方に参加いただけるようにと考えて開催日を決定しています。

今回の株主総会は、2016年3月末現在の株主の方を対象とした株主総会となります。前回との大きな違いは、株主数が大きく増えたことです。前回は3,000名強であった株主数が、今回は12,000名強となり約4倍の株主数となりました。総数が増えることで、オペレーションとしては難しくなる面もありますが、参加される株主の方々にはできるだけ負担をかけず、分かりやすく、参加したい株主総会にしていくことに今年も取り組んでいます。

インターネット生中継
2010年から実施している、Ustreamを使ったネット生中継を今年も実施します。これによって、地方や海外在住など実際に足を運んでいただけない方でもリアルタイムに株主総会を観ることができるようにします。(インターネットから質問はできません)

事業戦略説明会
株主総会は前年度の報告が主になってしまい、これからのお話しをなかなか出来ません。そこで、株主総会終了後にこれらの考え方や計画などを説明します。今年は、先日発表した「中期経営計画」を中心に説明をする予定です。また、株主総会内では、総会の目的事項に沿った質問しか受けられませんが、事業戦略説明会ではインフォテリアの事業に関して幅広く質問を受けさせていただきます。

招集通知のカラー化
少しでも分かりやすいご報告にするために、今回初めて株主総会招集通知、事業報告、参考書類をカラー化して読みやすくしました。これまで分かりにくいとのご指摘をいただいた会場の地図もカラー化で分かりやすくなりました。カラーは、コーポレートカラーのグリーンを基調としています。

質問スタンドの設置
より多くの方に効率よく質問をしていただくために、今年は新たに固定マイクを設置して質問スタンドを設けます。これによってマイクのお渡しなどにかかっていた時間を削減します。

お土産はユーザー企業の商品
定時株主総会では毎年、インフォテリア製品ユーザー企業の商品をお土産にさせていただいています。今年のお土産は、ASTERIAユーザーであるJオイルミルズ様の食用油セット。同社は、外資系のデータ連携ソフトウェアから乗り換えてASTERIAをご利用いただいています。

いよいよ、その株主総会もあと今週末に迫りました。総会では、一人でも多くの株主の方とお会いできることを楽しみにしています。

【インフォテリア株式会社 第18期 定時株主総会】
日時:2016年6月18日(土)午前10時〜 (受付開始9:30)
場所:東京都品川区大井一丁目50番5号 アワーズイン阪急
<株主総会> 午前10時〜
<事業戦略説明会> 株主総会終了後(所要時間30分)
生中継URL: http://www.ustream.tv/channel/infoteria
Twitterハッシュタグ:#infoteria

中期経営計画と「Triple Twenty」

さる5月13日に、インフォテリアの第18期の決算を発表し、同時に中期経営計画を発表しました。

決算は、インフォテリア株式会社(日本)に加えて、海外の5つの現地法人の連結決算です。結果は一言で言えば「増収増益」。特に利益は大きな伸びとなりました。これもユーザーの皆様、パートナーの皆様のおかげであり、大変感謝しています。誠にありがとうございます。現時点では、まだ日本の会計基準のみの発表ですが、6月末までには国際会計基準(IFRS)での数値も発表する予定です。

また、同時に中期経営計画も発表しました。これは、2016年度(2017年3月期)〜2018年度(2019年3月期)までの3ヶ年計画です。3年後の姿として、売上1.5倍、営業利益2倍を目指します。またさらにその中のテーマとして、「Triple Twenty(3つの20)」を挙げています。「Triple Twenty」と聞いて、「ニヤリ」とした人は、ダーツをやる人ですね(笑)。

ダーツで「Triple Twenty」とは、ダーツ板のもっとも最高得点の場所です。さてそれはどこでしょう?

ダーツの当たった場所の得点は、外周にかいてある数字で、1から20まであります。そして、ブルと呼ばれる中央は50点。そして、一番外側にある細い枠がダブルと呼ばれて、そこの数字を2倍します。つまり、3のダブルに当たれば、6点です。そして、その内側にある細い枠がトリプルと呼ばれて、ここは3倍。ですから、3のトリプルに当たれば9点です。

さて、勘の良い人はもうわかったと思います。そう、最高得点は、20のトリプルで60点。ここが最高得点で、Triple Twentyなのです。

新しい中期経営計画は、この最高得点を意識し、さらにその上を目指して、売上・利益計画の達成を支える指標にしました。

具体的には、以下の通り。
・営業利益率を、20%台に上げる。
・海外比率を、20%台に上げる。
・フロー比率を、20%台まで減らす。

このTriple Twntyの達成を目指します。さらに、中期経営計画を支えるものとして、「3つのD」、「3つの製品」があります。ソフトウェア製品ベンダーとして意欲的な取り組みをしていきます。興味のある方は、資料を公開していますのでぜひご覧ください。
https://www.infoteria.com/jp/ir/about/strategies/

インフォテリアの、これからの飛躍にご期待ください。

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます!

いよいよ、2016年の幕開けです。

昨年、私は「外に出る」をテーマに様々な活動を展開してきました。

自らの慣れた場所、慣れた領域は、安心でリスクも少ないですが、
「変化」こそ大きな成長への糧と確信して。

今年は、創業来ご指導ご支援いただいた故堀場雅夫さんに肖り、
「おもしろおかしく」をテーマに活動します。

堀場さん曰く、
「おもしろい仕事をするか、おもしろく仕事をするか。その二つしか成功の道はない。」

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

インフォテリア株式会社
代表取締役 執行役員 社長
Infoteria Pte.Ltd. CEO
平野洋一郎

 

ノーベル賞と研究開発の大切さ

日本中がノーベル賞受賞に湧いていて、その興奮はシンガポールにまで伝わってきます。

大村智博士、梶田隆章博士、本当におめでとうございます!

ひとりの日本人として、本当に嬉しいし、誇らしく思います。
新たな元気をいただき、ありがとうございます。

喜びの反面、一方で気になることがあります。
それは、日本がこれからもノーベル賞受賞者を輩出しつづけるのだろうかということです。

ノーベル賞は元来、かなり以前の研究が多くの今の人の役に立っている成果に対して与えられることが多いものです。実際、今回のノーベル賞受賞理由も2000年代に入る前の研究や開発です。大村智博士の場合、抗生物質「エバーメクチン」の発見が1979年、メルク社で薬剤「イベルメクチン」が開発され発売されたのが1981年。梶田隆章博士の場合、スーパーカミオカンデの建設開始が1991年、ニュートリノ振動確認の発表が1998年。昨年ノーベル賞受賞の青色発光ダイオードも同様に、1980年代に研究され、開発を経て実用化されたのは1993年です。

しかし、多くの方々が危惧されているように、国内では1990年代後半から大学でも民間でも研究開発において直接的な成果や収入を重視するようになり、長い時間かけてじっくり研究開発するようなことが減っていきました。大学では成果の出やすいテーマに予算が回され、民間では中央研究所が縮小され多くの研究員が収入に直結する部署に回されました。

研究開発には、多大な時間がかかるし、成就しないものも多く、つまり無駄も多いものです。研究開発に絶対はない。だから研究開発なのですが。しかし、それでも、或ることを探求するために、信じて、考えて、工夫し続ける。ハタから見たら、なかなか成果が見えない、進んでいるのかどうかさえわからない、いったい何やってるんだと言いたくなる。それが研究開発です。

言われたことを確立された方法でやるのであれば、成果も出やすいし、目の前の収入にも直結しやすいのは明らかです。しかしそれは、研究開発では無いし、ノーベル賞を受賞するような世界中に貢献するような成果に繋がることも難しいでしょう。失われた20年と言われていた間にどれだけの研究開発ができていたのか、その答えの一つがこれから先のノーベル賞ではないでしょうか?

企業における研究開発でも同じだと考えます。

日本のソフトウェア産業では、売り上げに紐付いていない研究開発費が売り上げの1%を切っている会社がほとんどです。ゼロの会社も珍しくありません。ですから、インフォテリアが、研究開発費を売り上げの1割近くも費やしている(2014年度実績)のを見ると奇異に見えるかもしれません。しかし、それが私たちの挑戦の形です。目の前のニーズに応えるだけでなく、世界に大きな貢献をしたい。だから、注文書をいただいたから作るのでなく、失敗があろうが、無駄があろうが、自らのテーマを研究し開発を続けるのです。