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猛暑テレワーク、今年も、私も。

今年も実施しています。「猛暑テレワーク」です。

例年より早く梅雨が明け、全国的に猛暑が続いています。
インフォテリアではすでに4年目となる「猛暑テレワーク」を開始しています。これは、その日の早朝5時に気象庁から発表される予報において「猛暑日」が予想される場合、会社としてテレワークを推奨するというものです。猛暑の中、都市部での通勤は、多大なエネルギーを消費し、オフィスに着いたときには疲れ果てているということも珍しくありません。

そこで、通勤でのエネルギー損失を最小化し、快適な仕事環境で、よりよいアウトプットを出して行こうというのが、「猛暑テレワーク」の狙いです。

そして、今年もインフォテリアの「猛暑テレワーク」はパワーアップしています。昨年提供を開始したモバイルアプリ開発基盤「Platio」を使って、猛暑日予報の通知と、猛暑テレワークの申請をワンタッチでできるようにしました。

「働き方改革」のひとつとして「テレワーク」がクローズアップされています。しかし、国土交通省のテレワーク調査(図)によると「制度等のある雇用型テレワーカー」はまだ1割に満たない程度です。

インフォテリアでは、社内でテレワーク環境を整えるだけでなく、他の企業でのテレワーク導入のハードルの一つとなっている、テレワークの通知や申請システムを他社にも提供して、社会全体でのテレワークの広がりを目指しています。

さらに、テレワークが導入されている企業でも実際にはテレワークがやりにくいということも指摘されています。「テレワークをやりにくい理由」としては、例えば「上司がテレワークしないから」ということがよく挙げられます。確かにマネジメントの仕事は、テレワークでやりにくいこともあるでしょうが、テレワークできる仕事と出来ない仕事を峻別し、それぞれ集中して時間を工夫しテレビ会議やHandbookのような情報共有ツールを使うことで、場所を選ばない働き方は少しずつでも増やせるはずです。

そういうことも意識しながら、猛暑日が予想された今週月曜日は私も半日テレワークを実施しました。社長としての仕事も人と会うことが多かったり、出張が多かったりで「テレワーク」には適しにくいものではありますが、「猛暑テレワーク」を広げていくためにも、テレワークが可能な仕事を集めて実施してみました。

猛暑テレワークを終えて、夜になって会食に出かける私に「会食も仕事でしょ?それはテレワークにできないの?」と妻に聞かれました。気の利いた返しはできませんでしたが、貴方なら何と返しますか?(笑)

「中期経営計画2020」を発表

6月18日、インフォテリアの新たな中期経営計画を発表しました。

2018年度から2020年度までの3ヶ年計画。題して「中期経営計画2020」です。インフォテリアは今年創業20周年。「2020」には、「2020年度」という意味だけで無く、「これまでの20年」を踏まえた「これからの20年」の第一歩という意味も込めています。

その概要は、2020年度に売上収益50億円、営業利益10億円という計画です。売上収益については、海外売上50%、営業利益については、営業利益率20%という目標も同時に発表しました。

発表と同時に、インフォテリアの「イフラボ」でも説明会を実施し、YouTube ライブでも生放送しました。多くの方にご参加いただき誠にありがとうございました。

今回発表した大きな成長を実現するために、新技術のための研究開発チームの編成、新製品・サービスのマーケティング、そのための優秀な人材の採用などを積極的に行っていきます。それらの先行投資の結果、中期経営計画の初年度は前年比で増収にもかかわらず減益という状況となりますが、初年度での仕込みをもって、第2年度以降に大きく成長をしていく計画です。

これまで、インフォテリアの研究開発チームは開発中のものも含め製品毎のチーム構成になっていましたが、新しくAI/ML(人工知能)、IoT連携、ブロックチェーンの技術研究開発チームを立ち上げ、これらが全ての製品に必要な技術を提供することで、各製品の進化を早め、競争力を上げていきます。そして、エンタープライズ事業、ネットサービス事業、デザインサービス事業についてもこの中期経営計画においては毎年2桁の成長を目指しています。

ITの世界は大きく変わっていきます。しかも素早く。インフォテリアが世界市場の並み居る企業の中で勝ち進んでいくためには、社内外の投資が欠かせません。私は確信しています、「投資なくして成長なし」と。MicrosoftもGoogleもAmazonも自前主義に陥らず、積極的なM&Aで社外の技術や人を組み入れたことで今がありるのです。

そして、その投資を何処にするのかが極めて重要です。インフォテリアの投資領域は明確に絞りこんでいます。それが「4つのD」ーData, Device, Decentralized, Design。これは、これからの社会を大きくドライブしていく4つの要素ということもできます。他の日本企業で、ここまで明確に未来を見据えた投資領域の絞り込みをしている企業があるでしょうか?

新しい中期経営計画は、これからの20年の大きな成長のための第一歩であり、大事な道しるべです。その先のさらに大きな成長のために、私たちは中期経営計画の達成にコミットしています。

Commonwealth Business Forumに参加

今週、英国ロンドンでCommonwealth Business Forumが開催され、参加しました。日本ではCommonwealthとは何かを知っている人はどのくらいいるのでしょうか?または、知っていても昔の「大英帝国」と理解している人もいるのではないでしょうか?

現在のCommonwealthは、1949年にロンドン宣言によって発足したもので正確にはCommonwealth of Nationsの略です。メンバーは、元英国植民地が多いのですが、植民地時代のCommonwealth(大英帝国)とは違って、メンバー各国が「Free and Equal」であることを旨としています。

今回のCommonwealth Business Forumは、約20年ぶりに開かれるものですが、背景にあるのはBrexitです。EU離脱後の英国のポジションとして、Commonwealth経済圏を活用して、世界の中で重要なポジションを獲得しようとの動きであり、日本ではあまり報道されていませんが、世界経済の今後を考える上では重要なポイントの一つとなります。

日本は、Commonwealthのメンバーではないので、基本的にこのフォーラムには招待されていないのですが、私は幸運にも今回シンガポールの枠をいただくことができ、参加することができました。

フォーラムは、ヘンリー王子の挨拶とメイ首相のスピーチから始まりました。メイ首相はいつもの自信に満ちた口調でCommonwealth経済圏の可能性とその方向性について語られ、特にCommonwealth経済圏内の貿易とダイバーシティについて時間が割かれたのが印象的でした。

英国では、未だにEU離脱賛成派と反対派のせめぎ合いが続いていますが、雇用統計や観光統計などは過去最高となり、ハイテク企業もさらに投資を積極化しています。例えばAmazonもロンドンに新たに3棟の巨大なビルを建設し、さらに5,000人の社員を増やす計画を発表しており、これはヨーロッパ最大の拠点となります。このように、東京にいては、そして報道だけでは、わからない活気がここにはあります。

国内では、Brexit後の英国について悲観的な論調が多いですが、私は肌感覚として、今後の英国は輝きを増すと感じています。EUの護送船団方式は、20世紀は良かったかもしれませんが、いまや変化の速い21世紀にはネガティブな要因が増えていると考えるからです。EUではその精神から、各国の違いを活かした政策を採りにくく、また各種政策の決定にも多くの時間を費やし、その実行にはさらに時間がかかっているからです。

ロンドンThis Placeオフィスにて。

おかげさまで、東証一部上場へ

3月19日、インフォテリア株式会社は、東京証券取引所市場第一部(東証一部)への上場市場の変更について承認をいただきました。おかげさまで、インフォテリアは3月26日より東証一部の上場企業となります。

これもひとえに、創業以来20年間の成長を支えてくださった、パートナーの皆様、ユーザーの皆様、株主の皆様のおかげであり、また、「思い」を「現実」に変えてきた社員、そして支えてくださった家族の方々のおかげです。心より感謝を申し上げます。

誠にありがとうございます。

しかしながら、「世界で通用する製品/サービスを開発し提供する」というインフォテリア創業以来のミッションは、未だ道半ばです。東証一部への上場は、ミッション実現のために重要なステップではありますが、ゴールではありません。

国内外の有名企業が多い東証一部にあっては、インフォテリアはとても小粒の会社です。しかし、ソフトウェアを輸出産業にしたいという思いはどこにも負けません。ソフトウェアを、家電や自動車と同じように世界中に役立つ産業にすることができると確信しています。その実現のために、創業理念を忘れず、経営理念を貫き、さらに製品、サービスと自らを磨き、世界市場での価値創造に挑戦してまいります。

今後とも、ご指導、ご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

Gibsonが危ない!?

私の第1号のギターは「レスポール」でした。

と書いて「ああ、そうか」と、うなずく方は、どの程度いらっしゃるでしょうか?私のレスポールは、高校の入学祝いに両親から買ってもらったものです。

当時、ギターを始める少年のチョイスは、基本的にストラトキャスターか、レスポールだったのですが、私はレスポールのハムバッカーから出る分厚い音が好きでレスポールにしたのです。レスポールと言えば、本家本元は米国のGibson社製ですが、そちらは大変高額(当時30万円以上)なので、「Greco」という日本のメーカー製のレプリカを買ってもらいました。そして、Gibson製のレスポールは、多くのギター少年の憧れの存在だったのです。

そのレスポールの本家本元であるGibson社が倒産しかかっているというニュースが今週流れ、元ギター少年達を驚かせました。Gibson社の地元メディアNashville Postによると近々償還期限がくる債務400億円強の返済メドがついていないというのです。また最近CFOが辞めていることも報じ、その危惧に拍車をかけています。

Gibson社は、レスポール以外にも、SG(Eric Claptonなどが愛用)、LS-335(Larry Carltonなどが愛用)、フライングV(Keith Richardsなどが愛用)などの有名なギターも創り出し、世界中のギタリストに愛用されています。

元ギター少年の私としては、世界を代表するエレキギターの老舗Gibson社が倒産するなんて考えてもみなかったことです。しかし、経営視点からすると、老舗の倒産というのは珍しくはありません。そこで、生まれて初めてGibson社の財務状況を見てみたのですが、売上も大きく減少傾向、5年連続で最終赤字という状況でした(下図)。2016年度の売上が約160億円まで落ち込んでいるところに目の前で償還すべき借入が400億円強もあるというのですから確かにかなり厳しい状況です。エレクトリックギター市場そのものの縮小についても近年はよく報道されていましたが、まさかツートップの1社で倒産が危ぶまれる状況になっているとは。

Nashville Post報道の後に、ロイターCNBCIndependent等他メディアの報道も続いたことからか、Gibson社のCEOから「借り換えのメドがついているので、心配ない」とのコメントが出ました。私は、経営者としてよりはギタリストのはしくれとして、ロックの歴史を作ってきたGibsonブランドが無くなってしまわないことを願うばかりです。

 

I’LL BE BACK

去る1月11日に、インフォテリアの賀詞交換会で、1月にシンガポールR&D(研究開発)センターを開設することと、2月に私が東京に帰任することについて発表しました

東南アジア市場開拓のためにシンガポール法人を設立し、シンガポールに赴任したのが2014年11月。3年強の赴任となりました。シンガポールから世界や日本を見ることで、欧米に拠点を持つ企業のM&Aや、シンガポールをはじめとする東南アジア企業やVCとの連携、ブロックチェーン事業を早期に立ち上げるなどいくつもの成果がありましたが、ミッションの一つであった、東南アジアにユーザーとネットワークを持った企業のM&Aは条件が整わず叶いませんでした。

一方で、インフォテリアの開発体制をよりグローバル化する上で、ハブ国家であるシンガポールにR&Dセンターを置き、近隣諸国を含めた優秀なエンジニアを抱えることがより現実的となり、この度のシンガポールR&Dセンターの発足に繋がりました。シンガポール大学南洋工科大学が、大学の世界ランキングで大きく躍進し、AIをはじめとする先端技術開発が活気を帯び、シンガポールにはアジア各国から優秀なエンジニアと、スタートアップ企業が集まってきています。

一方で私は、東京に戻ります。しかし、東京に専念するというよりは、むしろその逆です。昨年インフォテリアのメンバーとなったThis Placeのあるロンドンやシアトルに行くことが増えることや、英国や米国での活動を活発化するため、さらにグローバルなM&Aを進める地政学的な観点からもシンガポールよりも、当面は東京がベターなための拠点移動です。なお、東南アジアでの活動も続きますので、これからも頻繁にシンガポールにも顔を出すことになるでしょう。

昨年からインフォテリア活動領域もさらに広がり、新たな製品やサービスもリリースし、今年はさらに大きなステージを目指しています。そのためには、私たちと一緒に未来を創る優秀なメンバーももっともっと必要です。開発、マーケティング、営業、管理等全ての業務において必要です。特に注力している「4つのD」を進めるために必要です。我こそは!と感じる人は、ぜひFacebookで私に直接メッセージください。

https://www.facebook.com/pinahirano

 

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます!

Happy New Year!!

2017年は、インフォテリアにとって歴史的にもエキサイティングな年になりました。

Year 2017 was historically exciting year for Infoteria group.

まず、次世代を担う新製品2製品「Platio」と「Gravio」を出荷することができました。この2製品は、「デバイス」(モバイル機器やIoT機器など)に対応した新たな繋ぎを提供する製品です。企業におけるデバイス活用はまだ黎明期ですが、これから、あらゆる企業において欠かすことのできないインフラになっていくと確信しています。過去に「パソコン」がそうであったように。「インターネット」がそうであったように。

First, we have shipped 2 new products, Platio and Gravio. These 2 products connect and enable IoT and mobile devices as important parts of enterprise IT systems. Although IoT in the offices is still in very early stage, we believe it will be a MUST of any enterprises. Like as “personal computers”, and “the internet”.

そして、既存の2つの基幹製品も大きく成長しました。ASTERIAは、2回のバージョンアップを行いRPAやAIなど新たな領域を強化しました。ASTERIAユーザーグループ「AUG」も過去最大の盛り上げりを見せました。Handbookは、いよいよ第5世代が登場し、その用途を企業外にまで広げました。

Second, the 2 core products have grown greatly. ASTERIA did 2 times of upgrade to meet rapidly growing area such as AI (Artificial Intelligence) and RPA (Robotics Process Automation). The ASTERIA user group has completed largest ever conference in Tokyo and Osaka. Handbook has grown as its 5th generation with expanding its field to outside of organization.

さらに、新たな領域であるブロックチェーン技術においても、専門組織の立ち上げ、株主総会での実証実験の成功、ロンドンでのハッカソン優勝、業務適用コンサルティングサービスの開始など、多くの結果を残した年となりました。

Third, the blockchain technology. As we believe blockchain will be indispensable infrastructure of any organizations and the society, we have many progress about blockchain, such as started blockchain dedicated business unit, completed PoC of voting at shareholders meeting, victory in blockchain hackathon in London and started consulting services for blockchain adoption.

最後に、近未来に訪れるビジネスソフトウェアの「デザインファースト」時代に向けて、英国の新進気鋭のデザイン戦略コンサル企業のThis PlaceをM&Aにより仲間に迎えたこと。これからのソフトウェアを世界的にリードしていくための重要な布石です。

Lastly, Infoteria group welcomed a new member, This Place in Infoteria group. This Place is a London based rapidly growing strategic design consulting company. This partnership will realize the “Design Led” enterprise software that will be popular in a couple of years.

インフォテリアは、2018年も新たな挑戦を続けます。
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

Please stay tuned for what Infoteria group will challenge in 2018.

代表取締役社長 平野洋一郎
CEO Pina Hirano

世界を駆ける筆に込めた「念い」

 貴重な経験でした。

先週末に、シンガポールでの日曜恒例の早朝ランの後、書家の前田鎌利さんの揮毫(きごう)のサポートをさせてもらったのです。

前田鎌利さんは「日本の文化を未来へ継ぐ」の理念のもとに、国内での活動だけではなく、海外でも書を中心とした日本文化発信の活動を行われています。

これまでにも、米国、台湾、スイス、フランス、ベルギー、イタリアなど数々の国を訪ねて揮毫をされてきましたが、今回、いよいよ初のシンガポールでの揮毫です。

シンガポールでの揮毫の場所に選ばれたのは、以下のような象徴的な場所でした。

・Merlion Park(マーライオン公園)
・Gardens by the Bay(ガーデンズバイザベイ)
・Sri Mariamman Temple(ヒンズーの寺院)
・Masjid Sultan(イスラムの寺院)
・Hillman Restaurant(ペーパーチキンの店)
・Fullerton Hotel(元海軍省、元郵便局のホテル)
・National Museum(国立博物館)
・Lao Pa Sat(ホーカー:屋台村)

その場所に立ち、周辺を見て歩き、音を聴き、気を感じて、揮毫が行われます。観光地では周りに人だかりができます。個性ある、時には力強く、時には優しく、そして時には目を見張る書が捻り出される瞬間に触れて、鳥肌が立つ思いがしました。

 

例えば、Sri Mariamman Templeでの、この揮毫。「神神神・・・・」寺院の門のイメージの書となっています。

 

例えば、Lao Pa Satでの、この揮毫。「交差点」。シンガポールの今と昔の交じり合う場所のイメージの書となっています。

そして最後に、インフォテリアのシンガポールオフィスでも揮毫。私の経営の師匠だった堀場雅夫さんの志を受け継いで、現在の中期経営計画のスローガンとしている「おもしろ おかしく」を選びました。出来上がった書は、写真のとおり。人によって感じ方は違うでしょうが、私は肩を張らず時代に合ったしなやかさ、スマートな趣きを感じました。

私は常々「外に出よ」という意識を持っていますし、そうアドバイスをします。それは、枠の中には無い、組織の中には無い、日本の中には無い、視点や刺激を得ることができるからです。しかし、今回の前田さんの揮毫をサポートしながら、外に出るからには、視点や刺激を「得る」だけでなく、自らも新たな視点や刺激を「与える」存在でありたいものだと、改めて唸りました。

世界へ羽ばたけ!日本のスタートアップ

昨日、東京国際フォー-ラムで「Startup World Cup 2018」の日本代表を決める日本予選の決勝戦が開催されました。これは、世界中のスタートアップ企業がワールドチャンピオン(世界No.1)を目指して行う唯一の世界規模のコンペティションです。今回は前回の倍の規模となる世界32ヶ所(30ヶ国)もの地域で予選が行われますが、その1つが日本。日本では70社以上の応募の中から、10社が決勝にノミネートされました。そして、私はその審査員長を務めました。

決勝ピッチコンテストに残った日本代表候補は以下の10社ですが、あなたが知っている企業はあるでしょうか?

・セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ(洗濯物折り畳みロボット)
・カラフル・ボード(感性を個別に解析するパーソナルAI)
・THEO:お金のデザイン(ロボアドバイザー資産運用)
・Empath:スマートメディカル(音声による気分解析技術)
・ユニロボット(次世代型ソーシャルロボット)
・FOLIO(テーマを選んで投資ができるオンライン証券)
・ディライテッド(オフィス受付システム)
・エイシング(機械制御向けAI)
・メビオール(安全で高栄養価の農産物を生産するフィルム)
・リアルワールドゲームス(位置情報ゲームプラットフォーム)

各社毎に行う、30秒の紹介ビデオ、3分30秒の英語でのプレゼン、1分30秒の質疑応答で全てが決まります。7倍超の倍率の中から選ばれただけあって、どのスタートアップも大変レベルの高い決勝戦となりました。その審査を行ったのは、私以外に以下の7名です。

・一橋大学イノベーション研究センター 特任教授 米倉誠一郎 氏
・株式会社セガゲームス 代表取締役社長 COO 松原健二 氏
・経済産業省 新規事業調整官 石井芳明 氏
・株式会社gumi 代表取締役社長 國光宏尚 氏
・株式会社サムライインキュベート 代表取締役 榊原健太郎 氏
・デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社 事業統括本部長 斎藤祐馬 氏
・Plug and Play Japan Managing Partner – Phillip Seiji Vincent 氏

審査は、審査員による下記の7つの評価軸とTwitterによる人気投票を加味して行われます。

<7つの評価軸>
・事業を始めた経緯・問題意識
・市場規模・ニーズ
・トラクション(ユーザー数や売上の伸び)
・競合優位性
・ビジネスプラン(拡大可能性や収益性が明確か)
・チーム構成やメンバーの経歴
・プレゼンテーションの説得力

各審査員が7つの評価軸に対して持ち点10点、合計70点で評価。集計の結果としては、上位3社がかなりの接戦となりました。そこで、最終的な審査員の協議も侃々諤々。日本代表を決めるのに審査時間ギリギリまでかかりました。

そうして決まった日本代表の発表の前に、スペシャルスポンサーのCAC特別賞が発表されました。CAC特別賞は投資資金として5,000万円の副賞が付く賞で、世界大会には行かないものの、大変価値の高い賞です。

CAC特別賞は…

メビオール株式会社!

以前に研究していた透析膜を応用して、あらゆる場所で安全で高栄養価の農産物の生産を可能にするフィルムを開発・製造する会社です。プレゼンでは実物も披露されました。

会場は興奮冷めやらぬ中、いよいよ日本代表の発表です。

日本代表は…

セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社!

世界的にもユニークな洗濯物折り畳みロボット「ランドロイド(/ laundroid)」を開発する会社です。来年5月11日のサンフランシスコで世界決勝大会に臨みます。

前回のStartup World Cupでは、日本のユニファ株式会社がワールドチャンピオンとなりました。今回、優勝したセブンドリームには、ビジネスもプレゼンももっと磨いて、2連覇を目指して欲しいと思います。

こうやって、日本のスタートアップが世界レベルの活躍をし、プレゼンスを示すことで、日本のスタートアップがもっともっと増えて、世界に羽ばたくスタートアップが次々と出てくることを願ってやみません。

 

英国メイ首相来日イベントで登壇

大変光栄なことでした。

去る8月31日に、英国のメイ首相の来日に合わせて都内某所で開催された「Japan UK Business Forum」という200名以上の日英経済関係で活躍されている方々が参加するカンファレンスのパネルディスカッションに登壇しました。(英国当局からの要請で、これまで公開することができませんでした。)

このパネルディスカッションは、安倍首相のスピーチ、メイ首相のスピーチ、両国政府機関の調印の後に、「Innovation through Partnership」というテーマで行われました。もちろん全編英語です。

■登壇者(写真左より)
モデレーター:駐日英国大使館 原子力担当一等書記官 化学博士 Dr. Keith Franklin
日:インフォテリア株式会社 代表取締役社長/CEO 平野 洋一郎 (Pina Hirano)
英:Cavendish Nuclear社 チーフ・エグゼクティブ Mr. Simon Bowen
日:丸紅株式会社 電力・プラントグループCEO 柿木 真澄 氏 (Masumi Kakinoki)
英:Cambridge Consultants社 戦略的イノベーション 責任者 Mr. Arend Jan Van Bochoven

まずは、各メンバーの英国との関わりに関する自己紹介から。私は、これからビジネスソフトウェアでもデザインが重要になると考え「デザインファースト」のソフトウェアを開発する戦略を持っており、以前からデザインに長けたパートナーを世界中で探していたこと。最終的に、4月に買収したThis Place社にたどり着いたことを話しました。また、国を跨がった連携は大企業のものだけではなく、インフォテリアのような小規模の会社でも重要な意味を持つと強調しました。

そして、なぜ英国企業をパートナーに選んだのかと質問されました。私は以下のような主旨の話をしました。

「正直に言うと、最初は英国は眼中になく、主に米国の会社を探していました。しかし、約3年前に英国大使館の紹介で、実際にロンドンとマンチェスターに行って10社以上のスタートアップに会う機会を得ました。そこで感じたのは、英国にもこんなにイノベーティブでクリエイティブなスタートアップがあるのか!ということでした。日本で「イノベーション」というと誰もがシリコンバレーと言いますが、ロンドンもヨーロッパ各国からスタートアップが集まり活気に満ちていました。私たちはデジタルデザインのThis Placeと仕事を始め、その結果としてアウトプットも素晴らしく、企業カルチャーも相性が良かったことから、買収にいたりました。」

会場からの質問で、話題はどうやったら日英企業間でパートナーシップを成功させられるかという話に移ります。

英国と日本は、島国であることや、文化や、環境などが似ていてること、両国の関係の歴史も長いことなどから相互理解しやすく、またそれぞれの国で暮らすなどのことで、さらに良い協業が築けるだろうなどの意見がパネラーから出されました。

それに対して私は、「類似点の議論がありましたが、イノベーションという観点からは、『違う』ことがある点が重要です。同じ環境、同じ考えをもったモノリシックな集団からはイノベーションは起こりにくいでしょう。イノベーションとは『新しい組み合わせ』(注:Joseph Shumpeter)から起こることが少なくありません。異なる考え、異なる地域の人々が協業し刺激しあうことで、イノベーションに寄与するでしょう。」という主旨の意見を述べました。

会場からの次の質問は、「イノベーションを生み出すには、どのようなマネジメントプロセスが必要か?」とういうものでした。

パネラーの一人からは、イノベーションを生み出すためのマネジメントプロセスの考え方についての意見がありましたが、私は「イノベーションは、マネジメントプロセスからは生まれない」と応えました。その理由として、「イノベーションの生まれるのは、マネジメントが必要な前段階のアイディアだったり、『思い』だったりする。そのアイディアが具体化する段階でマネジメントプロセスを考えるのが順番」という意見を述べました。

また、「いまはビザ取得などの問題もあるが、日英間の交流をさらに進めるにはどうしたらよいと思うか?」という質問が出ました。

私は、「ソフトウェア業界においては、交流の前に日英お互いのプレゼンスが低すぎます。ソフトウェア業界ではシリコンバレーばかり見ていて、シリコンバレーに行く人も多いけれども英国のことを気にしている人は少ないのが実状です。だから、まずはお互いプレゼンスを上げないと交流しようという意識にも繋がらない」との話をしました。

このように、会場からの質問も受けながら、予定された45分はあっと言う間に過ぎていきました。

嬉しかったことは、パネルディスカッションが終わった後には日英で活躍されている10人以上の方から名刺交換を求められ、私の拙い英語でも伝わることがあったのだろうと感じたことでした。逆に残念だったことは、私以外の日本からのパネラーの方は、あらかじめ与えられていたテーマに関してはしっかりお話しされていたのに、会場からの質問には一切応えられなかったことです。せっかくの「ディスカッション」なので、用意した意見を披瀝するだけでなくインタラクションが重要だと思います。

実は今、英国に来ています。半年ぶりにこの地を訪れ、This Placeメンバーの熱気、街の活気、学生の元気に触れています。改めてパネルを振り返り、強調したいことが2つあります。それは、(1)国を跨がった協業は決して大企業だけのものではないこと、(2)これからの英国は要注目であることです。

これからさらにクラウド化が進み、非中央集権化が進み、「個」の時代になっていくあたって、小さな専門性の高いチームこそが様々な枠を超えて繋がる価値を生み出していくでしょう。そして、大企業を超えたスピードと価値を生み出していくことができると確信しています。

また、EU離脱をし独自路線を進むことができるようになる英国はより力を付けていくでしょう。既に、2017年上半期では、輸出金額は前年同期比で10%も増加、観光客(インバウンド)も前年に比べて6%増加、ロンドン金融街の雇用は13%も増加というレポートが出ています。英国全体の失業率は統計を始めて以来過去最低となっています。メディアの報道だけで、英国の行く先を心配する前に、自分の足で英国を見て感じてください。英国には、ケンブリッジ大学やオックスフォード大学をはじめ世界有数の教育レベルを誇り世界中から若者が集まっています。英国には、新たなイノベーションを生み出す若い力と活力が溢れていると感じるのです。

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