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ブロックチェーンは終わるのか?

連日のように報道されているコインチェック社での仮想通貨NEMの盗難事件を発端に、仮想通貨(暗号通貨)を支える技術であるブロックチェーンに関して否定的な意見を聞くことが急に増えました。

すでに、ブロックチェーン推進協会(BCCC)では、本件についてのステートメントを出して、問題の所在の切り分けを行っていますが、今回はさらに踏み込んで、最近聞こえてくる不安や言説に対して私としての考えを述べます。

まず、今回の盗難事件は、取引所固有のセキュリティーの問題であって、盗まれたNEMという仮想通貨や、それを支えるブロックチェーン技術の欠陥や不備ではないということがポイントです。これについては、テレビのインタビューでも話しました。

さて、このブログの読者の多くは、IT(情報技術)関連のビジネスをされている方です。そして今回の問題は多分に技術的要素を含んでいます。ですので、一般の方々に全てを正しく理解してほしいというのは難しいことですが、少なくともこのブログを読んでいる貴方には、正しい理解をお願いしたいのです。(ブロックチェーンそのものの解説はこちら

例えば、極端な例として「仮想通貨=ブロックチェーン」という短絡的な理解をされている方がいらっしゃいます。正しくは、ブロックチェーンは仮想通貨を支える技術であって、仮想通貨はいまやブロックチェーンの応用の1つに過ぎません。ブロックチェーンは、デジタルトークンの仕組みでポイントシステムや、デジタル資産の流通を司ることができます。また、ブロックチェーンの高い耐改竄性によって、産地偽装防止、カルテの改竄防止、透明性の高い投票などに役立てることが可能です。

また、「ブロックチェーンの信頼性神話は崩壊した」という話も聞きました。誰が「神話」など言っているのかは知りませんが(笑)、技術的に分かっている人がブロックチェーンを神格化することは無いでしょう。ブロックチェーンはそもそも万能ではなく、上記のように極めて適した適用例が存在するのみで、既存の仕組みやサービスを全て置きかえるものではないのです。ブロックチェーンの信頼性はその構造によってブロックチェーンそのものとそのデータの耐障害性、耐改竄性を言っていて、取引所のセキュリティーとはまったく異なるものです。

さらに、「仮想通貨は終わった」という声も聞きます。そうですね。投機対象としての仮想通貨は終わるかもしれません。そして、投機対象として終わるのであれば、それは大変好ましいことです。なぜならば、現在ほとんど機能していない本来の「通貨」としてのメリットを呼び戻すことになるからです。

生まれた頃のビットコインは、Satoshi Nakamotoの論文のタイトルが「A Peer-to-Peer Electronic Cash System」であることからもわかる通り、通貨としての用途を企図して作られたものです。2010年にピザの代金として支払われたことを起点として、長い間投資家にも投機家にも注目されてずに使われていました。しかし、残念ながら近年ではビットコインをはじめとする仮想通貨が投機の対象となってしまい、逆に通貨として使えるものでは無くなってしまっていたのです。このような状況から、BCCCでは為替が安定している、別の言い方をすると「絶対に儲からない仮想通貨」として「Zen」の社会実験を行ったりもしています。

いずれにしても、今回の事件をうけてブロックチェーン技術に関しては、学ぶところはあっても、廃るようなことはありません。ブロックチェーンは、将来、社会インフラ、企業インフラを支える重要な技術になります。ですから、インフォテリアは、これからもブロックチェーンの進化と普及に力を入れていくのです。

I’LL BE BACK

去る1月11日に、インフォテリアの賀詞交換会で、1月にシンガポールR&D(研究開発)センターを開設することと、2月に私が東京に帰任することについて発表しました

東南アジア市場開拓のためにシンガポール法人を設立し、シンガポールに赴任したのが2014年11月。3年強の赴任となりました。シンガポールから世界や日本を見ることで、欧米に拠点を持つ企業のM&Aや、シンガポールをはじめとする東南アジア企業やVCとの連携、ブロックチェーン事業を早期に立ち上げるなどいくつもの成果がありましたが、ミッションの一つであった、東南アジアにユーザーとネットワークを持った企業のM&Aは条件が整わず叶いませんでした。

一方で、インフォテリアの開発体制をよりグローバル化する上で、ハブ国家であるシンガポールにR&Dセンターを置き、近隣諸国を含めた優秀なエンジニアを抱えることがより現実的となり、この度のシンガポールR&Dセンターの発足に繋がりました。シンガポール大学南洋工科大学が、大学の世界ランキングで大きく躍進し、AIをはじめとする先端技術開発が活気を帯び、シンガポールにはアジア各国から優秀なエンジニアと、スタートアップ企業が集まってきています。

一方で私は、東京に戻ります。しかし、東京に専念するというよりは、むしろその逆です。昨年インフォテリアのメンバーとなったThis Placeのあるロンドンやシアトルに行くことが増えることや、英国や米国での活動を活発化するため、さらにグローバルなM&Aを進める地政学的な観点からもシンガポールよりも、当面は東京がベターなための拠点移動です。なお、東南アジアでの活動も続きますので、これからも頻繁にシンガポールにも顔を出すことになるでしょう。

昨年からインフォテリア活動領域もさらに広がり、新たな製品やサービスもリリースし、今年はさらに大きなステージを目指しています。そのためには、私たちと一緒に未来を創る優秀なメンバーももっともっと必要です。開発、マーケティング、営業、管理等全ての業務において必要です。特に注力している「4つのD」を進めるために必要です。我こそは!と感じる人は、ぜひFacebookで私に直接メッセージください。

https://www.facebook.com/pinahirano

 

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます!

Happy New Year!!

2017年は、インフォテリアにとって歴史的にもエキサイティングな年になりました。

Year 2017 was historically exciting year for Infoteria group.

まず、次世代を担う新製品2製品「Platio」と「Gravio」を出荷することができました。この2製品は、「デバイス」(モバイル機器やIoT機器など)に対応した新たな繋ぎを提供する製品です。企業におけるデバイス活用はまだ黎明期ですが、これから、あらゆる企業において欠かすことのできないインフラになっていくと確信しています。過去に「パソコン」がそうであったように。「インターネット」がそうであったように。

First, we have shipped 2 new products, Platio and Gravio. These 2 products connect and enable IoT and mobile devices as important parts of enterprise IT systems. Although IoT in the offices is still in very early stage, we believe it will be a MUST of any enterprises. Like as “personal computers”, and “the internet”.

そして、既存の2つの基幹製品も大きく成長しました。ASTERIAは、2回のバージョンアップを行いRPAやAIなど新たな領域を強化しました。ASTERIAユーザーグループ「AUG」も過去最大の盛り上げりを見せました。Handbookは、いよいよ第5世代が登場し、その用途を企業外にまで広げました。

Second, the 2 core products have grown greatly. ASTERIA did 2 times of upgrade to meet rapidly growing area such as AI (Artificial Intelligence) and RPA (Robotics Process Automation). The ASTERIA user group has completed largest ever conference in Tokyo and Osaka. Handbook has grown as its 5th generation with expanding its field to outside of organization.

さらに、新たな領域であるブロックチェーン技術においても、専門組織の立ち上げ、株主総会での実証実験の成功、ロンドンでのハッカソン優勝、業務適用コンサルティングサービスの開始など、多くの結果を残した年となりました。

Third, the blockchain technology. As we believe blockchain will be indispensable infrastructure of any organizations and the society, we have many progress about blockchain, such as started blockchain dedicated business unit, completed PoC of voting at shareholders meeting, victory in blockchain hackathon in London and started consulting services for blockchain adoption.

最後に、近未来に訪れるビジネスソフトウェアの「デザインファースト」時代に向けて、英国の新進気鋭のデザイン戦略コンサル企業のThis PlaceをM&Aにより仲間に迎えたこと。これからのソフトウェアを世界的にリードしていくための重要な布石です。

Lastly, Infoteria group welcomed a new member, This Place in Infoteria group. This Place is a London based rapidly growing strategic design consulting company. This partnership will realize the “Design Led” enterprise software that will be popular in a couple of years.

インフォテリアは、2018年も新たな挑戦を続けます。
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

Please stay tuned for what Infoteria group will challenge in 2018.

代表取締役社長 平野洋一郎
CEO Pina Hirano

2018年カレンダーに込めた3つの念い

いよいよ2017年も残り僅かとなり、来週から2018年。

インフォテリアの2018年カレンダーも出来ました。このカレンダーは、単なるロゴ入りカレンダーとは違う3つの念いを込めています。その念いとは・・・

(1) 世界10ヶ国/地域の祝日が一目でわかる

 

インフォテリアは創業の時から世界を目指しています。現在は5ヶ国に展開をしています。そこで、カレンダーには環太平洋+英国、合計10ヶ国/地域の祝日が印されています。わかり易いように日付の所にフラッグで示しています。

祝日収録国:日本、英国、米国、中国、台湾、シンガポール、カナダ、韓国、タイ、オーストラリア

(2) 小国町(熊本県)、仙北市(秋田県)への貢献

 

カレンダーの裏面にはインフォテリアがCSRの一環として支援を行っている、熊本県阿蘇郡小国町と秋田県仙北市の美しい景色を毎月楽しめます。

ブランド杉「小国杉」を持つ小国町では、「インフォテリアの森」として5,000本の杉の保全費用を毎年負担するとともに、オフィスでもふんだんに「小国杉」を活用し、さらにHandbookで町の災害時の情報共有に貢献しています。

通称「千本桜」を持つ仙北市では、千本桜の保全費用を毎年負担するとともに、Handbookでインバウンドの観光客への市の名所情報提供に貢献しています。

(3) This Placeとのコラボレーション

そして、カレンダーの表紙は、4月にM&Aにより今年4月にインフォテリアグループに加わったThis Place社のデザインチームによるデザインです。このデザインは、それぞれのチームが未来に向かって力強く進んで行く様をイメージしたものです。

2018年も、インフォテリアは大きな成長を目指し、グループ全体で挑戦を続けていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

上半期:大幅な増収増益と決算短信カラー化

 

11月13日に、インフォテリアの上半期(第2四半期連結会計期間)決算を発表しました。結果は、前年対比で売上も利益も大幅な増加です。本業のもうけを示す営業利益に至っては、前年度の2.5倍近くと記録的な結果となりました。

内容も全ての事業領域で売上が大きく伸長、ASTERIAもHandbookも前年同期比で2桁増に加えて4月に買収した英国デザイン子会社が大きく寄与しました。税引前利益では英ポンド高によって為替差損の影響がありましたが、それでも税引前利益も当期利益も前年同期比で大きく伸ばすことができました。ユーザーの皆様、パートナーの皆様に深く感謝いたします。

また、今回の決算説明会では、メールやツイッターから数多くの質問を多くいただき誠にありがとうございました。しかし、そのために時間内に回答ができなかった質問が1つだけ出てしまいました。この質問は「マザースから東証一部に市場変更しないのか?」という質問でしたが、これは現在での以前の説明会の回答と同じですので、参考までにリンクを張っておきます。

今回の開示にあたっては、インフォテリア独自のチャレンジもありました。それは、決算短信のカラー化です。日本初です。これまで上場企業の決算短信は、企業ロゴ以外は白黒というものが常識でしたが、PDFでの開示が当たり前となった昨今、読みにくい白黒ではなくカラーにしても開示コストはほとんど変わりません。そこで、東証にも確認の上、今回からタイトル文字や表などをカラー化したのです。ぜひ一度、比較していただきたいと思います。

上場企業にとって、いかに企業を正しく理解していただくかということは重要なことです。IT企業である利点を活かして、これまでも決算説明会のネットライブ配信やツイッターでの質問受け付けなど新しいことにチャレンジしてきました。今回のカラー短信は地味ではありますが、逆に全上場企業が採用することのできる工夫だと考えています。

当社の経営理念の第一である「発想と挑戦」。小さなことから大きなことまで、あらゆる領域で実践していきます。

世界を駆ける筆に込めた「念い」

 貴重な経験でした。

先週末に、シンガポールでの日曜恒例の早朝ランの後、書家の前田鎌利さんの揮毫(きごう)のサポートをさせてもらったのです。

前田鎌利さんは「日本の文化を未来へ継ぐ」の理念のもとに、国内での活動だけではなく、海外でも書を中心とした日本文化発信の活動を行われています。

これまでにも、米国、台湾、スイス、フランス、ベルギー、イタリアなど数々の国を訪ねて揮毫をされてきましたが、今回、いよいよ初のシンガポールでの揮毫です。

シンガポールでの揮毫の場所に選ばれたのは、以下のような象徴的な場所でした。

・Merlion Park(マーライオン公園)
・Gardens by the Bay(ガーデンズバイザベイ)
・Sri Mariamman Temple(ヒンズーの寺院)
・Masjid Sultan(イスラムの寺院)
・Hillman Restaurant(ペーパーチキンの店)
・Fullerton Hotel(元海軍省、元郵便局のホテル)
・National Museum(国立博物館)
・Lao Pa Sat(ホーカー:屋台村)

その場所に立ち、周辺を見て歩き、音を聴き、気を感じて、揮毫が行われます。観光地では周りに人だかりができます。個性ある、時には力強く、時には優しく、そして時には目を見張る書が捻り出される瞬間に触れて、鳥肌が立つ思いがしました。

 

例えば、Sri Mariamman Templeでの、この揮毫。「神神神・・・・」寺院の門のイメージの書となっています。

 

例えば、Lao Pa Satでの、この揮毫。「交差点」。シンガポールの今と昔の交じり合う場所のイメージの書となっています。

そして最後に、インフォテリアのシンガポールオフィスでも揮毫。私の経営の師匠だった堀場雅夫さんの志を受け継いで、現在の中期経営計画のスローガンとしている「おもしろ おかしく」を選びました。出来上がった書は、写真のとおり。人によって感じ方は違うでしょうが、私は肩を張らず時代に合ったしなやかさ、スマートな趣きを感じました。

私は常々「外に出よ」という意識を持っていますし、そうアドバイスをします。それは、枠の中には無い、組織の中には無い、日本の中には無い、視点や刺激を得ることができるからです。しかし、今回の前田さんの揮毫をサポートしながら、外に出るからには、視点や刺激を「得る」だけでなく、自らも新たな視点や刺激を「与える」存在でありたいものだと、改めて唸りました。

英国メイ首相来日イベントで登壇

大変光栄なことでした。

去る8月31日に、英国のメイ首相の来日に合わせて都内某所で開催された「Japan UK Business Forum」という200名以上の日英経済関係で活躍されている方々が参加するカンファレンスのパネルディスカッションに登壇しました。(英国当局からの要請で、これまで公開することができませんでした。)

このパネルディスカッションは、安倍首相のスピーチ、メイ首相のスピーチ、両国政府機関の調印の後に、「Innovation through Partnership」というテーマで行われました。もちろん全編英語です。

■登壇者(写真左より)
モデレーター:駐日英国大使館 原子力担当一等書記官 化学博士 Dr. Keith Franklin
日:インフォテリア株式会社 代表取締役社長/CEO 平野 洋一郎 (Pina Hirano)
英:Cavendish Nuclear社 チーフ・エグゼクティブ Mr. Simon Bowen
日:丸紅株式会社 電力・プラントグループCEO 柿木 真澄 氏 (Masumi Kakinoki)
英:Cambridge Consultants社 戦略的イノベーション 責任者 Mr. Arend Jan Van Bochoven

まずは、各メンバーの英国との関わりに関する自己紹介から。私は、これからビジネスソフトウェアでもデザインが重要になると考え「デザインファースト」のソフトウェアを開発する戦略を持っており、以前からデザインに長けたパートナーを世界中で探していたこと。最終的に、4月に買収したThis Place社にたどり着いたことを話しました。また、国を跨がった連携は大企業のものだけではなく、インフォテリアのような小規模の会社でも重要な意味を持つと強調しました。

そして、なぜ英国企業をパートナーに選んだのかと質問されました。私は以下のような主旨の話をしました。

「正直に言うと、最初は英国は眼中になく、主に米国の会社を探していました。しかし、約3年前に英国大使館の紹介で、実際にロンドンとマンチェスターに行って10社以上のスタートアップに会う機会を得ました。そこで感じたのは、英国にもこんなにイノベーティブでクリエイティブなスタートアップがあるのか!ということでした。日本で「イノベーション」というと誰もがシリコンバレーと言いますが、ロンドンもヨーロッパ各国からスタートアップが集まり活気に満ちていました。私たちはデジタルデザインのThis Placeと仕事を始め、その結果としてアウトプットも素晴らしく、企業カルチャーも相性が良かったことから、買収にいたりました。」

会場からの質問で、話題はどうやったら日英企業間でパートナーシップを成功させられるかという話に移ります。

英国と日本は、島国であることや、文化や、環境などが似ていてること、両国の関係の歴史も長いことなどから相互理解しやすく、またそれぞれの国で暮らすなどのことで、さらに良い協業が築けるだろうなどの意見がパネラーから出されました。

それに対して私は、「類似点の議論がありましたが、イノベーションという観点からは、『違う』ことがある点が重要です。同じ環境、同じ考えをもったモノリシックな集団からはイノベーションは起こりにくいでしょう。イノベーションとは『新しい組み合わせ』(注:Joseph Shumpeter)から起こることが少なくありません。異なる考え、異なる地域の人々が協業し刺激しあうことで、イノベーションに寄与するでしょう。」という主旨の意見を述べました。

会場からの次の質問は、「イノベーションを生み出すには、どのようなマネジメントプロセスが必要か?」とういうものでした。

パネラーの一人からは、イノベーションを生み出すためのマネジメントプロセスの考え方についての意見がありましたが、私は「イノベーションは、マネジメントプロセスからは生まれない」と応えました。その理由として、「イノベーションの生まれるのは、マネジメントが必要な前段階のアイディアだったり、『思い』だったりする。そのアイディアが具体化する段階でマネジメントプロセスを考えるのが順番」という意見を述べました。

また、「いまはビザ取得などの問題もあるが、日英間の交流をさらに進めるにはどうしたらよいと思うか?」という質問が出ました。

私は、「ソフトウェア業界においては、交流の前に日英お互いのプレゼンスが低すぎます。ソフトウェア業界ではシリコンバレーばかり見ていて、シリコンバレーに行く人も多いけれども英国のことを気にしている人は少ないのが実状です。だから、まずはお互いプレゼンスを上げないと交流しようという意識にも繋がらない」との話をしました。

このように、会場からの質問も受けながら、予定された45分はあっと言う間に過ぎていきました。

嬉しかったことは、パネルディスカッションが終わった後には日英で活躍されている10人以上の方から名刺交換を求められ、私の拙い英語でも伝わることがあったのだろうと感じたことでした。逆に残念だったことは、私以外の日本からのパネラーの方は、あらかじめ与えられていたテーマに関してはしっかりお話しされていたのに、会場からの質問には一切応えられなかったことです。せっかくの「ディスカッション」なので、用意した意見を披瀝するだけでなくインタラクションが重要だと思います。

実は今、英国に来ています。半年ぶりにこの地を訪れ、This Placeメンバーの熱気、街の活気、学生の元気に触れています。改めてパネルを振り返り、強調したいことが2つあります。それは、(1)国を跨がった協業は決して大企業だけのものではないこと、(2)これからの英国は要注目であることです。

これからさらにクラウド化が進み、非中央集権化が進み、「個」の時代になっていくあたって、小さな専門性の高いチームこそが様々な枠を超えて繋がる価値を生み出していくでしょう。そして、大企業を超えたスピードと価値を生み出していくことができると確信しています。

また、EU離脱をし独自路線を進むことができるようになる英国はより力を付けていくでしょう。既に、2017年上半期では、輸出金額は前年同期比で10%も増加、観光客(インバウンド)も前年に比べて6%増加、ロンドン金融街の雇用は13%も増加というレポートが出ています。英国全体の失業率は統計を始めて以来過去最低となっています。メディアの報道だけで、英国の行く先を心配する前に、自分の足で英国を見て感じてください。英国には、ケンブリッジ大学やオックスフォード大学をはじめ世界有数の教育レベルを誇り世界中から若者が集まっています。英国には、新たなイノベーションを生み出す若い力と活力が溢れていると感じるのです。

Happy 19th Anniversary に感謝

この9月1日にインフォテリアは、19回目の創立記念日を迎えました(写真)。

今年もまた創業記念日を迎えることができたのは、ユーザーの皆様、取引先の皆様、そしてなによりも社員のメンバーと家族の皆様のおかげです。

深く深く感謝申し上げます。

インフォテリアの創業は1998年9月1日。前年には、山一証券、拓銀が経営破綻し、国内はバブル崩壊後の金融危機の影響で厳しい不況風が吹いていたときです。

当時私は35歳になったばかり。「こんな不景気の時に起業はいかがなものか?」などと時期を考えた方が良いとのアドバイスを何人もの先輩にいただきました。しかし、どん底のときこそ上がっていくしか無いわけですから、そこは問題視しませんでした。

それよりも、これからインターネットを介して人も企業も繋がっていく時代の入り口にいる興奮の方が何倍も私を行動に駆り立てたのです。

しかし、日本の経済環境が厳しいことは現実で、創業してしばらくは「1年後には会社が無いかもしれないが、一緒にやらないか」と社員を勧誘していました。

大きな夢はあったけれども、何も保証することはできなかったのです。

でも、だからこそ私は「融資」ではなく全額「投資」による資金調達を行いました。米国で多くの同僚が独立して投資のみの資金調達によって億円単位の調達を実現して新たなソフトウェア企業を始めていました。それは、銀行と組むのではなく、投資家と組むというモデルです。その調達額は銀行の融資に比べると桁違いに大きく、日本でも米国型の投資モデルを持ち込まないと日本のソフトウェア産業は消えて無くなるという危惧を抱いたのです。「非常識」だの「問題外」だの言われながら、結果的に全額を投資によって27億円の資金調達を行うことができ、いまのインフォテリアの基礎を作ることができました。(詳しくは、月刊「事業構想」10月号に)

日本にはまだ浸透していなかった「先行バリュエーション」で「100%投資のみ」というモデルに投資をしていただいた当初の投資家の皆様の「知見」と「先見性」に支えられました。

1年後は存在しないかもしれない設立間もないベンチャーのソフトウェアをその機能と性能に惚れて買っていただいた当初のお客様の「決断」と「覚悟」に支えられました。

そして、安定した会社でのポジションと収入を捨ててジョインしてくれた当初の社員メンバーの「勇気」と「情熱」に支えられました。

それ以降、数多くのユーザー、取引先、そして社員のメンバーなど全ての人々のおかげで、19周年を迎えることができました。本当にありがとうございます。

来年は、いよいよ20周年。

ここまで継続し、成長して来ることができたことに感慨深いものががあります。しかし、世界に羽ばたいた企業の20周年に比べればまだまだ小粒です。まだまだやりたいことは、沢山あります。

創業の時から目指している、ソフトウェアで世界規模で貢献をできる会社への大きな成長を目指して、来る20周年に向けて挑戦を続けます。

<インフォテリアの19年(抜粋)>

  • 1998:大田区の6畳1間のアパートで創業(9月)
  • 1999:世界初の商用XMLエンジン「iPEX」を出荷(1月)
  • 2000:総額27億円の調達を創業時調達を完了(〜3月)
  • 2001:「Asteria for RosettaNet」を発売(1月)
  • 2002:ノン・プログラミングの「ASTERIA R2」を出荷(6月)
  • 2003:「ASTERIA 3」を発売(10月)
  • 2004:「ASTERIA」の導入社数が100社を突破(6月)
  • 2005:「ASTERIA」の解説本が登場(5月)
  • 2006:「ASTERIA」が市場シェアNo.1を獲得
  • 2007:東証マザーズへ株式上場(6月)
  • 2008:中国浙江大学とソフトウェア開発コンテストを実施(12月)
  • 2009:「Handbook」を発売(3月)
  • 2010:「ASTERIA」の導入社数が1,000社を突破(2月)
  • 2011:米Extentechを買収(6月)
  • 2012:中国杭州と上海とに子会社を設置(3月、11月)
  • 2013:香港に開発子会社を設立(11月)
  • 2014:シンガポール子会社設立(11月)
  • 2015:「ASTERIA」導入5,000社突破「インフォテリアの森」CSR開始(9月)
  • 2016:IoTモバイル開発基盤「Platio」を発表(10月)
  • 2017:英ThisPlaceを買収(4月)

 

「I ♥️ Cambodia」が運ぶ笑顔

先日、カンボジアのクチャ村という農村にある「かものはしプロジェクト」のコミュニティファクトリー(工房)にお邪魔しました。「かものはしプロジェクト」は、カンボジアやインドでの少女の性的人身売買問題撲滅のために活動をしているNPOで、インフォテリアも10年近く支援を継続しています。

この工房では、クチャ村の若い女性(16歳〜20代前半)約60人がい草の手芸品を作るために楽しそうに働いていました。い草を染める人、い草を選別する人、靴のゴムを貼り付ける人、ミシンをかける人、皮を裁断する人などなど。

 

この工房は、村の女性達の自立支援のために運営されています。寄付などの支援無しに、サスティナブルなコミュニティを作るために、一人一人が手に職をつけ定常的な収入が得られるようにとの狙いです。少女の性的人身売買問題が起こる原因の一つとして「貧困」があり、定常的な収入が得られれば、多くの未成年を救うことができるからです。

工房には、託児所が併設されており、子供がいても働くことができます。食堂では、毎日無料の給食が出されて、働くために外食をする必要もありません。このように、仕事を与えて教育するだけでなく、村の女性達が、働きやすい環境も提供されています。

 

ここで作られる手芸品は、「I Cambodia」というブランドで、都市部で売られています。さらに最近は、バッグやアクセサリーの「SUSU」という新しいブランドも立ち上げ、かものはしプロジェクトからの卒業を狙っているそうです。

この工房のことは「かものはしプロジェクト」の報告書で知ってはいました。しかし、実際に現地を訪ね、このような異国の地で、人生を賭けて現地の社会問題に取り組み、そして大きな成果をあげている「かものはしプロジェクト」の皆さんの活動にあらためて胸を打たれました。

「I Cambodia」の手芸品をお土産として買い込み、「仕事があることが嬉しい」というと笑う彼女達に見送られながら工房を後にしました。

 

かものはしプロジェクトのサイト↓

英国のブロックチェーンハッカソンで優勝!

インフォテリアグループのThis Placeの開発チームが英国ロンドンで先週末に開催された、ブロックチェーンのハッカソン「Break the Block」で優勝しました!

このハッカソンは、保険業におけるブロックチェーンの適用の可能性を探るもので、主催は米国の保険大手Travelersの傘下のSimply Business社。参加したチームは、This Placeの他にAccenture, KPMG, Microsoft, HSBCそしてCryptoCompareからなど、全10チーム。This Placeのチームは「Coders Without Insurance」というチーム名で参加し、並み居る強豪の中で、最優秀賞を獲得しました。

チームリーダーのChristoph Burgdorfer(写真:左から2人目)は、This Placeの開発ディレクターで、現在インフォテリアの東京R&Dセンターとも共同で新たなプロジェクトを開始しています。彼が率いるチームが今回作ったのは、イベントに関わる保険の支払を実際の天気に応じて自動化するというもので、保険料率の計算のために天気予報APIを使い、実際の天気の取得のためにIoTセンサーを使い、また保険の支払にはEthereumのスマートコントラクトを使うというものです。

Christoph Burgdorferのコメント:
“I was really impressed by the level of innovation and creativity at this year’s Break the Block hackathon. I believe that our team did an outstanding job in putting together a solution that could set the bar for the next generation of insurance.”
(訳:今年のBreak the Blockハッカソンにおける革新性と創造性のレベルの高さに感銘を受けました。私たちのチームは、次世代の保険業の基準となり得る、素晴らしいソリューションを提案することができたと確信しています。)

今回、This Place開発チームが取り組んだブロックチェーンの活用例は、これまでの保険業におけるブロックチェーンの適用例をさらに広げるものとなります。つまり、これまでの実証実験では、保険証券のブロックチェーン化(貿易保険:東京海上日動火災保険株式会社、株式会社NTTデータ、銀行保険:IBM、AIG、等)が行われていましたが、そこからさらに広げて、オープンAPIやIoTと組み合わせた保険業務におけるブロックチェーン適用例となっています。

またこれは、インフォテリアが推進している金融勘定系以外におけるブロックチェーンの具体的な可能性をまた一つ示したことになります。これからもインフォテリアグループでは、幅広い産業におけるブロックチェーンの適用のための活動を続けていきます。

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