第3回 『中国の方がXMLの導入が進んでいる日が来る?』
こんにちは、インフォテリアの平野です。
新年早々、中国の上海を訪問してきました。
上海では、いくつかのSI企業やエンドユーザー企業の方に会ってきました。上海や中国にはまだXMLコンソーシアムのような業界横断的なXMLの推進啓蒙団体はありませんし、XMLの活用事例の数もまだ多くありません。しかし、個別の企業での研究や導入検討は結構進んでいて、技術的な面でもある程度突っ込んだ話をすることができました。ある人の話では、「中国は日本のアウトソーシングのエンジニアリングはかなり進んでいるけれども、国内向けはまだまだ」ということでしたが、実際には外資系(この場合日本の会社も外資系になります)をはじめとして多くの企業が、企業システムの構築整備を急ピッチで進めているため、中国国内向けのエンジニアリング需要も急増しているようです。
ところで、上海の各企業とのミーティングで一貫して感じたことがあります。それは、話が「主観的」であるということです。例えば、製品の説明をすると、身を乗り出してきて「こういう問題を抱えているが使えるか?」とか「ここにこういう機能は無いのか?無ければ入れられるのか?」といった、自分の仕事や自分の会社の問題に関連した質問が次々と出て、熱いディスカッションとなります。一方で、日本でのミーティングを振り返ってみると、お客様との話でも、SIの方々との話でも「客観的」な話になりがちです。例えば典型的なパターンは、一通り説明が終わると腕組みをして「他社での導入はどうなのか?」とか「競合製品と比べてどうなのか?」など。もちろん、これらは重要なポイントではありますが、その企業特有ではない客観的な話のため、どうしても話が深くならず、結果として話のテンポが遅くなってしまうのです。(ここで、目をつぶって、2つのミーティングをイメージしてみてください。)
「経営スピードに負けないシステム」といったことが最近は話題になっているけれども、一方でシステム検討や選定にやたら時間がかかっている。主観的な目的達成や問題解決より客観的な評価評論や根回しに時間が割かれているために、システムでスピードアップを狙っているものの人間系が大きなブレーキになっているケースが多いのではないでしょうか。これは、インフォテリアのビジネス上の問題として言っているのではありません。上海での身を乗り出すミーティングと、日本での腕組みミーティング、それだけでも仕事のスピードに大きな差が出ていることを肌で感じたのです。このままだと、「XMLにしてもWebサービスにしても中国の方が進んでいる」といった状況になっても不思議ではないとさえ感じます。「日本人は客観的な視点ではなくもっと主観的な視点でどんどん物事を判断していかないと、このスピードについていくことができないのではないか?」と、一日本人として不安を感じた訪問でした。
追伸:
前回書いたOASISにおけるオフィス製品のXML標準化活動について、ある方から「Sunは以前からStarSuiteでデータのXML化を行っている」とのコメントをいただきました。私の説明が不十分で、誤解をされた方もいらっしゃるようです。補足説明させていただきますと、私のポイントは「標準化活動」であって、ファイルフォーマットにXMLを採用したということではありません。ちなみに、オフィス系ソフトでは、97年1月発表のロータス社のeSuiteという製品がXMLを表計算やワープロなどのネイティブファイルフォーマットとして採用したのが(私の知る限りでは)最初ですし、その後もCorelなど、いくつかのベンダーで試みがあったことが知られています。限られた字数でのお話のため、これからも誤解を招くような表現をしてしまうことがあることと思いますが、ご遠慮なくコメントをお寄せください。
日時: 2003年01月23日 00:00 | | TrackBack
