第2回 『オフィス製品にXMLの光あれ』
いよいよ「表計算」、「ワープロ」、「プレゼン」といったオフィス製品環境にまで本格的なXMLの波が押し寄せようとしています。というのも、最近重要な2つの出来事がほぼ同時に起こっているからです。1つは、世界的な標準化団体OASISにおいてオフィス製品のXML標準ファイルフォーマットを定めるためのTC(Technical Comittee=技術委員会)が設置されたこと。2つめは、マイクロソフトがMSオフィスの次期バージョン(Office 11)で、XMLを「ちゃんと」サポートする(らしい)ということ。
それにしても、このOASISの動きにしても、このマイクロソフトのきにしても私にしてみると「遅すぎ」の感が否めません。確かに、マイクロソフトは、稼ぎ頭のオフィス製品のファイルフォーマットを完全にオープン標準にすることは、囲い込みが外れてビジネス上の脅威を意味します。だから、これまでのXML対応が全てお茶を濁す程度だったのは「意図的だった」という事情は理解はできます。
一方で、マイクロソフトに対抗する陣営が、ファイルのXML標準化という活動をこれまで行わなかったのは、理由が見当たりません。今回のTCでさえComdexでのOffice 11の発表を受けて慌てて作った感が否めません。
実は、私はおよそ3年前、99年の秋に当時の米IBMの開発担当副社長のMike Zisman氏をワシントンD.C.郊外に訪ねて「表計算のXML標準フォーマットSML(Spreadsheet Markup Language)を一緒に開発してW3Cに提出しましょう!」と提案したことがあります。「これから絶対にオフィス製品のオープンなフォーマットが必要だし、オフィス製品の新しいビジネスルールを作れる」と。しかし、結果は「あまり興味はない。」でした。
弱小ベンチャーが1社で提案するわけにもいかず、その案はお蔵入りとなりましたが、そのときには1?2年後には絶対標準化の動きが出ると考えていました。しかし、実際にOASISでこの動きが起こったのは、3年後の今年11月。しかも、これだけ時間がかかっていながらマイクロソフトは入れていません。もしこれで、OASISで制定するものと、Office 11の独自XMLフォーマットの2種類ができれば、またまたユーザーが不利益を被ることになります。ここまで遅れたのなら、この技術委員会にマイクロソフトも巻き込んで大同団結で進めることを希望してやみません。
私はインフォテリア創業時のプレゼンでも、オフィス製品環境までのデータフォーマットとアプリケーションのアンバンドリング(非依存化)をXML重要な価値として挙げています。この話を、単なる新製品という側面や、競合という側面でとらえている記事が多いようですが、マイクロソフトも含めて大同団結でオフィス製品のフォーマットが標準化されれば、企業におけるコンピューティングの歴史に新たな1ページが刻まれると確信しています。
【参考】
◎OASISの発表↓
http://www.oasis-open.org/news/oasis_news_11_20_02.shtml
◎XML2002でOffice 11のデモ↓
http://www.idealliance.org/xmlfiles/xml2002/xml2002.htm
◎インフォテリア創業時のプレゼン(コラム)
http://www.infoteria.com/jp/xmlnote/column/article/co_01.jsp#3
追伸:ちなみに、ここで私が触れているのは、多くの記事にあるOffice 11のXMLへのデータマッピングの機能ではありません。そのために重税 :-) を払うかどうかはユーザーの判断次第ですね。
日時: 2002年12月19日 00:00 | | TrackBack
