話題のBlogとXMLの関係

話題のBlogとXMLの関係

 最近インターネットで「Blog」が急速に普及している。「Blog」とは、Web Logを略したもので、もともとはWeb上のログつまり記録を残す、日記的なものに使われていたものだ。それだけなら、従来からあるCMS (Content Management System)を使えばよいのだが、Blogがここまで普及した背景には、他のWebサイトやサービスとの連携の強さがある。そして、実はそこでXMLが活用されている。

国内で急速に普及が進む

 Blogは米国では2002年頃から流行し始めたが、日本国内ではここにきて急速に普及が進んでいる。その背景には、大手ISPがこぞってBlogのASPサービスを始めたということがある(表1:大手ISPのブログサービス)。さらに、Blogツール開発の大手Six Apart社(MovableTypeの開発元、本社米国)が3月18日に日本法人を設立するなどBlog関連サービス側の動きが慌しくなっている。

図1:週刊!木村剛

図2:ふじすえBlog
コンテンツ側も、単に一個人の日記ではなく、双方向コミュニケーションツールとしての利用やオフィシャルな情報発信ツールとしての利用が活発化している。

 例えば、エコノミストの木村剛氏は、Blogで「週刊!木村剛」(http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/)を発行し、読者と毎日のようにインタラクティブな議論を展開している。民主党の藤末健三氏は「ふじすえBlog」(http://fujisue.net/blog/index.html)で、毎日のように全国各地での講演や政策について自ら直接発信し、有権者との意見交換を行っている。米国では大統領選にまでBlogが活用されるようになっているが、国内でもこのように実際の政治・経済の現場でBlogが使われ始めている。さらに、まだ数は少ないが国内企業の公式サイトでの導入も始まっている(このページも実はBlogだ)。

BlogとXMLの関係

 では、このBlogとXMLとはどのような関係があるのだろうか。Webサイトを表示するには、HTMLで十分だし、コンテンツの管理は内部的なことなので何らかの形でデータベース化しておけばよい。実は、XMLはBlogの最大の特徴である他のサイトやサービスとの連携の部分で活躍しているのである。

1)RSSフィード

図3:RSSデータ(index.xml)
 Blogには、RSS(Rich Site Summary / RDF Site Summary)フィード用のデータを提供する機能がある。RSSフィードとは、ある種のデータ提供サービスで、特定のWebサイトの読者がそのWebサイトに行かなくても更新状況や更新内容を知ることができるしくみである。そして、このデータフォーマットとしてXMLが使用されている。

 例として前出の「ふじすえblog」の例を見てみよう。このサイトのURL http://fujisue.net/blog/index.htmlを表示してみてほしい。まずは、普通に画面が表示される。次に、URLの最後の「.html」を「.xml」に変えて表示してみてほしい。どうだろう。サイトの内容がXMLで表示されたと思う。このようにBlogサイトは、HTMLだけでなくXMLでも情報を発信しているのだ。

図4:RSSフィードサービスの一例(Bloglines.com)
 XMLで送ることで、受信側はそのデータを加工して使うことができる。例えば、複数のサイトの更新状況を並べて表示したり(図4)、更新された内容だけを取り出してニュースティッカーのように画面上に流れ表示をしたりといった活用だ。

 ところで、RSSはXMLデータであるが、その仕様はまだ完全に一本化されていない。現在RSS 0.9、RSS 1.0、RSS 2.0そしてAtomという4つの仕様があるが、GoogleやMovableTypeがAtomを採用したことから、Atom仕様に大きな期待がかかってきている。

2)トラックバック

 トラックバックは、Blogの持つ大変ユニークな機能だ。簡単にいうと「逆リンク」の機能といえる。通常、自分とサイトと関連する情報のあるサイト(対象サイト)をリンクする場合には、自分のサイトにその対象サイトへのリンクを置く。しかし、トラックバックを使うと、「対象サイト上に自分のサイトへのリンクを自動的に置く」ことができるのである。

 このトラックバックでもXMLが活用されている。トラックバックの仕組みはこうだ。まず、自分のサイトからトラックバックしたいサイトにトラックバックのリクエストを送る。ここで送る内容は、Blog名(blog_name)、タイトル(title)、記事URL(url)、記事の概要(excerpt)である。このリクエストは、HTMLのフォームからも送ることができるように単純なHTTP POSTの形式になっている。そして、そのリクエストを受け付けたサイトは、その内容を自らのサイトに反映して、レスポンスを返す。このレスポンスがXML形式になっている。

3)サイトの更新通知 (Ping)

図5:サイト更新通知XMLの例
 Blogでは、RSSのようにサイトの情報を受動的に提供するしくみだけでなく、サイトの更新を能動的に通知(Ping)するしくみがある。このしくみは、Blogサイトの情報集積サイトや検索サイトなどで使われている。例えば、米国のWeblogs.comや、国内のBloggers.jpなどがこれにあたる。そしてこの更新情報の通知にXML-RPCが使用されている(図5)。

 MovableTypeなどのBlogツールでエントリ更新をすると同時に、Blogツールからサービスサイトに通知が行われる。このプロトコルでは、Blog名 、BlogのURL、更新されたURL、カテゴリ名をXMLで通知する。そして、登録サイトから、エラー値とメッセージがXMLで返される(詳細仕様)。

さらに進化するBlogの環境

 このように、Blogの特徴の多くはXMLを使って実現されている。電子商取引やSOAPによるシステム連携などの大規模なシステムだけでなく、このような草の根的な技術、サービスでもXMLが活用されるようになってきているのである。

 そしてBlogは、今でも日進月歩で進化している。スパムコメントの排除、複数Blogへのシングルログイン、Moblog(Mobile Blog = モバイル環境でのBlog)など、開発中の技術は目白押しだ。そしてこのような進化の背景でもXMLは引き続き重要な役割を果たしていくだろう。


表1:大手ISPのブログサービス
ISP名サービス名開始日
@Niftyココログ2003/12/2
LivedoorLivedoor Blog2003/12/18
エキサイトエキサイトブログβ版2004/2/2
GooGoo BLOG2004/3/9
Biglobeウェブリブログ2004/3/22
NTTコミュニケーションズ(OCN)ブログ人(じん)2004/3/30

 

日時: 2004年05月13日 09:00 |  | TrackBack

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