第8回 『良いITコンサルタントの見分け方』
こんにちは、インフォテリア斎藤です。
さて今回は、このコラムの最終回になります。最終回は、お客様の視点から見た、良いITコンサルタントの見分け方についてご紹介します。
結論から申し上げると『良いITコンサルタントは「NO」を明確に言えるコンサルタント』です。しかし、「NO」を言って、お客様と問題を起こすコンサルタントは悪いITコンサルタントです。良いITコンサルタントは「NO」を言うことによって、お客様から評価され、感謝されるコンサルタントです。
お客様に「NO」を言って納得を得るためには、十分な論理と洞察、そしてお客様とのコミュニケーションが必要になります。お客様は自らの要求に対して「NO」を言われたわけですから、素直に受け入れていただける状況にはなりにくいと思います。そこで重要なことは、十分な論理と洞察による明確な理由と「お客様のため」という考え方が基盤にあることです。微塵でも、理由にぶれがあったり、お客様のためという基盤が揺らぐようなものが見えたりしたら、その「NO」は受け入れられません。
システム開発の現状において、お客様の要求に対して「YES」ばかりを言うコンサルタントは、プロジェクト開始当初はお客様から重宝されがちです。始めの内は和やかでも、プロジェクトが進むにつれて、お客様のためという基盤を持たないプロジェクトは雰囲気が悪くなります。えてして「YES」ばかりのコンサルタントが行うプロジェクトは、スケジュールが遅れがちで、次から次へと問題が発生するからです。最悪の場合、予定通りにカットオーバーできなくなり、お客様とコンサルタントの属す会社との間で訴訟問題になりかねません。
やはり、まずお客様の業務要件およびシステム要件を明確にした上で、お客様の要求に対してシステムとして「YES」「NO」をきちんと判断することが重要です。加えて、システムの観点から業務に対して「YES」「NO」を判断し、提言することができれば、お客様に提供できる価値が上がります。「NO」という判断をした場合、お客様の要求を満たすための代替案まで提案することができれば、さらに、お客様に提供できる価値が上がります。
あるソフトウェア・ベンダーのコンサルタントは、お客様に対して営業する際に、自社のソフトウェアが適していないと判断すると「貴社の要求には向きません」とはっきり言うそうです。ソフトウェアの売上機会がなくなるわけですから、営業担当者からするととんでもない話と思われますが、そうするとお客様からは「ソフトウェアはともかく、コンサルタントだけでも派遣して下さい」と言われるそうです。つまり、別の売上機会が発生することになります。会社として、このように判断することを善としていることはすばらしいことだと思います。
10年以上前には、日本のコンサルタントのプロジェクトにおける主要業務は大半が、お客様がシステムの選択などを行う際、あらかじめ担当者が決定した要求内容を社内稟議で通すため、その理由づけとして必要となる論理的な説明資料の作成でした(当然、異なるプロジェクトもたくさんありましたが…)。その要求が「YES」であるということを導き出すための理由を作成するために大量の調査・分析を行うというものでした。要求は「YES」であると決まっているわけですから「NO」を言う余地はありませんでした。その成果物が、後からは誰も読まないような分厚いレポートでした。
昨今は、お客様の要求が厳しくなり(当然とも言えるのですが…)、分厚いレポートよりも目に見える成果、具体的には、予定通りにシステム稼働をカットオーバーさせること、システム稼働による業務効率の改善、などの成果を出さなければならなくなりました。言い換えると、ITコンサルタントにとって、お客様に対して成果を出すための「NO」を言うことのできる環境になってきているということです。成果を出すことのできないコンサルタントは淘汰されていくことになりますから、厳しい環境であるとも言えます。
この環境で生き残っていくために、ITコンサルタントは基礎能力を備えて、お客様にサービスを提供していく中で経験を積んでいくことが、今まで以上に重要になっていくものと思います。
お客様の視点から見た良いITコンサルタントの見分け方について、おわかりいただけましたでしょうか?8回にわかってコラム:「ITコンサルタント」って何??をご愛読いただきまして、ありがとうございました。本コラムに関するご意見、ご感想などございましたら、sales@infoteria.co.jp までお気軽にご連絡ください。
日時: 2004年02月05日 00:00 | | TrackBack
