第7回 『ITコンサルタントの位置付け』
こんにちは、インフォテリア斎藤です。
第2回から第6回までITコンサルタントに必要な基礎能力について論じてきました。そして、ITコンサルタントは何が‘できる人’なのかについて説明してきました。今回は、ITコンサルタントは何を‘する人’なのかを説明するために、プロジェクトにおける位置付けについて他の職種と対比しながらご紹介します。
システム・インテグレーション会社、コンサルティング会社はプロジェクトを成功させるために、プロジェクト・マネジャー(以下、PM)、システム・エンジニア(以下、SE)、プログラマなどで構成される階層化されたプロジェクト・チームを作ります。昨今、特に、プロジェクト全体の進行・管理に責任を持つプロジェクト・マネジメントが注目されており、PMBOK(a guide to the project management body of knowledge)(*1)といったプロジェクト・マネジメント手法や、実際にマネジメントを行うPMに関する情報が様々な媒体で提供されています。
システム・インテグレーション会社にもコンサルティング会社にもPMと名乗る人がいますが、私の経験からの感覚では、PMと呼ばれている人の中で、本当にプロジェクト・マネジメントができる人というのは10人に1人もいないのではないかと思います。
本来のPMとは、手法に関する知識が豊富な人ではなく、知識・経験をベースにプロジェクト状況を常に把握しながらプロジェクトの方向性を定め、お客様、チーム・メンバーが満足するようにプロジェクトを推進していく人です。私が実際に関わったプロジェクトにおいても、毎日、Excelとにらめっこをしながらスケジュールの線を引いているだけの存在価値のないPMがいたり、PMがお客様の言うことを状況も考えずにすべてそのまま受け入れてしまい、プロジェクト・メンバーの同意を得られずに、プロジェクトが進まない状況にあったり、というケースがしばしば見られました。
一方、システムの設計・開発を担当するのがSEですが、多くのSEが受身のシステム設計をしているのではないかと感じています。これは、システム設計する際にお客様の要件をすべて受け入れることで顧客満足を得るというタイプですが、要件から設計・開発の範囲が決められず、設計から開発になった時に、要件があいまいなため、開発工数が増長し、最終的にお客様からクレームが出てしまう可能性が高いものです。
そのようなシステム構築の現状において、ITコンサルタントという職種が出てきました。プロジェクト・マネジメントができないPM、きちんとしたシステム設計のできないSEの問題を解決するための位置付けとしてITコンサルタントがあります。
私は、プロジェクトにおいては要件定義からシステム設計のフェーズというのが最も重要だと考えています。このフェーズにおいてお客様の要件をきちんと把握し、その要件に対する業務・システムの両面から見た最適なシステムの提案およびその提案に対するお客様の承認が得られた場合、その後の開発、テスト等のフェーズにおいて致命的な問題が起こる確率が下がります。
このフェーズを行うのに適しているのがITコンサルタントです。お客様からきちんと要件を聞き出し、把握することはシステム設計の基になります。また、設計したシステムをお客様に提案し、お客様から承認を得るために議論していくことが必要になります。これらのフェーズでは、お客様とのコミュニケーションが非常に重要です。
また、最適なシステムを設計するためには、業務要件、システム要件を把握しながら、業務・システムの知識を基にお客様のために必要・不必要を判断していくことが重要です。その判断によって最適なシステムを設計・提案できるかどうかが左右されます。ITコンサルタントとは、PM的およびSE的な要素を持ちながら、お客様に最適なシステムを提案していく職種です。
さて、8回目となる次回が『コラム:「ITコンサルタント」って何??』の最終回になります。これまでの総論という観点から、お客様の視点から「良いITコンサルタントの見分け方」についてご紹介する予定です。
*1:PMBOK(a guide to the project management body of knowledge) 米国のPMI(Project Management Institute)が提唱する、プロジェクトマネジメントのための標準的なフレームワーク(知識体系)。
日時: 2004年01月08日 00:00 | | TrackBack
