第3回 『コンサルタントの基礎能力(1)』
こんにちは、インフォテリア斎藤です。
コンサルタントという職業は主体性を持たない職業です。「主体性を持たない」という表現は「責任を持たない」と誤解されそうですが、コンサルタントという職業は、主体であるお客様の業務改革、システム構築、などがうまく行われるように、責任を持って支援する職業です。
コンサルタントは、物事に関する知識および経験とそれらに基づいた客観的判断により、常にお客様のことを考えます。そして、その客観的判断をお客様に理解させ、お客様の責任の元に滞りなく遂行させることに価値があります。昔は、コンサルタントに対して、お客様側の担当者の方が社内で意見を通すために、用意されている結論を理路整然と論理展開し、報告書にまとめることが要求されているプロジェクトというのもありました。特に大企業に多かったという印象があります。
このようなコンサルタントの使い方は、コンサルタントによる客観的判断の効用がなくなります。最近は、コンサルタントを有効に活用されているお客様も増えてきていますので、コンサルタントに対して意見を求めるケースが増えてきています。意見というのは洞察です。
今回は、客観的判断を行うのに必要な能力である、論理的思考能力と洞察力について考察します。
論理的思考能力については近年、その方法論に関する書籍がたくさん出版されています。報告書の書き方、議論の進め方、などの基本として、コンサルタントに限らず、ビジネスパーソンとして必要な能力という認識になってきた表れであると思われます。
論理的思考能力というのは、書籍、セミナーなどで勉強することで学ぶことのできる能力です。私の場合は、コンサルタントの業務として常日頃思考していましたし、書籍も何冊か読みました。練習問題を解くように、様々な問題について対応していくうちに、思考回路が論理的になるという感覚でした。学ぶことのできる能力ではありますが、身につけるためには経験を積むことが必要な能力であると言えます。
コンサルタントとしては論理的思考能力によるアウトプットが重要です。論理的思考能力を身につけることで、わかり易い資料を作成できるようになること、わかり易いプレゼンテーションができるようになることは重要ですが、それでは最低限のスキルレベルだと思います。コンサルタントにとって最も重要なことは、論理的思考能力に基づいて洞察することです。より的確な洞察を導くためには、様々な視点による判断が必要になってきます。様々な視点を養うためには、ある分野の専門的知識と横断的知識の両方が必要になってきます。そして、それらの知識に基づいた経験を積むことも重要です。
つまり、論理的思考能力と洞察力というのは、どちらも知識と経験の組み合わせで決定される能力ということになります。しかしながら、この二つの能力の相違は、洞察力は知識、経験に基づいた「ひらめき」が重要であるということです。私は、ひらめきは勉強や経験だけで養われるものではないと考えています。どちらかというと、仕事以外の環境によって導かれる部分も多いではないかと判断しています。このひらめくことのできるセンスの有無が優れたコンサルタントと普通のコンサルタントの違いではないかと思います。
センスというと元も子もなくなってしまいますが、コンサルタントを志向する方にとっては、自分がコンサルタントに向いているかどうかの判断基準としてはいかがでしょうか?
あなたはコンサルタントとして…?
日時: 2003年09月18日 00:00 | | TrackBack
