株式会社東京放送(TBS):[iConnector]導入事例

系列各局への情報配信システムをXMLで構築

TBSロゴ
浜谷 雅也
株式会社(TBS)
開発局
デジタル開発センター
副部長

浜谷 雅也 氏

TBSでは各系列局へ送る番組宣伝情報をXML化して配信するシステムを作成し、本番稼働に向けて準備している。従来までは各系列局のFAX宛てに情報を送信していたが、今後はデータをWWWサーバーで公開したり配信用サーバー経由でデータを転送することになる。各系列局は自局のシステム環境に応じてデータを参照したり取り込むための環境が提供される。システムはTBS内のデータベースから定期的にiConnectorで接続してXML変換を行い、WWWサーバーまたは配信管理サーバーへデータを転送する。今回のシステムにより受信側のペーパーレスと作業の効率化が飛躍的に進む。また、今後のシステム構成変更にも有利となるシステム基盤を構築したことになる。

系列局へ配信する番組宣伝情報をXML化

テレビを点けるといつもそこからニュースやエンターテイメントが放送されている。普段何気なく見ている画面は秒刻みで精巧に構成されている。放送局から系列放送局へ、常に絶え間なく放送を行うなかで配信されるのは画像情報だけではない。これから放送する番組情報は放送局が放送を世界に提供するうえで欠かせないデータである。TBS(東京放送)はJNN系列局との間で交換する番組宣伝情報をXML化して配信するシステム構築をすすめている。各系列局へFAXなどで情報が送信されているところを電子化し、ペーパーレスや作業の効率化が飛躍的にすすむことになる。系列局への番組宣伝情報配信のシステム化は2000年9月にプロトタイプが完成し、現時点では本格稼働の2001年10月に向けてシステムの機能整備を進めているところだ。

系列各局への接続部分の情報伝達をスムーズに

TBS社内の情報管理はすでに電子化が進んでいるが、系列各局への情報伝達手段はまだFAXなどが残っている。受信側の系列各局はFAXで受信後に自社内のシステムに入力を行い次の処理につなげるところが多い。ここの接続部分で電子化が途切れているため、入力の重複という非効率的な作業が発生してしまう。受信側である系列各局は28局ある。それぞれシステム化の現状や要望はまちまちなので調整するのは容易なことではない。「自社または子会社であれば親会社主導でデータ交換システムを構築できるが、系列会社や関連企業となるとそうもいきません。だからこそ、一般的なインターネットとブラウザという環境とXMLという柔軟なデータ形式を用いる必要性があったのです」と開発局デジタル開発センター副部長である浜谷氏は語る。どの局でも柔軟に対応可能な環境とデータ形式を提供することは必須条件だった。柔軟なデータ形式ならばXML以外に最適な選択肢はない。

番組情報データベースからXML変換してデータを転送

今回のXML化したのはTBSが保有する情報を系列各局へ情報送信する部分にあたる。システムの流れを追うと、まずTBSに存在するSQL Serverを用いた宣伝番組情報のデータベースサーバーから定期的に問い合わせを行いデータを抽出する。そこで事前に作成したRuleファイルを用いてiConnectorによってデータのXML変換を行う。出力されたXMLファイルはftpにより、WWWサーバーまたは配信管理サーバーへ転送される。WWWに送信されるとスタイルシートと掛け合わせることによりブラウザからデータが参照できるようになる。これにより、データを受け取る系列各局はインターネットを介してブラウザからWWWサーバーにアクセスして情報を参照したり、エクストラネット(VPN)を介して配信管理サーバーから送信されたデータを受信することができるようになる。

ソリューションイメージ図

システム基盤の構築にトータルで約3ヶ月

本システムはまだプロトタイプであるが、システム基盤にあたる要素はほぼ完成している。一般的に多く用いられているSQL Serverからデータを抽出してXML変換して、対外向けに送信する仕組みを構築した。すでに稼働しているデータベースとそれぞれの系列局にあるシステムを接続するための経路を用意したことになる。本システムの企画は2000年を過ぎた頃から始まり、業者の選定や調整の後に2000年9月にはほぼプロトタイプが完成した。細かな仕様を満たすためにiConnector for SQL Serverの2.0が必要となり、バージョンアップした製品の出荷待ちの期間が存在したがトータルで約3ヶ月程度の開発プロジェクトだった。本システムではTBSの案を元に三信電気がコンサルを行い、実際の開発はNEC、NECソフトが請け負った。

各系列局はそれぞれ必要なデータを自社の仕様に合わせて取り込む

各系列局がデータを受け取るときは、WWWサーバーまたは配信管理サーバーからデータを受け取る。例えば単純にデータを参照したり多少加工するだけであればWWWサーバーにブラウザからアクセスすればよい。将来的にはデータをブラウザから取り込むためのツールを提供することも検討している。これならばインターネットに接続できるパソコンさえあれば十分であり、受信側に特殊な環境を用意する必要がない。配信管理サーバーを使う場合は、セキュリティを重視したりより高度な機能を利用する場合である。配信管理サーバーからVPN等を経由してセキュリティを高めたり、データの更新を相手側のシステムにプッシュするような仕組みを付加することもできる。ただし高度な機能が利用できると同時に受信側には一定の環境準備やシステムの対応が必要となる。各系列局はそれぞれの必要性に応じてデータを取り込む方法を選択できる。

今後のXMLを使ったネットワークの広がりを確信

本格稼働が開始するまで、今後はインターフェース画面を用意したり、特に提供できるコンテンツの範囲を拡充していく予定だ。つまり従来まで紙で送受信していたデータをできるだけXML化して提供できるように対応していく。今回のXMLを用いた情報配信システムは今後のTBS側のシステム構成変更に有利となり、将来の拡張性に大きく貢献するシステム基盤を整備したといえる。本格稼働した後はデータ提供先を系列局だけではなく、新聞や雑誌などにも広げ、セキュリティ対策や機能拡充を進めていくことも検討している。情報の電子化はいまや企業内を越えて、企業間をXMLで次々と結ぶ時代になった。最近のXML化の流れについて浜谷氏はこう語る。「今後はXMLで企業間を接続することが当たり前になって、全体で大きなつながりになっていくのではないでしょうか」。

 

会社概要

株式会社東京放送
日本全国に28の系列局を持つ、国内最大級のテレビ放送局。競争力を高めるために、2000年4月より製作現場部門を分社化し、より強力なコンテンツ製作集団を目指している。日本初の本格的なニュースの動画配信など、インターネットへの対応も積極的に行っている。2001年には創立50周年を迎える。

所在地 東京都港区赤坂5-3-6
お問い合わせ TEL:03-3746-1111
URL http://www.tbs.co.jp/

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