大日本スクリーン製造株式会社:[iConnector][iMaker]導入事例

XMLとスタイルシートの連携で
大量文書の自動組版を実現

大日本スクリーン製造ロゴ
塩谷 眞人
大日本スクリーン
製造株式会社
ソリューション部
ソリューション一課
担当課長

塩谷 眞人 氏
ページコンプロゴ 高澤 通
株式会社ページコンプ
研究所
取締役

高澤 通 氏

取材時に大日本スクリーン製造株式会社の塩谷氏は、自社製品である「AVANAS BookStudio」とXMLのポイントについて語るとき、繰り返して「可読化」という言葉を使った。XMLが担っているのはまさしく、「可読化」を実現するための役割だ。例えばRDBに格納されているデータをiConnectorでXML化して取り出し、スタイルデータと掛け合わせることで、大量ページの印刷物の作成などを実現する。また、出力するメディアごとにスタイルを作成しておけば、例えばWebページやCD-ROM用マルチメディアコンテンツなど、あらゆるメディアに対して、ワンソースでコンテンツを作成できるのも魅力の一つだ。もちろんワンソースのメリットは、他メディアへの移植時にも、単純な入力ミスが絶対に起こらないということも大きい。「AVANAS BookStudio」の中でXMLは、生産性、再利用性、安全性という3つの役割を果たす、キーアイテムとなっている。

出版業界に押しよせるデジタル化の波

印刷業界の中での、コンテンツのデジタル化という点で塩谷氏は、「印刷業界としては、SGMLから始まったのですが、とてもハードルが高いのが現実でした」と語る。一般的に、出版業界はコンテンツのデジタル化とは対照的な位置にあると思われがちだが、XMLやHTMLの元になったSGMLは、特に政府機関などが絡む印刷物で、すでに使用されていたという。また、医療関係の印刷物は特に、SGML化の要求が高かったと高澤氏は語る。「製薬会社などの扱う印刷物そのものには、重要な数字が入っているために、手動でのデータ入力では間違いが起こるケースがあります。また、改訂も多く入る種類の印刷物のために、ワンソースから様々な形式で書き出す必要がありました。だから、製薬会社は印刷会社にSGMLのデータも作ってくださいと要求するケースもあったんです」

ワンソースで多メディアに書き出す必要性はあったものの、SGMLは「高いハードル」だった。ワンソースから書き出す必要があるのは、もちろん医療関係の印刷物だけではないはずで、例えば高澤氏が指摘するように、「厚生省のホームページなどでは、医療薬品の添付文書などを見ることができます。これは、SGMLのデータベースから取り出して、HTMLへ変換しているのです」と語るように、インターネットへパブリッシュする文書への変換も必要だし、CD-ROMコンテンツや、印刷に必要なPostScript、PDFなど、書き出し先は無限大に広がっている。だから、印刷業界が手軽に扱え、なおかつ汎用性の高いXMLを見出し、有効活用するのは、必然の流れとだったといえるだろう。

XML形式に対応した本格日本語組版ソフト

そうした流れの中で開発されたのが、XMLのインポートに対応した組版ソフトである、AVANAS BookStudioである。制作を担当した株式会社ページコンプ研究所の高澤氏が「Windowsベースの本格的な日本語組版ソフト」と自信を持って語るように、組版機能から作図機能、製版に至るまでこなす、Windowsではスタンダードになりつつある製品だ。プロ仕様の製品に相応しく、スタイルの設定やルールなどを、細部にわたるまで綿密に設定を施すことが可能となっている。また、AVANASシリーズにはページ編集用にAVANAS PageStudio2000、チラシ作成用にAVANAS Leaf、カタログ作成用にはAVANAS Catalogなどがあり、現状ではXMLのインポート機能は装備していないものの、プロユースの組版ソフトとして大好評を得ているという。

XMLを使って大量ページの自動組版を可能に

高澤氏は、BookStudioのXML対応について訊ねると、「プロフェッショナルなクオリティを維持した、単に生産性を上げるだけではない、瞬発力の高い超高速な生産性」という言葉を使った。BookStudioでのXMLインポート機能は、主に同時に読み込んだスタイルデータと掛け合わせることによる、自動組版に威力を発揮する機能だ。AVANASシリーズでBookStudioが担っている役割は、辞書や百科事典などの大量ページ物の組版である。これらのコンテンツの特徴は、容量が多いこと、小説のようにずっとフラットではなく項目毎に構造化(項目見出し、発音記号等)されていること、ニュースのように一時的な記事ではなく蓄積されることが挙げられる。

これはもちろん、XMLのような階層構造を持つデータ形式で得意とするタイプのデータであり、タグ名を参照してスタイルを当てはめていくBookStudioの最も扱いやすいデータ形式の一つだろう。また、塩谷氏が「XMLのインポートを使うことで、ユーザーは改訂のコストを抑えることができる」と語る通り、改訂される可能性が高いコンテンツにとっても、柔軟なXMLのインポートは力を発揮するのである。

>多彩な入出力を可能にするBookStudio XML ワークフロー

「きちんとした組版を効率的に組むための専用タグ付きテキストはあったが、汎用的なXMLなどで記述してある既存のコンテンツを、タグ付きテキストとして取り込むことに重要性を感じていた」と塩谷氏は語る。これを実現するのが、BookStudio XML ワークフローだ。BookStudioには、書式に関する情報がBookタグと呼ばれるXML型式のタグが用意されている。そしてXML文書を処理するには、XSLTスタイルシートを用いる。このXSLTスタイルシートによってBookタグ用DTDに基づくデータに変換され、BookStudioで組版が行われる。

 また現在はBookStudio上で変更された内容をXML/SGMLに書き出して、オリジナルソースにも反映するエクスポート機能を開発中だ。そのため、XML/SGMLとBookStudioの間のデータ変換は将来的に両方向で可能となる。また少々蛇足ではあるが、BookStudioでは数式にはTeXベースの記述も受け入れられる。BookStudioはXMLのパワーだけではなく伝統的なTeX記述処理も組み込まれ、幅広く強力にマークアップ言語を扱えるようになっている。塩谷氏は、「XML化するということは、単に印刷物を効率よく作るのではなく、XMLを使うことによって、様々なメディアに対応できる。要するに、データの再利用性が非常に高まるのです」と言う。BookStudioはXMLを手に入れて、あらゆるメディアへと拡張し続けているのだ。

図:ソリューションイメージ

iConnectorを用いてデータベースからXML/SGML文書を出力

BookStudioに読み込ませることができるXML/SGML文書の生成には様々な方法がある。例えばBookStudioを開発しているページコンプ研究所からXML/SGML変換カスタマイズソフトウエアが提供されていたり、BookStudio用周辺ソフトウェアを扱っている(株)ジーキューブからもMicrosoft WordやExcel、Access用の変換ソフトが用意されている。その他にもデータベースに蓄積されたコンテンツからXML文書を切り出す場合もある。むしろBookStudioなら、このデータベースと連携するパターンが最も一般的と言えるだろう。

そして、インフォテリアのXML製品も当然、力強くBookStudioをバックアップする。「XMLを介してあれば、RDBに格納してあるデータをiConnectorを使用してXML化し、データをインポートできる」と、塩谷氏は期待を込めて力強く語った。iConnectorなら接続可能なデータベースの範囲は幅広くサポートされていて、効率的かつ強力にデータベースに接続するため、XML変換を確実に処理できるようになる。iConnectorはあらゆるデータベースとBookStudio間の連携を可能にするのだ。

XMLのパワーを活かした最強の組版ソフトへ

2001年5月末時点ではBookStudioの最新版はV2.1だ。この最新版ではオプションにてXMLインポート機能とPostScript代理書体機能が追加された。機能面のほかにも処理時間が向上し、パフォーマンス面でも改善が加えられた。現時点ではエクスポート機能とXSLTスタイルシートの自動生成ツールが開発中だ。今後の課題として、ミスの防止などといった校正作業の効率化や、組版結果フィードバックと自動機能拡充、自動組版の機能をサーバーで稼働させることを目標としている。

BookStudioには、もともと大日本スクリーンが出版業務で長年培ったGAやDTPに関する機能が豊富に搭載されている。この豊富で高品質な機能を維持しつつXMLという新しいデータソースに対応することにより、クライアントの多様化する要望に応えられる拡張性を広げている。ただ、新しい技術を手に入れても、彼らが目指しているのは印刷物としての「クオリティ」だ。XMLを導入したBookStudioについて塩谷氏が語ると、言葉の端々にそんなプライドが見え隠れするような気がした。

 

会社概要

大日本スクリーン製造株式会社
半導体機器、電子機器事業からメディアテクノロジー事業、電子部品事業まで、独創的な技術でその活動領域を積極的に広げ続けている。メディアテクノロジー事業では、紙媒体からe媒体への展開を生み出すことで、様々な技術を融合させることにより、より快適なコミニュケーションとさらなるe-businessを創造し続けている。

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株式会社ページコンプ研究所
ソフトウェア及びシステムの、企画・開発・販売・サポート、コンサルティングを行う、大日本スクリーン製造株式会社の100%出資会社。今回取材した「AVANAS BookStudio」では、開発を担当している。現在はSGML/XML化等に関する事業強化を計り、印刷業界に更なる新風を送り込もうとしている。

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