株式会社ヤマタネ
取引先ユーザーからのデータをASTERIAで自動処理
採算性で敬遠していた分野を低コストでシステム連携
自社業務システムと取引先パソコンユーザーとのデータ連携は採算性から自動化に踏み込みにくい領域である。要件としてはさほど複雑ではないものの、インターフェースを構築するにはコストが見合わない。そのため、まだ現場では手作業で対応することも多い。だが、塵も積もれば山となる。倉庫業を営むヤマタネでは、取引先からFAXで届く発注伝票の処理に現場がパンク寸前だった。そこでインターフェースにASTERIAを導入し、低コストで取引先とのデータ送受信を自動化し、正確さと効率性を高めることができた。取引先のユーザーはデータをメール送信したりブラウザから操作するだけでいい。システムの再利用も手軽なことから、導入後も社内からASTERIAに期待する声は高まっている。
取引先のパソコンとの相互接続に苦慮 インターフェース構築は採算が取れない
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| 株式会社ヤマタネ 情報営業部 システムサービスグループ サブリーダー 秋場 貴司 氏 |
「10年前ならEDIの話があると汎用機かオフコンを公衆回線で結んで全銀手順……が常套手段だったのですが、ここ数年は取引先のパソコンと連携する案件が増えてきました」と、ヤマタネの秋場氏は企業間の取引に関する案件の変容ぶりを語る。だが、オフコン(またはその延長で運用しているシステム)とパソコンを接続しようにも、なかなか踏み切れない。問題は採算性にある。インターフェースを構築するにしてもコストが見合わない、特に相手側の投資が得られないことがネックになる。
そこで手軽なデータ交換方法として、表計算ソフトで入力した伝票のファイルを、メールに添付して送信してもらうといった対処が考えられる。これなら手書きよりかは効率的だが、実際に運用するとなると事務担当者はメールを開封、ファイルを加工、業務システムホストへデータを転送するなどの作業を手動で処理する必要がある。手作業が残る限り、ミスというリスクも残り、今後取引先が増えればリスクは増大する懸念もある。
ヤマタネもそうした外部との接点における手作業を改善しようと苦慮していた。それまでパソコンユーザーとの連携は敬遠しがちだったが、そうも言っていられない事態が発生した。飲料系在庫を管理する営業所の倉庫で、食品卸からFAXで送られてくる発注伝票を暫定的に手入力しなくてはならない事情を抱えることになったのだ。毎日、入力とチェックで3人が専任で対応したが、件数も多く運用は困難を極めていた。この手入力は先方とのシステムの都合により暫定的だったものの、現場は悲鳴をあげていた。
その数ヶ月前、ヤマタネは別案件でASTERIAに出会っていた。焼酎を扱う小規模な取引相手を集約する新規の案件を検討していたところ、ソリューション候補としてアグレックスから紹介されたのがASTERIAだった。検討した末に予算的にも了承されていたが、展開で足踏みをしていた。そうこうしている間に先に述べたFAX伝票の手入力で悩む倉庫現場の問題が勃発し、そちらでASTERIA導入が急展開することになった。こうしてシステムが完成する順番に多少番狂わせはあったものの、ヤマタネでは類似した複数の案件にASTERIAを導入した。
取引先パソコンとデータ連携する3機能
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| 株式会社ヤマタネ 情報営業部 システムサービスグループ 主任 黒羽根 利之 氏 |
複数の案件にASTERIAが導入されることになったが、基本的な性質は共通していた。主に自社の業務システムと取引先ユーザーが使うパソコンとの接続を低コストで実現すること、取引先ユーザーはブラウザやメールを使ってデータを送受信することだ。もし専用のインターフェースを構築するとなると、コストがかかり過ぎる。だが、ASTERIAなら異なるプラットフォームや異なるデータ形式間であろうとも、データをつなぐのは得意技だ。「まさにASTERIAを導入するのにベスト・マッチなケースでした」と秋場氏は振り返りそう語る。
ASTERIAを導入したシステム案件が持つ機能は次の3点に絞られる。
- 受信した添付ファイルを自動処理~Excelで入力したファイルをメールで受信して処理する
それまでは、取引先ユーザーは1ページあたり50行にもおよぶ伝票を手書きで入力し、FAXでヤマタネの倉庫へ送信していた。新たに構築したシステムでは取引先ユーザーからのファイルをASTERIAで受信、Excelファイルを読み取り、業務システムのホストへデータを転送、この一連の流れを滞りなく自動化することで人間の介在を不要とした。倉庫側にとっては、1日中3人がかりだった作業が1日1人で数時間程度まで労力を削減することができた。
- ブラウザからの伝票入力~ユーザーはブラウザから実在庫数を確認し伝票入力を行う(ASTERIAは簡易Webサーバーとして稼働する。ユーザー認証は別サーバーで実施)
これも従来は取引先から手書き伝票をFAXで受信していた。倉庫は毎日夕方に実在庫数を取引先にFAXで送付するが複数の取引先が個別に発注するので、営業所倉庫で集計が終了するまで注文したものが在庫切れかどうか不明だった。配送部門は集計がすむまで配車が決められなかった。
導入したシステムでは取引先ユーザーはリアルタイムで在庫数を確認できる。在庫切れかどうかその場で判明し、すぐ次の対処に移ることができる。倉庫側にとっては、発注データが直接ピッキング指示に変換されるので、精度・スピードともに大幅アップに成功した。
- 在庫数をメールでレポート~ブラウザからリクエストがあれば現時点での在庫数をメールでユーザーへ送信する
補足的な機能として実装した。在庫数をブラウザ画面で表示するとユーザーの手元に在庫数レポートが残らないため、リクエストがあればメールで送付することにした。システム的には画面に表示するよりメール送信の方がサーバーに与える負荷が少なくてすむというメリットもある。
これらの3機能により、人間が介在していた作業を大幅に削減、自動化することで正確性や効率を飛躍的に向上させることができた。秋場氏は「動いているリアルタイムの情報を扱えるようになり、双方にとって次の行動への迅速化にもつながった」と評価している。
GUIで設計ができるASTERIA Designer
システム開発を担当した黒羽根氏はASTERIA Designerを扱うのに技術的な壁は全く感じなかったという。むしろプログラミング経験のある黒羽根氏にとって、ASTERIA DesignerのGUI環境は従来のプログラミングのイメージとは違うので最初はとっつきにくい印象があったそうだ。だが「アイコンの意味に慣れれば、こっちのほうがいいです」と黒羽根氏。1行ごとに綿密なコードを書く開発手法にこだわりがなければ、ASTERIA Designerは手軽で快適なツールになる。秋場氏も「簡単にすめばそれに越したことはありません」と、システム開発効率という実利を優先する考えだ。
システムの開発は全体で1ヶ月半、ASTERIAの開発部分は1日程度で済むほど簡単だった。同じ機能をJavaのプログラミングやツールを駆使すれば可能ではあるが「そのためには、サーバーのグレードを上げたりコストがかかります。全体で考えればASTERIAにインターフェースを丸投げする方が安く上がります」と秋場氏は断言する。
低コストだからこそ無理なく利用できる
ASTERIAの優位性には低コストがあるが、そのメリットは「安上がり」だけではなく機能を無理なく利用できるという構築側のメリットもある。「例えば1000万規模のシステムを採用するとなると、投資の元を取るような使い方をしなくてはなりません。いっぽうASTERIAは低コストで再利用性が高いので稟議の敷居も低く、無理に使い倒す必要がありません。実際に私たちはまだASTERIAの機能の一部しか使っていませんが、そういう使い方が許されるのもこのコストゆえです」と秋場氏は語る。
初期コストに加えてASTERIAは再利用によるコスト効果も見逃せない。導入した3機能を再利用すれば他案件にも手軽に導入できることが社内稟議で有利に働いた。「もし技術力的な敷居が高い新機能が必要となれば、アグレックスに相談します。それ以降は自社で再利用します」と秋場氏は笑う。
システム導入以来、ヤマタネでは社内からASTERIAの問い合わせが増えているという。特にこれまで投資対効果でシステム化に踏み込めなかった案件への導入が期待されている。ヤマタネでは「手軽につなぐ」というASTERIAの長所を巧みに活かし、低コストで業務の効率化に成功した。
※この内容は2004年7月時点のものです
会社概要
株式会社ヤマタネ
大正13年に回米問屋として創業。以来、コメ卸売販売の食品事業、長年培ったノウハウを活かした物流事業、さらに倉庫業から得た物流のノウハウをIT化する情報事業を中心に質の高いサービスを提供している。
| 所在地 | 東京都江東区越中島1丁目2番21号 |
|---|---|
| URL | http://www.yamatane.co.jp/ |




