平野 洋一郎

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2010年04月01日

XMLコンソーシアム終了、10年の歴史に幕、その先

 エイプリルフールの日に新しい情報を出すと、「本当か?」と一瞬疑われることも多いですね。「XMLコンソーシアムの活動終了」のプレスリリース(PDF)も、正確には3月31日が期末なので、今日「終了しました」と出してもおかしくはなかったのですが、まさにエイプリルフールを疑われかねない情報になってしまいます(笑)。

 と言うわけで、3月26日に発表したXMLコンソーシアムの終了ですが、2000年の設立から10年、まだ活発に活動を行っている中、惜しまれながらも幕を閉じることになりました。XMLも誕生から12年、少なくともソフトウェアやシステム開発の現場においてXMLを知らない人はいない状況となりました。XMLコンソーシアムの活動は、社会全体から見ればその一部でしかありませんが、それでも、10年の活動では数多くの成果を残すことができたと思いますし、私がこれまでに所属した数多くの企業団体の中でも飛び抜けて活発に活動できた団体だと思います。これも、これまでに関与していただいた全ての方のおかげです。あらためて深く御礼を申し上げます。

 XMLコンソーシアムの初期(本格活動開始時の記事)は、まだXMLそのものの勧告から日が浅く、XMLそのものの認知度向上や技術解説などが活動の中心でした。私たちインフォテリアも日本で最初のXML専業会社として、XML技術者教育を立ち上げるなど、XMLの普及そのものに尽力していた時期です。翌年のエイプリルフールでは、XMLネタをプレスリリースしたりもしました。そして、企業スローガン(例えば、日立の「Inspire the Next」とか、東芝の「Leading Innovation」のようなもの)として「XML, the pulse of business」(意訳:XMLはビジネスの血液)というフレーズを考えたのですが、「わかりにくい」「言い過ぎ」ということであえなくボツ(笑)

 しかし10年を経て、経営や社会システムが、これだけIT抜きに機能できなくなってくると、その「データ」が、ビジネスの血液であり、社会の血液であるという比喩も現実のものとなってきます。そして、XMLがデータをシステムや企業から独立させ、特定のところに溜まることなく広く流通させ、データという血液をサラサラにしていくということも多くの人がイメージできるでしょう。それこそ、「XML, the pulse of social system」となるのです。

 社会基盤へのXMLの貢献についてイメージしにくいと思う人がいるかもしれませんので、数あるXMLコンソーシアムの活動の中から一例を挙げてみましょう。例えば、気象庁の防災情報XML(気象情報、地震情報、津波情報などを含む)です。それまでは、特殊なフォーマットで、一部の業者だけに配信していた情報が、誰でも入手して利用できるようになります。XML化によって、データが社会の一部に滞留することなく、システムにも依存せず、データ提供者の想定すら超えて、社会野隅々まで行き渡って活用することができるようになります。

 21世紀は、大きな組織だけが大きな事をできる時代では無くなります。小さな個がその専門性を活かし必要に応じてつながり合って、世界的な規模のことをできる時代になります。XMLコンソーシアムの終了にあたり、XMLがそのような社会を支える、目には見えないけれども脈々と流れる、サラサラ血液として活躍することを夢見て、次のステップに進みます。

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