平野 洋一郎

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2010年01月28日

クラウドの夜明けの一幕に見るもう一人の坂本龍馬

「決められたことだけやってて楽しいですか?」
「自分で新しいことやりたくないですか?」

 東急ハンズIT物流企画部部長の長谷川秀樹さんは、会場に向かって檄を飛ばします。去る1月19日に東京ミッドタウンの富士ゼロックス本社で行われた、MIJS (Made In Japan Software consortium)セミナーでのパネルディスカッションの一幕です。

 東急ハンズは、他社に先んじてGoogle Appsを導入した企業として注目を浴びている企業で、長谷川さんはその仕掛け人です。

 MIJSメンバー企業では、クラウド対応のソフトウェアを開発していますが、サービス選定以前にクラウドやSaaSそのものへの理解がまだまだ進んでいないのが現状です。そこで、先行ユーザーである、長谷川さんにざっくばらんに御意見をお聞きすることで、国産ベンダーそして、ユーザー企業に参考になればと思いセミナーにお誘いしました。

 私もパネラーの一人として参加し、長谷川さんの「ざっくばらんな意見」はベンダーへの厳しい注文が多いかと覚悟していたのですが、実際にはユーザー企業へのメッセージが多く含まれていました。以下、長谷川語録です。

  • 他社の方で『SaaSの話を聞きたい』といらっしゃる時に『ダメな理由』を聞きに来ているのでないかと感じることがあります(笑)。
  • 聞かれるのは『どうやって役員を説得しましたか?』。『説得』というところに、何か隠さなければという気持ちが感じられる。本当に良いと思うのであれば『提案』するだけではないでしょうか。
  • 『Googleのセキュリティと御社のセキュリティを比べて御社の方が本当に高いんですか?』と聞きたくなります。
  • よくデータの在処を問題にしていますが、インターネットメールを使い始めた時点で既にアウトなんじゃないですか?なぜSaaSのデータだけ問題にするんですか?
  • 『クラウド/SaaSにしてIT部門が責任とれるのか?』というが、これまで実際問題が起きたときにどう責任をとっているのでしょうか?損失を補填しているのでしょうか?社長に謝っているだけじゃないですか?(笑)

 パネルディスカッションを通じて、長谷川さんが、会社のことを考え、自分の思いを込め、熱意を持って役員や関係部署に説明し、Google Appsの導入を実現したことがよく分かりました。また、理詰めだけで押し通したのではなく、IT部門内、関係部署の人と連日連夜飲みに行って、いま変わらなければならないと、クラウド化することのメリットを説いていったそうです。

 いま、時代は変化を必要としています。日本は変化を必要としています。変化なくして復活無し。それなのに、私たちの周りには、変化しない理由を求め、変化を良しとしないルールを作り、変化しないことを評価することが蔓延していないでしょうか?

 巷では「龍馬伝」が話題です。日本を変えようとした幕末。いままた日本は、幕末と同じくらい「変わらないと次にいけない」ところまで来ているのではないでしょうか?坂本龍馬でなくても、自分の周りは変えられます。一人一人が、今までと違う一歩を踏み出すことができます。長谷川さんの熱い指摘と実行力に、あらためて「意志によって変えられる」ことを実感したセミナーでした。


p.s.
MIJSでは新しいIT時代を探るセミナーを続々開催しています。
次回は2月19日(金)。登録はお早めに。詳細は、こちらです。

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