
@warp2ndGiGのプレゼンテーションステージでは、@WARPプロダクトを提供する出展各社から先進的な事例が数多く紹介されました。ここでは各社によるプレゼンテーションの模様を中心にお伝えします。
まず各社によるプレゼンテーションに先立ち、インフォテリア株式会社が「ASTERIA WARP」の概要について説明しました。
ASTERIA WARPは、社内外に散在するさまざまなシステムをノンコーディングで容易につなげるデータ連携ミドルウェアです。SOA時代に最適なソリューションとして注目を浴びていますが、ASTERIA WARPとの関係は一体どのようになっているのでしょうか? この点について、以下の油野のスペシャルセッションで解説されました。
インフォテリア株式会社:油野達也(執行役員/エンタープライズ事業部長)
@warp2ndGiGのスペシャルセッションでは、弊社の油野達也が登壇し、「SOA@WARP~今そこにあるSOA~」をテーマに、SOAと@WARPの関係を説明しました。インフォテリアは今回の展示で主力製品の「ASTERIA WARP」をドメインに、スムーズなデータ交換を実現するパッケージソフトウェアの集合体として「@WARP」を紹介しました。
「SOA」というキーワードがIT業界で叫ばれていますが、いまだSOAの代表的なユーザー企業が登場していないのが実情です。パッケージソフトウェアを導入し、いざデータ連携をしようしても実際につながらないことが多いため、弊社はパッケージベンダーの垣根を超え、"つながるはず"から"つながる"へをテーマにデータ連携に取り組んできました。@WARP加盟ベンダーは現在47社ほど、加盟プロダクトも54製品に上ります。2年連続トップの実績をもつASTERIA WARPがデータ連携の仲立ちをすることで、本当に安心して使用できる製品が増えたのです。
では、なぜSOAと@WARPが関係するのでしょう? SOAはサービスを連携することであり、そのサービスはビジネスプロセス単位で提供されます。油野は「各サービスはパッケージソフトウェアで実現するもので、それを連携させるためには、データの連携が必須になります。そこで、しっかりデータを連携させることが、SOAの第一歩になるのです」と説明しました。
次に油野は、具体的にSOAを実現するために越えなければならない4つの壁があると指摘しました。まず「誰が?」という問題です。SOAは独立したサービスに横串を通すことになるため、本来は企業の経営企画室やIT部門が行うべきもの。「しかし、すべてのサービスを担当者が網羅的に理解することは難しいため、連携のプロであるASTERIAパートナーがお手伝いします」とアピールしました。
次に「何を?」という点で問題解決するために中心になるのが、@WARP製品とASTERIAです。そして「どこから?」という問いには、現在使用しているシステムのデータ連携から始め、それらを1対1で整合性が取れるようにすることから、と答えました。さらに、その際に「いくら?」という対費用効果が重要と説き、「ASTERIAならば必要最低限のコストで導入できる」と強調しました。
最後にまとめとして、油野は「とにかくデータ連携から始めなければ、SOAはスタートしません。ASTERIAの大きなメリットは、パッケージを標準化せず、個性を生かながらデータを連携できる点。ASTERIAを橋渡しに@WARP製品が1つのハーモニーを奏でる。それが本イベントのGiGという言葉に込められています」と語り、セッションを締めくくりました。
同社は、流通分野において既存業務システムや取引先の連携をスムーズに実現できるソリュ-ションについて紹介しました。セミナーでは、まず流通業界に対するEDIの課題について触れ、課題解決のために流通業界で「流通BMS」が標準化されたことを説明。これは、単にインフラ部や通信プロトコルを標準化するだけでなく、EDIのメッセージ形式や送受信ルールまで定めて運用するものです。このような業界動向を踏まえ、同社はあらゆる分野で適用できるデータ交換ミドルウェア「JFT/Server」について解説しました。
JFT/Serverは、システムに要求される信頼性と耐障害性があり、企業内部では基幹系、ERP、販売管理システムなど、一方で企業外部では工場・物流センター、金融機関、取引先、店舗などを含めた分野で安全かつ確実に連携できる製品です。24時間365日無人化運転、充実した対外接続性(全銀TCP/IP、全銀ベーシック、JCA、FTP/FTPS、HTTP/HTTPSなど)、運用負荷を低減するデータ交換機能などの特徴を説明しました。
さらに@WARP製品として、EAI機能とフロー実行エンジンを搭載したEDIパッケージ「JFT/server WARP」について触れました。外部システム連携はJFT/Serverが、そして内部システム連携はASTERIA WARPが担うことで、それぞれの得意分野を活かした強力な接続が可能になり、企業システム間や情報システムの統合を効率よく実現できる点を強調しました。ASTERIA WARPを採用することで、可視化されたGUI画面でコンポーネントを接続するだけで、データ連携の構築が簡単に行えるようになった点も特徴として挙げました。
まとめとして「現状EDIの課題を解消し、将来的に流通BMSへの対応も視野に入れつつ、既存業務システムとの連携や取引先との通信連携をスムーズに行える統合的なシステム構築がポイントになる」と述べ、その現実解として「JFT/server WARP」が必ずお客様の役に立てることをアピールしました。
同社は、「トリリアムとASTERIA連携事例」をテーマに、プレゼンテーションを行ないました。まずデータベースなどに蓄積されたデータを統合する際に、インフォテリアのASTERIAによって、企業内システムを連携させてデータを取り出すことになります。しかし、業務システム単位で顧客情報などを保有していると、データ統合の際に表記の不統一が生じ、同一データを特定できないという問題が出ます。そこで同社はデータ統合の前準備として、同じ意味のデータ表記を統一し、データ品質を高めるデータクレンジングツール「トリリアム」を開発しました。
同社は、顧客マスターのデータを例にデモを実施し、トリリアムの特徴について説明しました。具体的にはDB2とExcelのデータをASTERIA WARPで取り出し、Oracleのデータベースとして統合するものです。この際、バックで動くトリリアムに搭載された参照用辞書によって、バラバラの表記を統一しながら、名寄せ作業を行っていきます。まず表記統一については、社名や人物名の漢字かな変換だけでなく、古い地名の住所を新しく更新したり、都道府県の欠落を修正したり、電話番号でハイフンを取ったり、西暦/和暦の変換などを行うことで、データ品質を高められます。そして最終的に名寄せをする際に、データを比較しやすい形にしておきます。名寄せについては、同一の人物、世帯、取引先といった観点からまとめられます。「業務条件に応じ、名寄せレベルの基準を設定できる点が、大きな特徴である」と強調しました。
最後に、ASTERIAとトリリアムの組み合わせによって、効率のよい開発統合を実現できることをアピールしました。またデモのように異種データベース統合だけでなく、同種データベースにおいて、マスターデータを管理することも重要です。このトリリアムは、インフォテリアの「ASTERIA MDM One DQ」サービスで、コアテクノロジーとしても利用されているそうです。
同社は、ASTERIA WARPに付加価値を与えるアダプタやソリューションなどを紹介しました。まず帳票作成ソリューションについて説明がありました。ASTERIAでデータソースからデータを抽出し、フォーディーネットワークスの帳票印刷システム「4D Print」で設計した帳票にデータを流し込んで出力するものです。特徴としてプログラムレスの帳票作成、簡単な帳票フロー設計、プリンター・PDF・FAX・メールなど多彩な自動帳票出力、単票/複票フォームへの対応を挙げました。
次に同社独自の「ASTERIA Salesforceアダプタ」について解説しました。このアダプタを介すると、Saleforce.comの商談データを定期的に取得し、社内のNotesで公開したり、逆に社内RDBの顧客データをSaleforce.com側に一括で流し込んで差分更新を完全に自動化できます。またSAP基幹システムの販売実績データをASTERIAとSaleforce.comアダプタで取得し、Saleforce側にフォーキャストすると同時に、最新実績をダッシュボードで確認できる連携事例も紹介しました。SaaSによる連携のため、トラブルがないよう何度もリトライできる工夫を凝らしたそうです。
「ASTERIA FAXアダプタ」については、基幹システムからFAXやメールを自動配信し、運用コストを大幅に削減できる点をアピールしました。アダプタを利用してASTERIA側でFAX送信処理を行うと、同社から相手先のFAXにダイヤル出力する仕組みです。本サービスはFAX送信回数に応じた完全従量制です。このほかに、ASTERIAを利用した経営コックピットソリューションについても触れました。ASTERIAによって各種データベースやExcel、CSVファイル、XMLファイルからデータを取り出し、「MyB3Smart III」と呼ばれるダッシュボード構築ツールで、さまざまなビジネス情報を可視化するものです。経営を強力に支援できる点を強調していました。
同社は、キリンビールの最新事例を説明しました。キリンビールは、日夜厳しい品質チェックの取り組みを行い、商品の正確な栄養成分を表示したり、原産地や収穫時期などで変化する原材料を分析し、常に最高品質を保つ努力をしています。ここで活躍するシステムが「PLANET」と呼ばれるもの。まず同社は本システムについて説明しました。
PLANETは「Lab-Aid」という分析業務パッケージソフトウェアをコアに、分析機器の結果を収集し、データを一元管理するシステムです。そして、このシステムの導入と同時に、社内各部門や社外サプライヤーとの情報共有や、システム間自動連携などの環境整備も進めたそうです。キリンビールは、社内外の業務拡張にともなって業務効率の低下を招いていました。そこでデータの電子化と一元管理を徹底し、システムのオープン化や連携を強化。業務フローも見直し、整理・統合を推進しました。この際に横河ソリューションズが提案したのが、Web機能の実装をサポートする「eMethod」によるカスタムシステムと、ASTERIAでのシステム間の自動連携でした。
eMethodは、パッケージとスクラッチ開発のメリットを「いいとこ取り」したSIソリューションで、パッケージだけでは要件を満たせない課題にジャストフィットします。品質面や納期面では、スクラッチ開発より優れているという特徴があります。eMethodにはフレームワークがあり、モジュール化された機能を柔軟に組み合わせ、複雑な要件に対応できるのです。またプロジェクトのライフサイクルすべてに対して標準タスクを定義し、人に依存しない高品質で均質な成果物を提供できるメリットがある点も示しました。
このようにeMethodでIT基盤を支えながら、さらにEAIツール・ASTERIAによって各種システムを接続することで、キリンビールの分析業務のすべての情報をリアルタイムに回していくことが可能になったそうです。
同社は、新しいニーズに応えるプロセスフローツールについてプレゼンテーションを実施しました。同社はWebサイトのデータを引用し、現在求められるワークフローの実態を示しました。ワークフローを導入したあとでリプレイスを考える企業は、100人以下の企業で約5割、100人から1000人未満の企業で約4割、1000人以上で3割ほどあります。この原因として、小企業ではパッケージソフトウェアを導入しているケースが多く、ニーズの変化で利用できなくなったこと、大企業ではワークフロー構築ツールを導入しても、開発工数や手間が掛かり、結果としてリプレイスを望む声が高いことを指摘しました。
また、ワークフローシステムの導入を考えている企業は、新しいニーズを求めていることも明らかになりました。かつてワークフローは経費、経理、勤怠申請などに利用されましたが、いまや営業稟議や案件管理など、業務プロセス全般を満たすニーズが高まっています。この結果から同社では「ワークフローシステムはアプリケーションではなく、モノとモノをつなぐ際に、誰が何を承認したかというログを残すミドルウェアにならなければ使えない」というポイントを導き出しました。では新しいニーズに応えるツールとは、一体どのようなものでしょう? 従来のワークフローでは「相談」「確認」というプロセスはありませんでした。また1つの業務だけでなく、業務の積み重ねが結果的にプロジェクトになるはずなのに、業務と業務を結ぶプロセスもカバーされていません。
そこで同社は、ワークフローではなく、プロセスフローにより開発できる「Web Plant」を提案しました。このWeb Plantの大きな特徴として、業務領域ごとに分類される管理・開発環境、GUIとノンプログラミング環境を採用した業務デザイン機能、条件分岐・並列分岐処理のグラフィカル表示、バージョン管理の自動化や新旧バージョンごとの並行運用、決済済みデータの再利用やデータ連携機能などが挙げられます。さらに、各種基幹システムとのシームレスな連携を実現するASTERIA WARPによってシステム間をつなぎ、メンテナンスフリーでの運用を実現できるようになった点もアピールしました。
同社は、「導入事例から見るSCSの@WARPソリューション」として、ASTERIAとの連携を保証する3つの@WARP製品を紹介しました。まず1つ目の製品は、自社開発製で、3500社の実績がある統合型ERPパッケージ「ProActive E2」です。停止できない基幹システムとの連携で、ProActive E2とASTERIA WARPを採用する、近鉄不動産のような事例が多くなっているそうです。ASTERIAの導入効果としては、スクラッチ開発よりも開発工数を削減できる、システム間のデータ連携が容易になる、柔軟性と拡張性を考慮した連携基盤を実現できるという点を挙げました。
続いて2つ目の製品は「eMplex CRM」です。これは、マーケティングのすべてをワンストップで提供する国内唯一の統合型CRPパッケージ。プレゼンでは、ECサイトと物流業者の連携ソリューション事例を紹介しました。eMplex CRMのテンプレートを用いれば、ECサイトを迅速に立ち上げられますが、その際に物流業者との連携をスクラッチで開発すると工数が掛かります。そこでASTERIA WARPによってデータ連携を行って、約1.5ヶ月の超短期間でシステムを構築しました。
3つ目の製品は、リッチクライアント言語「Curl」です。Curlを採用すると、AJAXなどでリッチクライアントを構築するより処理が100倍も速くなる結果が出たそうです。そして、既存システム間にASTERIAを導入すれば、各種コネクタに応じて、Notesや経費清算、人事給与などの各種システムとのSOA連携が容易になります。既存システムのデータを一元的に収集してWebで表示し、経営ダッシュボード的に利用できる事例も示しました。
本セッションの締めくくりは、弊社インフォテリアが、マスターデータ管理(MDM)の最適解について解説しました。現在、企業内にパッケージシステムが乱立しており、マスターデータを個別に管理しているという問題があります。データの多重入力が起きたり、データ同期タイミングのズレから情報レベルが不統一になり、結果として業務効率が低下し、ビジネスチャンスの損失につながる恐れも出ています。また最近では内部統制面からもマスターデータの統一が叫ばれ、MDMがクローズップされています。弊社は、この問題を解決する「ASTERIA MDM Oneシリーズ」について紹介しました。
MDMの概念には、データの統制をとる「Data Governance」とデータ品質を高める「Data Quality」があります。これをさらにソリューション層で分けると、データのクレンジングや名寄せをして、マスターデータの整合性を高める「Information Quality」、複数システムのマスターデータ品質を統一し、データを連携させる「Master Hub」、統合化されたマスターに対してメンテナンスを実施する「Master Maintenace」の3レイヤーがあります。弊社は、これらのレイヤー層すべてに対応する製品を揃えています。
Information Quality層では「ASTERIA MDM One DQ」を、Master Hub層では「ASTERIA MDM One MH」を出荷済みです。また、Master Maintenace層に対しては「ASTERIA MDM One MI」と「ASTERIA MDM One GT」を2008年12月に出荷する予定で、マスターデータの川上から川下までのトータルラインナップがあります。これらを利用することで、本来あるべきMDMシステムを構成できる点を説明しました。
MDMの実現には、MIによってマスターデータのマスターメンテナンス環境を用意します。これにより全マスターの情報を管理するシステムを構築できます。次にMIで生成されたデータをMHで受け取り、他マスターを管理しているシステムに配信することで、マスター情報のレベル統一が図れます。さらにデータ整合性を高める部分はDQがサポートすることになります。最後にASTERIA MDM Oneシリーズの導入によって、内部統制対応、既存システムの再生化、システム投資や運用コストの削減を享受できるメリットなどを示し、プレゼンテーションを終えました。