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ITの視点を超え、経営視点で「マスターデータマネジメント(MDM)」に取り組む株式会社プラザクリエイト(以下、プラザクリエイト)。現在は情報システム部門の効率化にフォーカスしてMDMを推進しているが、将来的にはMDMをきっかけにした全社的な業務改革まで見据えている。
MDMは投資対効果を測りにくいと言われる。そんななか、いかにして経営層にまでMDMの必要性を訴求したのか。目に見える成果を出すために、どのような工夫を凝らしているのか。プラザクリエイトの戦略を紹介する。

ITプロジェクトの中でもマスターデータマネジメント(MDM)は投資対効果を測定しにくいとされる分野の1つである。BI(ビジネスインテリジェンス)やSFA(セールスフォースオートメーション)、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)などと違って、経営や日常業務への貢献度も示しづらい。そのため、効率よくマスターデータを管理する仕組みの必要性を感じながらも、MDM単独のプロジェクトとして必要な予算を獲得することが難しいために、多くの企業で後回しになってしまう傾向が少なからずある。
以前であれば、基幹系システムや情報システムの刷新や大規模な改修をする際にマスターデータの整備を含めた予算を組むといった手もあり得ただろう。だが、多くの人材とコストを投じるような大規模プロジェクトそのものを組みにくくなった最近では、それも簡単ではない。
2010年2月にインフォテリアの「ASTERIA MDM Oneシリーズ」を採用してMDMを本格化させたプラザクリエイトの情報システム部門は、MDMの必要性をいかにして経営層に訴えて理解を得たのか。興味深いのは、なにも奇策や秘策を練ったわけではない点である。むしろ、現状の課題と将来的に考えられるリスクを正確に把握して、シンプルに「正面突破」したという印象が強い。

正面突破の際にプラザクリエイトが用いたキーワードは2つ。1つは「パッケージ化」、2つめは「人的資源の有効配置」である。たった2つの分かりやすい言葉が経営層の理解を得るキーワードとなった。

まずは1つめのキーワード「パッケージ化」について具体的にみていこう。プラザクリエイトの情報システム部門では、システムの維持管理の負担が大きくなり、新しいITサービスの開発や展開をやりにくい状態だった。買収によって事業規模を拡大する過程でシステム数や規模も大きくなっていったためである。マスターデータの数だけをみても「概算で160個」(同社)あり、システムの維持管理に時間を取られる原因の1つになっていた。
そうした現状を踏まえ、プラザクリエイトの情報システム部門はシステム維持管理の足かせになっているマスターデータの管理を「パッケージ化」する、と経営層に提案した。結論からいえば、この言葉は効果的に経営層に伝わり、プロジェクト完了後の業務の様子を説明するまでもなく、経営層が自然と想像するのにつながった。
プラザクリエイトの情報システム部門の責任者は「パッケージ化という言葉にはオートメーション的なイメージがある」という。そのため、日ごろから全社を俯瞰してオペレーションの課題を考え、効率化の方向性を模索している経営陣にはダイレクトに伝わりやすい。経営陣は「システムを導入すれば、これだけの作業工数を節約できそうだな」と、自らの経験に基づいて電卓をたたく。当然だが、「ITの観点でみると簡単に自動化できるほどMDMは単純ではない」(同社)。複数のシステムに散在しているマスターデータを洗い出して重複を調べたり、設計しなおしたりと時間や手間がかかるためである。その意味では「パッケージ化」という言葉はMDMの作業を経営陣に正確に伝えきれない側面が残る。ただ、それでも「(導入の狙いと最終的な効果を明確にするのに十分な印象を残すだけの)魔力がパッケージ化という言葉にはあった」(同社)。
プラザクリエイトの発展の経緯が、情報システム部門の提案を後押ししたこともある。同社は大型案件を含むM&Aを重ねて事業規模を拡大してきており、維持管理の対象となるシステムも次々と増えていった。そうした状況がシステムの課題を大きくすることと、いずれ整理しなければならないことを認識していた経営陣に、「パッケージ化によってシステムを整理したいという情報システム部門の考えはすんなりと伝わった」(同社)。

2つめのキーワード「人的資源の有効配置」は、前述した「パッケージ化」で得られる成果のなかでも、特に経営へのインパクトが強いものの1つ。プラザクリエイトの情報システム部門は、その成果を具体的に経営陣に示した。
同社では、20~30人が何らかの形でマスターデータの管理に携わっていた。そこでプラザクリエイトの情報システム部門は、最終的には5~6人でマスターデータの管理を可能にし、直接的に利益を生み出さない作業から利益に貢献する作業に人的資源を再配置できるようにするといった趣旨の提案をした。
マスターデータの管理に20~30人が携わっているという事実に驚くかもしれないが、決して珍しいことではない。というもの、マスターデータは情報システム部門以上に、業務部門の担当者が多く関与しているからだ。「マスターデータ管理というと少し大げさかもしれないが、普段の業務の流れをつぶさに見ていけば、20~30人はMDMに関連する作業にかかわっていることが分かる」(同社)。
例えば、A店舗からB店舗に機材を移動して、B店舗で新サービスを始めるときを考えると分かりやすい。このケースでは資産台帳(資産のマスター)に登録してある当該機材の情報をA店舗からB店舗に変更する。さらにA店舗とB店舗のサービス内容を紹介するWebサイトの情報を(店舗のマスター)を更新する。商品/サービス別の販売状況を把握できるようにするため、それぞれの店舗のサービス内容(商品/サービスのマスター)を直し、機材の定期保守を滞りなく実施するのにA店舗からB店舗に移動した機材のメンテナンス状況(保守に関する資材のマスター)も修正する。

システムで管理する領域が増えているため、このように1つの作業だけを考えても多くのマスターデータの変更を伴う。しかも、マスターデータが統合されていなければ、同じようなデータを繰り返し変更する必要が生じる結果、多くの人材が何らかの形でマスターデータの管理に携わることになる。
プラザクリエイトの情報システム部門はそうした現状を整理して、データ入力の俗人化を解消できることを説明した。さらに、単に効率化の規模を人数で示すだけにとどまらず、特定の人の名前を出して「この人が戦略的な作業に従事できるように時間を作ってあげたい」という意向も提案に含めた。
一般に社内でMDMの提案をするのは難しいと考える企業は多いようだ。しかし、プラザクリエイトの情報システム部門は「人的資源の有効配置を考慮して、何度も同じデータを入力しなくて済むようになるといえるMDMの提案は、むしろやりやすい」という。

最後に、プラザクリエイトのMDMの進め方について触れておきたい。段階的にマスターデータ統合を推進しようと考えている企業には参考になるだろう。
「段階的に」や「できるところから」となると、規模や影響範囲が小さく簡単な分野から着手したいところだが、プラザクリエイトは違う。同社は現在、店舗マスターや商品マスターなど関連業務やシステムが多い分野からマスターデータ統合を手掛けている。「通常業務と並行してマスターデータ統合を進める必要があるので負荷はかなり大きくなる。しかし、その分早い段階から目に見える成果を出しやすい」というのが理由だ。
そもそもMDMを上手に実践することが最終的なゴールではない。現在の課題と将来的に間違いなく直面するだろうリスクを回避するのが目的だ。であれば、大きな成果を得やすい分野から着手するのは極めて自然な流れである。
もちろん、現時点では情報システム部門の効率化にフォーカスしてMDMの仕組みを整えているのは事実。だが、「将来的にはMDMによる成果を見せながら業務改革の機運を高め、全社的なプロジェクトに発展させていきたい」(同社)と考えている。
株式会社エイチ・アイ・エス様

段階的なマスターデータ基盤の構築を
ASTERIA MDM Oneで実現!
データガバナンスの強化を視野に入れ、将来を担うデータスチュワードの育成にも着手
[ASTERIA MDM One]
[情報通信]
[マスターデータ管理(MDM)]
プラザクリエイト様

経営を支えるマスター統合基盤
前編:MDMはITに閉じた話ではない、経営プラットフォームそのもの
後編:MDMの重要性を経営陣にダイレクトに伝える2つのキーワード
[ASTERIA MDM One]
[卸売業]
[マスターデータ管理(MDM)]
味の素ゼネラルフーヅ様
ディーコープ株式会社様

「ASTERIA MDM One MH」により、
継続的なコスト削減を実現する統合マスター基盤の確立へ
国内最大級のビジネスマッチングサービスの開発工数を60%削減し、実質2ヶ月でシステムを完成
[ASTERIA MDM One]
[情報通信]
[マスターデータ管理(MDM)][自動見積]
[Notes/Domino][Salesforce.com]















