
IT投資を抑制する動きがある中、マスターデータ管理(MDM)という効果がダイレクトに見えにくそうな分野に取り組まれているのはなぜですか。
最大の理由は、安価なMDM向けのソフトが出てきたからです。外資系の大手メーカーのソフトの価格と異なり、試せる価格の製品がでてきたからです。
大型テレビも100万円ではなく、数十万円まで値段が下がってくると買ってみようとなる。それと同じで、MDMもやってみようと感じる価格帯の製品が出てきたということです。
トライアルできる価格帯というのは案外重要ですよ。それに、一度登録したマスターデータを他のシステムにきちんと同期させていければ、当初のデータ登録に要する労力やソフトへの投資に見合った効果は出せると思います。
とはいえ、MDMに関しては先送りにする企業も少なくないと思います。どうして御社は、このタイミングで踏み出せたのですか。
MDMは前々から検討していました。極端な話ですが、いずれシステムを自社開発しなくなれば、色々なシステムを組み合わせて利用することになる。そのときに肝心なのはマスターデータです。SOAのようなシステムの設計思想も出てきており、当社としてのシステムの基盤、すなわちMDMの仕組みを整えなければならないと考えました。
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それで、「ではMDMをやろう」となったとすると、少し素直すぎる感じがします。情報システム部門の現場からは「面倒なことになった」という声が出てきそうなものですが。 面倒だと考えるのは、ERPのような密結合のシステムにおける発想だと思いますよ。各種マスターデータを一気に整備しなければならないという考え方。 |

疎結合のMDM…ちょっとイメージが浮かばないのですが。
M&Aなどによって事業の再編があるかもしれないし、業務の一部をアウトソーシングするかもしれない。システムの利用形態だって社内だけでなく、グループ内や外部のサービスを使うなど変わってくる。そうなれば、最初からマスターデータを統合するのは現実的に考えて難しい。かといって、商品などを識別できなければ業務が回らないので、柔軟につないでいくのです。
今回、インフォテリアの「ASTERIA MDM One MH」を採用したと聞いていますが、疎結合のMDMに合っていた?
各種システムのマスターデータをつなぎながら整合性を保つという使い方に適していました。
ASTERIA MDM Oneのことは以前から知っていたのですか。
当初はEAIツールを駆使して疎結合のMDMを実現しようと考えていたので、インフォテリアのEAIツール「ASTERIA WARP」については調べてました。
その後、MDM Oneが発表されたわけですね。安価だったとしても、実績がほとんどない段階で新製品を採用することに心配もあったはずです。 当社が描いていたMDMの仕組みは明確でした。それを実現する機能を備えていれば、実績については特に心配しません。 要望に対してインフォテリアの反応は早かった? |
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そうですね。何しろ初モノは、ユーザーとベンダーが一緒に作っていけるのが良いところ。お互いにメリットがありますから、インフォテリアさんもユーザーニーズを積極的に製品に反映してくれたと思います。

現在進行中のMDMのプロジェクトについてお聞かせください。スタートしたのは?
2007年11月です。勘定、取引先、ID、製商品、ロケーションの大きく5種類のマスターデータが対象です。このうち勘定マスターは会計システムを再構築するタイミングで完了。その後、お取引先とIDの整備を始めて、今年4月に完成しました。現在は製商品マスターを設計しているところです。
IDというのは、従業員マスターのことですか?
そうです。働き方が多様化しているので、正確には従業員という定義ではなくなっていますが。
最後に挙げられたロケーションは、産地や出荷先などさまざまな概念があります。御社が指すロケーションとは。
それが難しいところなのですよ。例えば、スーパーの棚の何段目の右から何番目に商品を置くとか、仕入れた原材料を倉庫内のどこに保管するかといったこともロケーションに含まれます。
棚割までロケーションマスターで管理するのですか!?
発注や納品の自動化をしようと思ったら、場所まで指定する必要があります。
ロケーションは、それだけではありません。今は物の流れで説明しましたが、お金の流れにもロケーションがあります。例えば口座。お取引先のA社にも、本社や支社ごとに口座がある。販売実績も同様です。東京や新宿区で売れた実績を把握できなければ、エリアマーケティングに生かせないので、どのようなメッシュでエリアを管理するかもロケーションの範疇です。
それはやっかいですね。てっきり、アイテム数が多く改廃も激しい製品や商品のマスターデータ管理が最も難しい分野だと思っていました。
一番難しいのは恐らくロケーションです。正直なところ、私自身どのように設計して、何マスターと呼ぶべきか決めかねています。ですから現時点では「ロケーション」と総称しているのです。

目指しているのは疎結合のMDMということですが、勘定マスターを例に取ると、会計システムを「正」のマスターとして扱い、他のシステムと連携させるイメージですか。
そうです。取引先マスターは会計システムから切り出して、ASTERIA MDM Oneで一元的に管理しています。取引先と一口に言っても、販売先と仕入先という二つの概念に分かれ、ネッティングなどを想定すると会計システムから独立させたほうが良いと考えたからです。
では、取引先マスターはASTERIA MDM Oneが「正」のマスターになるわけですね。
ASTERIA MDM Oneのマスターデータは「正」というより、取引先関連の業務処理を実行する各種アプリケーションの連携基盤のイメージです。例えばネッティングの処理をするアプリケーションにおいては、ASTERIA MDM Oneを基にAシステムとBシステムのマスターデータの整合性を取って、それを「正」とする。
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取引先マスターでも、アプリケーションによって「正」が違う? そうです。そのような使い方をしても、システム全体として整合性を保ち続けられる点が、ASTERIA MDM Oneの魅力の一つです。 それにしてもアプリケーションによって「正」のマスターデータが変わると、それはそれで管理が煩雑になって、結局は破綻しそうな気がします。 |
ですから、MDMは登録や変更管理などのワークフローとセットで整備することが大切になってきます。その意味では、当社のMDMはまだ完成形とは言えません。MDMの仕組みが色々なシステムの真ん中に存在し、各種システムが扱うマスターデータの整合性を保つインタフェースとして機能する。それが最終的なゴールイメージです。
ロケーションの設計もありますし、プロジェクトはまだ続きますね。
マスターデータは元々、一回整備したら終わりではありませんし、MDMは一歩ずつ進めていけば良いと考えています。ITプロジェクトの中でも、「継続は力なり」という言葉がピタリと当てはまる分野かもしれません。
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1998年3月、早稲田大学大学院理工学研究科修了。同年4月、日経BP社に入社。日経コンピュータ、日本経済新聞、日経産業新聞の記者として、企業のIT活用事例やITベンダーの事業戦略を取材・執筆。2007年に株式会社オトムメディアを設立。IT専門誌「IT Leaders」(株式会社インプレスビジネスメディア発行)の創刊や、ネットメディアの立ち上げなどに参画する。稲門レスリング倶楽部常任委員。
株式会社エイチ・アイ・エス様

段階的なマスターデータ基盤の構築を
ASTERIA MDM Oneで実現!
データガバナンスの強化を視野に入れ、将来を担うデータスチュワードの育成にも着手
[ASTERIA MDM One]
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プラザクリエイト様

経営を支えるマスター統合基盤
前編:MDMはITに閉じた話ではない、経営プラットフォームそのもの
後編:MDMの重要性を経営陣にダイレクトに伝える2つのキーワード
[ASTERIA MDM One]
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味の素ゼネラルフーヅ様
ディーコープ株式会社様

「ASTERIA MDM One MH」により、
継続的なコスト削減を実現する統合マスター基盤の確立へ
国内最大級のビジネスマッチングサービスの開発工数を60%削減し、実質2ヶ月でシステムを完成
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