MDM トップページ > インタビュー:味の素ゼネラルフーヅ様[ビジネスとシステムの環境変化を見据えたマスターデータ管理(前編)]

asteria MDM One インタビュー

ビジネス環境の変化がマスターデータの次元を変える

今回はメーカーと流通、消費者という多面的な視点をお持ちの御社が、マスターデータ管理(MDM)をどのように捉えてらっしゃるかお聞かせいただきたいと思います。早速ですが、食品業界におけるMDMの取り組みは進んでいるほうでしょうか?

いきなり難しい質問ですね(笑)。MDMのスコープによって答えは変わってくると思います。

例えば、コード体系という視点では進んでいると言えるでしょう。JANやITFによって標準化されていますので。流通システム開発センターのJICFS/IFDBも整っています。これらをMDMと位置づけて良いか議論はあるかもしれませんが、メーカーの商品情報を小売業が検索する仕組みは実現できています。

一方、トレーサビリティという視点でみると、食品業界のMDMは十分だとは言い切れないと思います。容器リサイクル法などの関係で、産地からゴミ箱まで商品に関連する情報をつなぐ必要があるのですが、そのスコープでMDMを実践できているところは多くないでしょう。

なるほど。実は最近、スコープの違いがMDMに対する誤解を生んでいると痛感する出来事がありました。「MDMは過去のテーマだ」「MDMなんて意味がない」という話を聞いたのです。

MDMは情報システムの世界で何十年と続いているテーマなので、古いテーマと考える方はいらっしゃるかもしれません。ただ、「終わった」とすれば、社内の小さな部門のマスターデータの整備であって、他の部門や外部のパートナーなどにスコープを広げたら、過去のテーマだとはとても言えません。

「MDMは終わった」と主張される方に理由を尋ねると、結局、データクレンジングや名寄せのことをMDMと捉えていたわけです。

その範囲なら、過去のテーマとされる方もいらっしゃるかもしれませんね。

ええ、業界標準コードの統一やERPの導入によって、マスターデータを一応整備できたのは事実だと思います。ただ、それはコード体系が整っただけで、本当の意味でMDMが終わったのかというと、そうではない。特に、産地からゴミ箱までというトレーサビリティが求められる食品業界は、MDMにおいて非常にシビアな要件を抱えていらっしゃる。

恐らく、食品は最も厳しい管理が求められる業界の一つだと思います。言うまでもありませんが、最終的にお客様が消費されるまでのすべての工程で高い安全性を維持するのが務めですから。

当然、スコープが狭いMDMはあり得ない。広いスコープのMDMを実践することが、企業として最低限のインフラになる。

そうです。しかも、あらゆる環境の変化によってMDMの領域が広がっています。従来は人手で何とか対処できたとしても、将来的には効率的に管理する仕組みが必ず必要になる。そう考えて当社は今、基盤づくりを進めているのです。

MDMとインタフェース管理が情報システム部門の最終ミッション

当社では、マスターデータを管理・運用する仕組みを「ハブ」と称しています。MDMは単に商品や勘定などのマスターデータを整備するだけでなく、それらのマスターデータをアプリケーション間でつなぐインタフェース管理の機能も必要になるからです。

少し前までは、部門ごとにバラバラだったシステムをERPで統合し、シングルインスタンスでマスターデータを管理するのが一つの流れでした。しかし、ビジネスとシステムの両面で、シングルインスタンスという従来のMDMの考え方は通用しなくなりつつあります。

まずビジネスの側面で言えば、企業や組織、事業の概念が変わってきた。受注センターを東南アジアに設け、給料計算の拠点を中国に設置している企業は既にありますね。このようにビジネスの枠組みが企業や組織どころか、国をも越えて広がっていくのは自然な流れです。そうなれば、色々なシステムをつないでマスターデータの整合性を保たなければなりません。

システム面ではクラウドコンピューティングやSaaSの環境が整いつつあります。これらを上手に活用するためには、マスターデータとインタフェースの効果的な管理が欠かせません。つまり、ハブの仕組みはシステム戦略においても、非常に重要になってくるわけです。

現に、当社で動いているシステムは自社開発したものばかりではありません。例えば、受注や出荷、人事は味の素グループのシステムを使っています。マスターデータは個々のシステムに適した設計をするので、ハブの仕組みがなければシステム間での整合性を維持するのが困難になります。

逆に言えば、MDMとインタフェース管理を組み合わせた仕組みさえあれば、システムは最適なものを選んで柔軟に構成できます。クラウドコンピューティングやSaaSが主流の時代になっても、比較的スムーズに自社システムに取り入れていくことができるはずです。

もはやデータクレンジングや名寄せとは、まったく次元の違う話になってきますね。

そうです。少し極端かもしれませんが、情報システム部門に最後に残る機能はMDMとインタフェース管理になるのだと思います。

そうかもしれませんね。ただ、アウトソーシングを加速させたために、ITガバナンスの能力が弱くなったという企業の話も聞くことがあります。そうした企業はMDMに取り組もうにも、人材がいない。

だからこそ、IT人材を再び採用して社内に取り戻す動きが一部で出てきているのでしょう。

当社はかつて20人ほどのメンバーが情報システム部門にいました。しかし、開発作業などをシステム会社に委託するようにし、今いるメンバーはほとんどはシステムの企画管理業務を担当しています。

食品の品質保証と同様にデータの品質保証も命がけで

少し話しは変わりますが、企業のIT投資は7割が運用保守で、戦略的分野に投じられるのは3割程度と言われています。MDMのスコープが広がると、運用保守の割合が増えそうです。

正解は分からないのですが、トレーサビリティの話でも触れましたように、食品メーカーは商品の品質保証に命をかけています。その食品メーカーの情報システム部門が、命がけでデータの品質を保証するのは当然のことです。運用保守か戦略的かという話はさておき、品質にお金をかけていくのは当たり前だと思います。

データの品質を保証する。それこそIT投資を考える際の大切な要素の一つということですね。ただ、ユーザー企業の方に伺うと、マスターデータの管理負荷が高まって、メンテナンス費用が増えているという現実もあるようです。

アプリケーションの種類が多くなるにつれて、管理対象が増えるのはやむを得ないことだと思います。だからこそ、MDMの基盤をきちんと整備しなければならないということもできる。仮に費用がかかっても、しっかりした基礎を整えておいたほうが後々良い結果につながるという点では建物と一緒かもしれませんね。

寒いときはレンガを積み上げ、暑いときは竹で組むというのはないにしても、基盤がしっかりしていれば立て替えの負担は軽くなる。

おっしゃる通りです。これからは自分で組まずにSaaSで必要なものを借りてくればいい。万全にしておかなければならないのは、信頼できるマスターデータ、すなわちシステムの基礎に相当する部分というわけです。

繰り返しになりますが、食品産業である当社は商品の品質に命をかけています。それと同様に、情報システム部門は最初にマスターデータを登録する時点から、命がけで品質を担保し続ける。さらに、マスターデータを利用する各種システムの中でも確実に品質を引き継ぐ。それを可能にする仕組みこそ、IT戦略の重要なポイントになってくるのだと思います。

株式会社エイチ・アイ・エス様

株式会社エイチ・アイ・エス

段階的なマスターデータ基盤の構築を
ASTERIA MDM Oneで実現!

データガバナンスの強化を視野に入れ、将来を担うデータスチュワードの育成にも着手

[ASTERIA MDM One][情報通信][マスターデータ管理(MDM)]

プラザクリエイト様

PLAZA CREATE DEP&DIGITAL 55 station 55ステーション

経営を支えるマスター統合基盤

前編:MDMはITに閉じた話ではない、経営プラットフォームそのもの

後編:MDMの重要性を経営陣にダイレクトに伝える2つのキーワード

[ASTERIA MDM One][卸売業][マスターデータ管理(MDM)]

味の素ゼネラルフーヅ様

ディーコープ株式会社様

ディーコープ株式会社

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