コラム[上級編]第4回:MDMとROIのおいしい関係
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上級編はこれまで、「マスターデータ管理(MDM)は業務でありインフラである」、そして「今後の企業活動において必要不可欠のものになる」という点を説明してきました。しかし、漠然と必要だからという理由だけは予算の確保が難しいというのが現実でしょう。なぜMDMが必要なのか、その明確な説明とROI(投資対効果)が求められます。そこで今回は、MDMの導入を検討しているIT部門担当者の方が一番頭を悩ませるMDMとROIについて解説していきます。
MDMのROIですが、どのように考えるのが正しいのでしょうか?インフォテリアは大きく以下三つの視点で考えています。
① MDMそのものの仕組みで考える
② その他新規投資との組み合わせで考える
③ 既存システムとの組み合わせで考える
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
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① MDMそのものの仕組みで考える |
最初の「MDMそのものの仕組みで考える」は、「MDMへの投資をMDMによるシステム整備のみで回収する」という考え方となります。多重入力によるマスターデータのメンテナンスコストが負担となっているケースなどで有効な視点です。
小売業のケースで考えてみましょう。季節や顧客嗜好の移り変わりによって取り扱う商品の改廃が多く、商品情報の登録業務に大変なコストをかけている。ほぼ毎日、20名から30名の担当が、新規商品の登録や既存商品の価格変更作業を複数のシステムに終日登録している。そんなケースです。
この場合、マスターデータメンテナンスシステムの一本(集約)化とマスターハブによるデータの自動連携を実現すれば、担当者を数名規模まで効率化できる可能性があります。その結果、単純に月額1000万円前後のコストカットが見込めます。
このようにMDMによるコスト削減効果が明確である場合は、MDMそのものの仕組みでROIを考えることが可能です。
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② その他新規投資との組み合わせで考える |
2番目の「その他新規投資との組み合わせで考える」は現在、MDMの導入で最も多いケースです。残念ながら、上記①のように「MDMそのものの仕組みで考える」と、なかなかROIの説明がつきにくいという話はよく聞きます。そのようなケースではMDM単体で考えるのではなく、その他の物と併せてROIを考える。そうすることがMDMの予算を確保する上で非常に有効な手段となります。
例えば、基幹システムの刷新や分析システムの新規導入とMDMを組み合わせて考える、といったケースが該当します。こうしたケースでは、投資の主となる部分はMDMではなく基幹システムや分析システムです。したがってROIはそちらの(主となる)システムで計られることになり、MDMに対する投資を引き出しやすくなると考えられます。
ただし、MDMを導入することで解決される業務課題を明確にしておくことはお忘れなく。他の投資と組み合わせることでMDMの導入目的があいまいになってしまっては元も子もありません。
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③ 既存システムとの組み合わせで考える |
最後の「既存システムとの組み合わせで考える」は、文字通り、既に稼働しているシステムに対するMDMの効果をアピールするものです。IT投資の抑制方針の下、しばらくは既存システムのリプレースや新規投資の計画はない。しかし、遅かれ早かれ必要になるリプレースや新規投資に先だって、インフラであるMDMを整備しておきたい。そうしたケースで予算を確保するのに有効な考え方です。
「分析系のツールを導入したけれども精度が上がらない」というケースは、MDMのROIを既存システムとの組み合わせで考えるのにフィットする事例の一例です。分析系のツールを入れたけど、活用するには異なるマスターに基づく複数のデータを手元で再集計する必要がある、なんて状況が意外と残っているのはないでしょうか。
ほかにも、マスターデータの登録漏れや登録間違いにより、配送トラブルなどを引き起こした。カスタマーサポートや業務に支障が出ているなど、社内の既存システムを再評価すると、マスターデータの運用やデータ品質に起因する課題は抽出できるはずです。
こういった課題を洗い出すと共に、課題解決によって実現する業務改善の内容を示す。そして、同時に得られる既存システムに対するROIの底上げや延命の効果も示す。そうすることでMDMへの投資を引き出しやすくなるものと考えられます。
さあ、いかがでしたか?当然ながらIT環境は各社それぞれで異なります。皆さんのおかれている現状と合わせて考えていただくことで、MDMに対する予算をどのように確保していけばよいかイメージしていただければ幸いです。
次回はいよいよ上級編の最終回となります。最近そこかしこで耳にする機会が増えてきている「データガバナンスとMDM」について紹介する予定です。
[執筆 : インフォテリア株式会社 エンタープライズ事業部 企画部 製品担当]
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