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コラム[中級編]第4回:マスターハブの基本概念と、重要な2つの役割

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これまで3回にわたり、統合マスターについて理解を深めてきました。今回からは、その統合マスターで管理するマスターデータを各業務システムへ連携(同期)させる「マスターハブ」について説明をしていきましょう。

まずは、「ハブ」のイメージを皆さんと共有したいと思います。最近のニュースで某大臣が羽田空港のハブ化について言及し世間を騒がしていますので、ひょっとすると既に共有できているかもしれませんね。正直なところ今回マスターハブに関するコラムを執筆するにあたり、あまりにもタイミング良く一連の報道がなされたことで、「ハブ」という言葉の知名度・認知度が少し上がったのではないかと少し喜んでおります。

さて前置きはこの程度にして、本題に入りましょう。毎度おなじみのWikipediaで「ハブ空港」について調べたところ、次のように説明がありました。

「ハブ空港(airline hub、ハブくうこう)は、各地に放射状に伸びた航空路線網の中心として機能する、「拠点空港」を意味する言葉である。航空路線網を自転車などの車輪に例えると、車輪の輻(や/スポーク)部分が「航空路」、軸(じく/ハブ)部分が「空港」にあたることからこの名称がついた。」

上記の説明文にある「ハブ空港」を「マスターハブ」、「(各地の)空港」を「各業務アプリケーション」、「航空路」を「ネットワーク」に置き換えて考えると、自ずとマスターハブの役割がお分かりいただけるのではないでしょうか。上記の説明文中には出てきませんが、航空路を行き交う「飛行機」が「マスターデータ」に相当します。

少し乱暴かもしれませんが、Wikipediaの説明文を参考にすると、マスターハブの基本的な概念は次のように説明できます。

「マスターハブは、各業務アプリケーションに放射状に伸びたネットワークの中心として機能する拠点である」

お気づきの方も多いと思いますが、マスターハブの基本概念は弊社が得意としているEAIと非常に似ているのです。

もちろん、まったく同じかというと実はそうではありません。航空路線にハブ空港、鉄道にハブ(ターミナル)駅、航路にハブ港があるように、社内で流通するデータも大別するとマスターデータとトランザクションデータの2種類あり、それぞれのデータに最適化されたハブ機能が求められるのです。

マスターハブには重要なポイントがいくつもありますが、今回は特に重要なポイントを2つ挙げたいと思います。その2つとは、ズバリ「Compliance(法令順守)」と「IT agility(情報システムの俊敏性)」です。最初に、内部統制の観点からマスターデータと「Compliance(法令順守)」について整理してみます。

マスターデータはその性質から、改ざんなどが行われると企業業績に大きな影響を及ぼすことが想定されます。そのため単純なログ収集でなく、維持管理の仕組みを含めた対応が欠かせません。具体的には、マスターハブは統合マスターで維持管理するマスターデータを正確かつ適切に各業務アプリケーションに連携させるだけでなく、監査時など必要に応じて運用履歴などが簡易にモニタリングできることが重要になってくるのです。このことは金融庁が公開している内部統制資料(以下抜粋)からもお分かりいただけるでしょう。



  Ⅰ 内部統制の基本的枠組み
 ITに関わる業務処理統制
 - マスターデータの維持管理

 Ⅱ 財務報告に関わる内部統制の評価及び報告
 ITに関わる業務処理統制の評価
 - マスターデータの正確性が確保されているか

 Ⅲ 財務報告に関わる内部統制の監査
 ITに関わる業務処理統制の評価の検討
 - 仕入先・販売先などのマスターデータの維持管理が適切に行われているか

 ※出典:財務報告に係る内部統制の評価及び監督の基準
   並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)



続いて、マスターデータと「IT agility(情報システムの俊敏性)」に関して考えて見ましょう。

これまでの企業ITは一度導入した業務アプリケーションを数年、場合によっては10年以上継続して使い続けることが前提でした。しかし、ビジネスを取り巻く環境の変化が今後さらに加速されることが予測されるなか、業務アプリケーションをこれまでと同じサイクルで使っていくことは困難です。SaaS/クラウド対応型業務アプリケーションの活用や、開発手法にアジャイルを採用するといった動きが注目を集めつつあるのは、そのためです。読者の皆さんの企業でも、システムライフサイクルの短縮に向けて、様々な取り組みをされているに違いありません。

当然ながら、アプリケーション環境や開発環境のagilityを高めるには、それと同時並行でマスターデータのagilityにも目を向けなければなりません。この点は専門メディアでも指摘される機会が思いのほか少ないのですが、アプリケーションとマスターデータは関連性が強いので、マスターデータの存在を無視して、アプリケーションだけが俊敏になるというのは現実には考えられないのです。

それを解決する有効な手立てがマスターハブです。各業務アプリケーションをネットワークで結ぶマスターハブを設置して、業務アプリケーションからマスターデータを切り離す。そうすることで、より俊敏な情報システム基盤を構築することが可能になります。

マスターハブの必要性、重要度について理解いただけたでしょうか?次回はいよいよ中級編の最終回となります。

[執筆 : インフォテリア株式会社 エンタープライズ事業部 企画部 製品担当]

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