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コラム[中級編]:第3回「統合マスターの実態に迫る③ 統合マスターをどう管理すべきか」

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本日で統合マスターに関わる話題は、ひとまず終了となります。これまで「統合マスターの用途」「統合マスターで何を管理するのか」という2点について整理してきました。最後は、もう少し実践をイメージして、「統合マスターをどう管理するのか」について解説していきます。


 統合マスターをどう管理するのか


統合マスターで管理するマスターデータは、どのような課題を解決するのかを見据え、それに必要なものにターゲットを絞る必要がある、という点は前回のコラムで説明したとおりです。では、管理対象となるマスターデータの種類を絞り込んだ後、実際に統合マスターをどのように管理していったらよいのでしょうか?

やや漠然とした質問なので、意味を捉えにくかったかもしれません。顧客マスターを[マスターハブ型]の統合マスターで管理するケースを例に、もう少し具体的に説明します。

顧客マスターには顧客の正式名称や担当者名など、さまざまな属性(項目)が含まれているのはご存知かと思います。これらの項目は大きく2つに分類することができます。

グローバル属性
会社コード、正式名称、略式名称、代表電話番号、FAX番号、住所など統合対象の全てのシステムで使用されているもの。

ローカル属性
担当部門名称、担当者名、担当者電話番号、口座番号、与信情報など統合対象の各システムでのみ使用されており、複数以上のシステムで共用されていないもの。

マスターデータには上記の2つの属性が存在するという前提で、顧客マスターを会計と物流、SFA(セールスフォースオートメーション)、BI(ビジネスインテリジェンス)の4つのシステムで統合するものと考えてください。

果たして、統合マスターに格納すべきものは①のグローバル属性だけでしょうか、それとも①のグローバル属性と②のローカル属性を合わせたすべての情報でしょうか?

これが冒頭に挙げた「統合マスターをどのように管理していったらよいのでしょうか?」という質問の真意です。

グローバル属性だけを管理するパターンと、グローバル属性とローカル属性を一緒に管理するパターン

回答を考えるに当たり、グローバル属性だけを管理するパターンと、グローバル属性とローカル属性を一緒に管理するパターンで何が決定的に異なるのかを整理しておきましょう。

一番大きな違いは、マスターデータ管理環境が分散されるか、一元化されるか、という点です。ローカル属性を管理対象から外す前者の場合、一部マスターデータ管理環境が各システムに残ることになります。一方、後者の場合は、グローバルとローカルの両方に含まれるすべての属性が統合マスターで管理されるため、統合マスターだけでマスターデータのライフサイクルを管理できます。

さて、質問の答えが浮かび上がってきたのではありませんか。「統合マスターを管理するという視点で言えば、グローバル属性とローカル属性を管理するのが正解だ」と。

MDM(マスターデータ管理)の教科書的に回答するなら、正しい答えかもしれません。しかし、実践的な目線で回答するなら、実は「どちらも正しいし、どちらも正しくない」のです。「正解が1つでないなんて無責任だ」と感じられるかもしれませんが、実践を強く意識すればするほど、正解は一意に定まらないというのが統合マスターの現実です。

重要なことは、事業環境や解決すべき課題、システム環境や運用体制などに対して、どちらがより自社に適しているかを見極めることです。当然のことですが、システム環境だけを取り上げても、各社の環境は千差万別です。ユーザーインターフェース変更に伴うユーザー部門への負担や運用時の整合性管理、システム運用コストなどのファクターを分析し、自社と統合マスターの適性を判断する必要があります。

大切なことなので何度も繰り返しますが、MDMはあくまでも手段です。教科書的な正解にとらわれるあまり、MDMが目的になってしまわないよう気を付けたいところです。

さて、統合マスターの構築に欠かせない基本的なトピックは今回で終わりです。次回からは統合マスターと各種業務システムをつなぐマスターハブについて解説していく予定です。

[執筆 : インフォテリア株式会社 エンタープライズ事業部 企画部 製品担当]

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