データガバナンスの強化を視野に入れ、将来を担うデータスチュワードの育成にも着手
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大手総合旅行会社の株式会社エイチ・アイ・エス(以下、H.I.S)は、消費者の嗜好に合わせた旅行商品を、他社に先駆けて提供するなどのスピード感ある事業展開で、競争の激しい旅行業界の中で独自の地位を獲得している。
高いサービス品質を維持しながら、迅速かつ戦略的にビジネスを展開するためには、オンライン予約サイトを始め、数多くのシステム管理が不可欠であり、各業務システム間ではマスターデータの整合性を保つことが重要だ。そこで、H.I.Sでは、マスターデータ連携を効率化し、かつ的確なデータガバナンスを短期間で実現すべく、ASTERIA MDM Oneを導入。まずは核となるマスターデータ配信・管理基盤を社内3人のスタッフで取り組み、約2週間での構築を成功させた。

旅行業界の事業環境は、行き先となる国や地域の情勢、航空機の燃油サーチャージや為替レートなどが常に変動している上に、旅行先や旅行プランなどの流行もあって、非常に変化が激しい。そのため、H.I.Sでは、オンライン予約サイトなどの業務システムを立ち上げる際に、個々のシステムニーズを優先して個別に基幹系システムと連携させ、迅速に構築できるようにしてきた。
このようなシステム構築手法は、迅速さが期待される反面、基幹システムとの間でマスターデータを連携する際、個々のサブシステムの都合に合わせて加工・変換しなければならず、運用の手間が増えてしまいがちだ。そこでH.I.Sは、2010 年春からマスターデータ管理(Master Data Management:MDM)に取り組み始めた。運用の負担を減らし、より迅速なシステム展開を可能にし、マスターデータの確実性を担保するのが目的だ。
取り組みの中心としてMDMプロジェクトチームを立ち上げた。青木英則氏は、「当社は、言うなれば『マスターデータの固まり』のようなビジネス。業務の根底となるマスターデータを正しく提供できるようにしなければいけないと考えていました。そこでマスターデータの重要性を社内に訴え、MDM基盤の構築を進めようと考えたのです」と説明する。基幹業務関連はもちろん、“商品”である旅行サービスや、その“素材”となる航空券や宿泊施設などのマスターデータも体系立てて管理すべきだという考えから、プロジェクトチームを立ち上げたのである。

H.I.Sでは、MDM基盤を迅速かつ確実に実現できる製品を導入することとして、その検討を進めた。
「ASTERIA MDM One MHは、マスター配信の接続先を選ばず、すぐにMDMの効果を出せることが決め手となりました」と、MDMプロジェクトチームの大島宏之氏は言う。
一方、MDMの効果を得るためには、MDM基盤を構築するだけでなく、各システムがMDM基盤を使ってマスターデータを連携することも欠かせない。同社では、全てのシステムがMDM基盤を使うよう一斉に切り替えるのではなく、一部のシステムから順次、MDM基盤に対応させていく方針を採った。
「まずはMDMを動かすことが重要だと考え、やりやすいシステムから着手するスモールスタート、『小さく始めて大きくしていく』という方針にしたのです。そこを足掛かりとして他のシステムにも対応範囲を拡張していき、最終的には全社的なシステム基盤としていきます」と大島氏は言う。
サブシステム側をMDM基盤に対応させるには、システム開発段階からMDM基盤を前提として設計した方が容易だ。そこでMDMプロジェクトチームでは、これから開発を進めるシステムを最初のターゲットとして、その担当者に対し、MDMの仕組みやメリットについて提案していったという。

H.I.SのMDM基盤構築は段階的に進められている。最初に実施されたのは、ASTERIAMDM One MHによってマスターデータを統合・配信する基盤の構築と、最初のマスターデータ連携先となる2つのサブシステムでの対応作業だった。MDM 基盤そのものに携わったのはMDMプロジェクトチームの3 名で、実作業の中心となったのが同チームの河﨑恵介氏だ。河﨑氏は、ASTERIA MDM One MHを用いたMDM基盤構築作業のほとんどを一人で行った。
「我々にとって初めて触れるツールでしたが、手間のかからないパッケージという印象です。ASTERIA MDM One MHはインストーラーを起動して導入すれば、あとは全てブラウザベースで操作でき、いわゆるエンジニア作業ではないので高いITスキルや専門的な知識を必要としません。これまでの作業も、オンラインヘルプやマニュアルの情報を参考に進めていくことができました。また、ASTERIA MDM One MHは相手のDBを選ばないので、その点でも短時間で作業できますね」(河﨑氏)
一方、青木氏と大島氏は、マスターデータ全体の構成を設計したり、接続先システムとの調整などを担当した。3人が分担して、各自の役割に責任を持って取り組んだ結果、わずか2週間でMDM基盤の構築を終えてテスト段階に入ることができた。
MDM基盤構築は順調に進み、あとは接続相手となるサブシステム側の準備を待つばかりの状況だ。次のステップでは、「ASTERIA MDMOne MI」を導入してデータ管理のルール徹底、すなわちデータガバナンスの確立を目指している。
「MDM基盤を持つことで、基幹システム側はマスターデータの整合性を担保できますし、サブシステム側はマスター管理機能を自分たちで設計しなくて済むというメリットが得られます。MDM基盤がマスターデータの整合性を正しく保ち、各システムにきちんと伝えられるようになれば、データを上手く活用でき、今後のビジネスにも良い影響が出ます。構築作業に先立つ1年ちかく、そうしたMDMの重要性を説いてきましたが、最近は社内の人たちも気付き始めたようで、これまで想定していなかったサブシステムからもMDM基盤へ接続したいというオファーが来るようになりました」(青木氏)
H.I.Sでは、マスターデータ管理の全体に責任を負うデータ資産管理者「データスチュワード」のポストを設けようとしている。単なる管理に留まらず、ルールの作成・運用など、マスターデータの運用改善も期待される立場だ。その候補者は、MDMの概念を理解し、かつ今の状況や問題点について最も熟知する大島氏だ。
「無形のサービスを売る当社にとってマスターデータは重要な資産。ASTERIA MDMOne MIのワークフロー機能やログ機能を上手く活用しつつ、システムのみならず業務そのものの見直しも進めていくつもりです」と大島氏は語る。

株式会社エイチ・アイ・エス
国内273拠点、海外114拠点(2011年6月現在)の店舗網を展開する大手総合旅行会社。1980年の設立時にはリーズナブルな海外航空券の販売でスタートし、現在では団体旅行やパッケージツアーなど幅広い商品を手掛けている。
所在地 : 東京都新宿区西新宿6-8-1 新宿オークタワー29階
URL :
http://www.his-j.com/
株式会社エイチ・アイ・エス様

段階的なマスターデータ基盤の構築を
ASTERIA MDM Oneで実現!
データガバナンスの強化を視野に入れ、将来を担うデータスチュワードの育成にも着手
[ASTERIA MDM One]
[情報通信]
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プラザクリエイト様

経営を支えるマスター統合基盤
前編:MDMはITに閉じた話ではない、経営プラットフォームそのもの
後編:MDMの重要性を経営陣にダイレクトに伝える2つのキーワード
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