導入実績:株式会社東芝セミコンダクター社
コラボレーティブ・バリューチェーン・システム構築に向け、
ASTERIAを利用して半導体製品情報の共有化を実現
株式会社東芝セミコンダクター社は、情報機器やデジタル家電の核となるディスクリート、システムLSI、メモリといった半導体部品を最先端の技術で開発し、グローバルに供給している。同社では、社内だけでなく、工場同士や他の企業との間をつなぐことで時間的にもコスト的にも大幅な効率アップを図ることを課題として掲げ、他の半導体メーカーをリードしようとしている。その先行モデルとして、東芝セミコンダクター社では、半導体部品の製品情報について取引先との間で情報を共有する仕組みを構築し、製造過程での時間短縮およびコスト削減に取り組んでいる。同社のコラボレーティブ・バリューチェーンシステムへの取り組みと、ASTERIAを利用した製品の情報共有システム導入の経緯と構築の目的を、株式会社東芝セミコンダクター プロセス技術推進センター 松岡 康男氏に、システム構築時の実際について東芝ITソリューション株式会社 半導体・液晶エンジニアリング事業部 CIM開発担当 笹原 健太郎氏にそれぞれお聞きした。
スピーディーな半導体技術情報の共有により、複数企業間のデータ連携を
実現するコラボレーティブ・バリューチェーン・システム構築へ
プロセス技術推進センター
松岡 康男 氏
半導体の製造過程において、ビジネスモデルが変遷している。従来は、部品の設計から製造までを自社内だけで完結することができたが、昨今では、自社のサプライチェーン・マネージメント・システムの一部を関連会社などと連携することで効率化を図っている。将来的には、業界標準システムを利用し、他の事業所や企業との連携を行うことにより、人手を介することなくサプライチェーン・マネージメント・システムが構築され、さらにコスト削減やスピードアップが実現できる。
東芝セミコンダクター社では、こうしたビジネスモデルの変遷に対応し、将来を見据えた『コラボレーティブ・バリューチェーン・システム』の構築に取り組んでいる。これを実現するのが、同社の提唱する「コーディネートHUB」であり、ここでは設計から製造にいらるまでのあらゆる関連企業や部門で情報を共有・交換することを目指す。
先行検証モデルとして、製品情報を共有化するビジネスフローを実現
東芝ITソリューション株式会社
半導体・液晶
エンジニアリング事業部
CIM開発担当
笹原 健太郎 氏
同社では、この「コーディネートHUB」を実現するための第一歩として、半導体製造過程に使われる『フォトマスク(MASK)』に関して、その製品情報を自社内関連部署や取引先で共有するための中核システム「MASK HUB」を構築した。
「MASK HUB」は、大規模な「コーディネートHUB」構築のための先行検証モデルとして開発され、現在、東芝セミコンダクター社と同社関連企業との間でテストを行っている段階である。「MASK HUB」の製品情報を受けて、それを必要な形式にデータ変換する部分には「ASTERIA」が採用されている。
東芝セミコンダクターでは、まず製品チェック・ツールを利用してフォトマスクのビットマップ画像データを確認する。フォトマスク製品が一定の規格を満たしている場合は工場にメール通知し、生産過程に入る。規格を満たしていなかった場合には、製品や画像情報、およびその内容を示すコラボレーション用文書など『MASK HUB』に登録され、設計担当や生産技術担当などにメール通知される。
東芝セミコンダクターでは、ASTERIAを利用してこの一連の流れをフロー化し、ビジネス・ロジックを持つことで材料の無駄を最小限にしただけでなく、関係者全員が製品およびその詳細情報をリアルタイムにメールで受け取れるようにした。メールを受け取った関係者は、「BEA Web Logic Portal」で作成された専用のイントラネット画面を見に行き、そこに登録されたビットマップとテキストのフォトマスク製品情報を詳細に見ることができる。さらにNTTデータのワークフロー・ツール「イントラマート」を使用して、製品の使用可否を判断する承認フローを行っている。このようなビジネスフローの適用により、製品がどういう状態にあるかという情報を即座に確認できるため、時間の大幅な短縮が可能となった。
フォトマスク製品のデータを、
さまざまな形式に変換するツールとしてASTERIAを採用
『MASK HUB』で東芝セミコンダクターのイントラネット上に登録されたフォトマスク製品データは、ASTERIAを介して関係者にメール通知されるほか、社内のXMLデータベース、レガシーシステムに振り分けられ、必要に応じて関連部署で利用される。これら社内システムに格納する際のデータ変換もASTERIAを利用して行われる。
ASTERIAを利用することで、データのマッピング作業が容易になるだけでなく、「MASK HUB」で求められる画像情報連携が実現できる。また、テキストやXMLなどさまざまなデータ形式にも柔軟に対応できる点が高く評価され、他社製品と検討した結果、ASTERIAの採用が決まったという。
「市場ニーズに合わせた製品開発および製造を推進するためにIT技術の利用は不可欠です。我々はこれらからの時代を『共創(コラボレーション)の時代』としてとらえ、グループ企業やパートナー企業などと協力して製品製造の効率化を進めようとしています。そのためには、技術情報の共有や交換を実現するためのツールが必要でした。ASTERIAは、他社製品では対応が難しかった画像情報連携やさまざまなタイプのデータ変換を、容易かつスピーディに実現してくれるツールとして評価しています。」と、東芝セミコンダクター社 松岡氏はASTERIA採用の理由を語っている。
また、ASTERIAを利用したシステム構築に携わった東芝ITソリューション株式会社の笹原健太郎氏は、開発当初を振り返って次のようにコメントしている。「MASK HUB構築当初は、我々にASTERIAを利用した開発の経験なかったため、製品に慣れるまで若干時間がかかりました。実際にASTERIAを利用した開発に慣れてくると、フローの対応フォーマットが多様であること、DBとの連携が容易に行えること、ユーザーにフローを視覚的に説明できること、など多くのメリットがあり、結果的に短期間に効率よくシステム構築を行うことができました。また開発当初では、ASTERIAの設計環境であるDesignerの当初のバージョンでサービスコンポーネントが予定通りの動きをしない場合もありましたが、インフォテリアの早急な対応で納期に間に合わせることができました。」
東芝セミコンダクターでは、今回の先行検証モデルである「MASK HUB」でのテスト結果を受け、取引先を徐々に広げていく予定だ。まずは同社の系列会社からスタートし、近い将来には他企業ともオープンかつ、戦略的なコラボレーティブ・バリューチェーン・システムを構築し、情報共有による半導体製造プロセス技術開発における全体最適化を目指す。
※この内容は2003年8月時点のものです。
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株式会社東芝セミコンダクター社
株式会社東芝セミコンダクター社は、情報機器やデジタル家電の中心部品である半導体を、卓越した最先端プロセス技術力と洗練された製造技術を駆使してグローバルに提供します。生産高で世界一のディスクリートをはじめ、システムLSI、メモリの3分野で市場をリードしていきます。