社団法人日本情報システム・ユーザー協会は「第15回 企業IT動向調査2009」の報道発表資料で、このような統計結果を公表している。プロジェクトの規模が小さくなるにつれて予算オーバーの割合は小さくなるものの、1年前の統計結果と比較すると、総じて増加傾向にある。
ITコストが予定より膨らむ理由は、いくつも考えられる。例えば、開発したシステムの品質が低いために手戻りが発生して、余計なコストを発生させる。そもそも開発工程の中心を占めるプログラミング作業が標準化されていないため、似たような機能だとしても、何度も繰り返し開発作業をしなければならない、といったこともあり得る。
複数のシステムを連携させる際にも、同じことが言える。業務システムをゼロから開発するのに比べれば、1つ1つの連携機能の開発規模は小さいかもしれない。しかし、品質が悪ければ、やはりコスト増を招く。システム連携のニーズが出てくるたびに、「対症療法的」や「場当たり的」に開発していると、小さなコスト増が積み重なって、最終的に無視できない金額に膨れ上がりかねない。
当たり前のことなので明確に指摘されることは少ないが、システム連携のニーズは企業内の至るところに存在する。効果的なキャンペーンを実施するために、営業の進捗管理システムと、顧客情報の管理システムをつなぐ。キャンペーンの効果を測定する目的で、販売管理システムと情報分析システムをつなぐ。バリューチェーンを効率化するのに、パートナー企業との間で物流や需給計画のシステムを簡易的につなぐ。事業が続く限りシステムを「つなぐ」ニーズは発生し続けるといっても過言ではない。
これだけ多くのニーズがあるにもかかわらず、対症療法的に「つなぐ」機能を開発し続けるのは、効率とコストの両面から見て愚策と言えよう。何度繰り返しても安定した品質で、しかも短期間で確実に開発する。そうした仕組みを整備することが、ITコストの削減に意外と効いてくる。