しかし、企業が新たなサービスを始めたり、既に提供しているサービスを強化したりする際、思わぬところで足を引っ張られることがある。企業活動の足元を支えているITが、それだ。
最近では高速道路で、この種の“問題”が明るみに出た。土日祝日は料金を1000円にするサービスが2009年3月28日に始まったのだが、ITの整備が間に合わず、一部区間では完全な実施ができないという状況を招いた。
4、5年さかのぼれば、ITが足かせとなって変革を断念した企業は意外と多い。大手化学メーカーや準大手ゼネコン、地銀などが、ITの整備を1つの理由に経営統合を白紙撤回。ビジネス環境に合わせた変革のチャンスを無にした。
これほど深刻な事態に発展しないまでも、似たようなリスクは多くの企業に存在する。特に、旧来のコンピュータを用いて一昔前に開発した、いわゆる「レガシーシステム」を利用している企業は、ビジネス環境の大きな変化に追随しにくいとされる。
レガシーシステムはプログラムの改修を繰り返してきたため、いくつものプログラムが複雑に入り組んだ“スパゲティ状態”になっている。小さな改修だとしても、他のプログラムに悪影響が出ないようにするのは至難の業。別のシステム(パッケージソフト)を用意したとしても、結局はレガシーシステムとの連携機能の開発が発生することが多い。
既存のIT資産を十分に長く使い続けるには、改修に次ぐ改修と、それに伴うシステム連携機能の度重なる開発は止むを得ないことかもしれない。だが、連携機能の開発に手間取ってサービスをタイムリーに提供できなくなる、といったリスクは最小限にしなければならない。